みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

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父を旅行に誘いました

2007年01月29日 19時53分56秒 | 明日への一歩
父を旅行に誘ってみました。

父は長い間会社に勤めていました。会社員だった頃は、朝早く出勤して夜遅く帰る日が続きました。

そんな日々が続いて10年、20年。

いつしか子供との距離が離れ、親子の間に溝ができてしまいました。

大人になった私から見ると、長い時間のうちにずいぶん溝が深くなったものだと思います。

父のことは何も知りません。父の方から話してもくれなければ、私から聞くこともありません。ずっと一緒にいたのに変な話ですが、幼い頃に生き別れたかのように何も知りません。

果たしてこの人はいったい誰なのか。私の親ということになっていますし、今まで育ててくれたようですが、父のことは何も知りません。

父はどんな人生を歩んできたのか。

父は何を感じて何を考えてきたのか。

もっと単純に、何が好きで何が嫌いなのか。

ずいぶん遠く離れてしまったものです。

このまま遠い存在にしてしまってはいけない。

どれだけ近づけるか分かりませんが、とにかく距離を埋めないと。少しずつでも埋めないと。今のままでは、父というラベルが付いた知らないおじさんを看 (み) 取ることになります。

父との距離を埋めたいと思う気持ちは今までもありました。しかし、仕事が忙しくなったり、精神的に余裕がなくなったりするたびに、メールを交換したり実際に会ったりする頻度が落ちてしまいました。

今年は、もっともっとメールも電話もしたい。一緒に出かけたい。せっかく父が会社を退職して時間がたくさんできたのです。この時間を過去の埋め合わせに使いたい。

私は小さい頃、電車が大好きでした。陸橋のフェンスに食らいついて下を行き交う電車を熱心に見ている私の写真があります。撮ってくれたのは父のはず。あの頃、私と父は同じ物を見ていました。つたない日本語で電車を見た興奮を伝える私と、それを見守る父。

いつの間にか、同じ物を見て、お互いに感じたことを話し合うということもなくなってしまいました。そしてふたりの間には大きな距離が。

父を旅行に誘いました。

一緒に同じ時間を過ごして、一緒に同じ物を見て、感じたことを一緒に話し合おうと思います。

ふたりで手をつないで、時間のかなたに置き去りにされた、小さな丸い忘れ物を探しに。



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