フルート吹きのほっと一息

フルートのこと、音楽のこと、作曲家のこと。そして愛犬トム君との日々。
一緒に楽しんでくださると嬉しいです

バッハ♪

2008年01月23日 | 恩師 増永弘昭先生
先生が亡くなった後で、
形見に何冊か楽譜を頂いた.
先生のメモが書いてあるものを少し。

その中にはコピー譜の
ブランデンブルグ協奏曲第5番も含まれていた。

少し黄ばんだ楽譜にはメガネの絵が書き入れられていて、
ああ、ここは気をつけないといけないんだな・・・
と教えてくれる。

この曲を来月演奏することになった。
恩師の触れていた楽譜で本番を迎えるのだ.
古い印刷が刻んだ時を感じさせ、

すぐに師匠のバッハを思い出す。
豊かな深い響きは哲学的であり躍動的だった。

バッハは一生かけてゆっくり勉強しようと
じっくり自分で楽譜を読み込んでから
先生にレッスンを受けようと思って、
後回しにしていたのだけれど、

気がついたら間に合わなかった。

今は、自分で考えるだけの知識が
蓄積されているのが分かるから

これは天国からの宿題なのだなと思っている.


追悼のコンサート

2008年01月01日 | 恩師 増永弘昭先生


2007年10月の東京での演奏会は
同じプログラムでの三回目の演奏会でした。
札幌、コペンハーゲンのあとの報告コンサートです。


プログラムは
クーラウ、エラート、ピアノソロ、
そしてライネッケのウンディーヌ。

三度やればだんだん慣れて演奏が易しくなるかと言うと
ちっともそんな事はなく、
「なんとかこなしていた所」(内緒)を
「思い切って表現してみる」 にステップアップ。
書くと簡単そうだけれど、
実は ステージで ちょっと変える って言うのは
本当に難しい.

コペンハーゲンの風や風景は
初めての北欧に心躍らせるもので、
かの地に降り立ってからはクーラウの表現が変わった。
私としても充実していたとはいえ、
それでも、なんとも苦しい日々。

演奏は上手く行ったり行かなかったり。
すごく技術があるわけでもなく。
あるのはただ、
どうしても演奏しなければならないと言う気持。

増永先生から受け継いだものを失ってはいけないし
天国に届くように心から祈るような演奏を
しなければいけない。

ライネッケは多分、劇的に表現できていたんだろうと思う.
ただ、増永先生の七回忌の直前だったので、
私がどれだけ先生に感謝しているのか
来てくださっているお客様に
音楽だけではなくて言葉でも伝えなければならないと思って
すこし、お話をした。

来てくださってありがとう
東京で演奏会ができるとは思っていなかった事
本当に幸せだと思う事
増永先生の七回忌がもうすぐだということ。
そして先生のフルートをお借りして
今日は力をもらって演奏していること.
どうぞ、増永先生を思い出してください。
と。

きっと先生ならこうやって演奏するだろうな
こんな感じで表現するかなと思いつつも
時間が止まったような不思議な時間が・・・

客席の同級生達の感想はコチラを見てください。
http://blog.goo.ne.jp/swingagogo/d/20071018
http://yaplog.jp/akie-h/monthly/200710/


札幌にくたくたになりながら帰ってきて5日後。
恩師を失った悲しみが、嘘のように消えて、
体中が軽くなり、喜びが溢れてきました.
ああ、先生がよろこんでくれている。
きっと一緒に演奏していたのだなと感じたのです.
私は今も、勝手にそう思っています。

さて2008年
みなさん、ぜひよい一年にしましょう。

新年あけましておめでとうございます。