Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 土星が観測好期

7月の3連休は☆撮り日和(2)

2018-07-19 23:15:00 | 遠征日誌

十日町での☆撮り成果の続きです。
2つのマイナー天体を撮り終えたところで、もう日付が変わってました。
以降は大好物のほうき星を狙ったのでした。
まず撮ったのはこの彗星↓
21p_2018-01.jpg
【ジャコビニ・チンナー彗星】
 総露出時間45分(3分×15コマ,彗星の動きに合わせて加算合成),トリミングあり

19世紀末に発見された短周期彗星で、6.6年ほどで楕円軌道を周回しています。
その軌道上に地球の公転軌道とかなり接近する点があり、気まぐれな活動を見せることで知られる
10月りゅう座流星群(旧称ジャコビニ流星群)の母天体であることが判明しています。
今年は地球との位置関係がとても良く、9月頃に小型双眼鏡で見える明るさになると予想されています。
光度は既に9等台に達している模様。写真では中央集光が強く、彗星らしい青緑色のコマが取り巻いた
姿が捉えられました。

次に撮ったのは期待が大きいこの彗星↓
2017s3_02.jpg
【パンスターズ彗星 C/2017 S3】
 総露出時間24分(3分×8,彗星の動きに合わせて加算合成),トリミングあり

この彗星は5月20日未明に撮影しています。その際にはホントに微かにしか写りませんでしたが、
今月に入ってから急速に明るくなり、この撮影時には10等以上の明るさになっていた模様。
右上方には短いながら尾も写っているのが分かります。最新情報では7等級に達しているらしく、
このまま推移すると月末には肉眼光度になるかもしれませんが、彗星本体は小振りと思われ、
太陽に近づく途中で彗星核が崩壊して光度低下に転ずる可能性もゼロではありません。
数年前に期待されていながら消滅してしまったアイソン彗星のようにならなければいいのですが・・・

最後に撮ったのはコレ↓
2018n1_01.jpg
【ネオワイズ彗星 C/2018 N1】
 総露出時間24分(3分×8,彗星の動きに合わせて加算合成),トリミングあり

NASAの赤外線天文衛星NEOWISEが今月2日に発見したばかりの新彗星です。
7/27ごろ地球に最接近し、8/1に地球の公転軌道の外側で太陽最接近を迎えます。
撮影時の予報光度は15等台でしたが、実際にはそれを大きく上回る10等台になっていた模様。
予想外の光度上昇を見せていますが、肉眼で見えるレベルに達することは多分ないでしょう。

共通撮影データは次のとおり。
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,F2.8,ISO1600,中型赤道儀使用