蕎麦彷徨

ひとりの素人が蕎麦について考えてきたことを書きしるすブログ

在来種(3)

2011-10-29 | '11 SOBA

「自遊人」に掲載された蕎麦店のうちで、もう一軒を訪れてみた。青梅市にある「蕎麦 榎戸」である。この店は、本来長野にある「奈川在来」を北海道に持ち込んで「奈川在来」として栽培されたソバを提供している蕎麦店である。

 

やはり、問題があるそばであった。練りすぎており、しかも麺が太すぎるために硬質な感じの蕎麦になってしまっている。麺のみで食してもそうであるし、つゆにつけて食べると冷たいがゆえに硬く引き締まった感じがより強く感じられてしまう。蕎麦は黒く香りもない。本当に「奈川在来」であるか聞いてみたが、間違いないという。北海道に持ち込んだとはいえこれが本当にその在来種なのかと訝しく思ってしまう。

 

「自遊人」に掲載されているそば店のそばの写真をみると、そのほとんどが黒いそばである。石臼で挽かれたそばが黒い色をしているのは、美味しさがまったくありえないがくの一部や果皮の一部が混入しているからである。これでは美味しいはずがい。

 

同誌のp.53には黒い果皮を取り除いた丸ヌキの写真が3種載っているが、酸化があまりにも進んでしまい、中には赤茶けたヌキが相当数みられる。もうどれもそばきりにするのは不適である。これでは在来種の良さなど反映されず、信濃一号や他のどんな品種のソバとも同じで、区別はつけられない。

 

 

 


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