フルート吹きのほっと一息

フルートのこと、音楽のこと、作曲家のこと。そして愛犬トム君との日々。
一緒に楽しんでくださると嬉しいです

クーラウ ディヴェルティメントcismoll

2023年12月03日 | 作品あれこれ

9分32秒

この時間が長いのか短いのか。
無伴奏曲である。
ずっと楽器を構えたままであり
ずっとフルートの息遣いのままである。

緊張するパッセージが続くと
呼吸のコントロールに少し余計な力が入る。
そうするとフルートが鳴りにくくなる。

四分休符すらもないのだから
常に100%のコントロールが効いていないと
美しい演奏にはならない。

という課題をコロナ期にやっておったが
このフルートを構える姿勢をずーっと継続すると
腰や首や肩が調子が悪くなる。
お年でございますな。

この曲、ピアノ伴奏も実はあるのだけれど
かなり支配されるので無伴奏の方が美しい。
私の宿題だと思っている。

納得できる演奏ができることを楽しみにしているが
これが私の実力かと思い知らされる作品でもある。


 


ヒンデミットのフルートソナタ1楽章

2023年11月22日 | 作品あれこれ

奏法の話は言語化しにくいが
フルートがよく鳴っている時は
色々な条件が組み合わさっているなあと
改めて思いながら練習している。

調子が良いとか悪いとかで片付けず、
条件を整えないとならないし
自分の想像できる範囲を超えた所が
大事だったりするので長年やってきて
ようやく理解に辿り着くこともある。

 

倍音の配列から外れないようにすると
メロディの中でストンと自分の音が
響き合うのが分かり面白い。

しばらく遊ぶように練習してみていた
ヒンデミットのソナタ1楽章が
なぜ鳴りやすいのかはそんな理由だと思う。
非常に具体的に倍音配列が記されていたり
パーツを調性を変えて配置して響きの確認をさせている。

この作曲家は何を考えて作曲したんだろう?
ひょっとしたら教育的効果を狙っていたんだろうか?
演奏するだけなら割と簡単なのだけれど
眺めて考えるという時間がね。
私には面白いのだわ。


ヒンデミットあれこれはまたゆっくり。

 

 


シシリエンヌエチュード

2023年03月21日 | 作品あれこれ

 

Allegrettoな季節がやってきました。

札幌は桜はまだまだですが歩道の雪が解けました。

冬靴から夏靴へと足元が軽くなると

とっても春。祝日の朝です。

 

 

久しぶりにプリン作るかなとちょいちょいと用意し

カップに卵液を入れかけたところで

あ。。。お砂糖が入っていない。。。。

鍋に戻してお砂糖を足してよく混ぜ合わせました

加熱できないタイミングですが大丈夫

平和なものです

 

フルートはこちらの裸眼では見えない楽譜が

ようやく頭に入り見えてなくても問題なくなりました

タファネルの作った作品ですけれど

コンセルヴァトアールの学生さんの試験用でしょうかね?

体が柔軟に使えて、重心がぶれないようにして、

倍音の中にずっといる感じで、シシリエンヌのリズムを表現し

簡単そうに軽やかに鮮やかによく響く音で・・・

 

舞台の上で他の楽器と音が重なり合った時に自分の音だけの

重音感と倍音感を感じながらというのはなかなか難しく。

どうしてもハーモニーの方に意識が向きやすい。

この曲は重音と倍音を聞きはずすと成立しないようにも思える。

理想としてはそういう感覚をピアノと合わせながらコントロールしたいんだなあ。

 

 

 

 

 


くるみ割り人形

2022年12月16日 | 作品あれこれ

 

12月であります

くるみ割り人形のシーズン

 

先日、足を運んだバレエ教室の発表会。

もちろんオーケストラは無しで

舞台の「和風な緞帳」を眺め、スピーカーから流れる

チャイコフスキー のくるみ割り人形の序曲を聴きながら

 

15年も前のウィーンのオペラ座での公演を思い出しました。

オーケストラが素晴らしく、

バレエも素晴らしい。

 

音楽にバレエが負けず

バレエに音楽が負けない

 

素晴らしいオペラ座の中で

「絢爛豪華」な総合芸術に圧倒された日でした。

 

演奏会形式では組曲「くるみ割り人形」になるので

有名どころの作品がずらっと並ぶ

いいとこ取りのピックアップ曲集なのですが、

 

バレエでは踊りのためのつなぎの部分にも音楽は割り振られていて

そこの音楽を知らなかった私は、へえ〜え〜となっておりました。

 

くるみ割り人形のバレエはたくさんのキャストのソロがあって

出演者も生かされて音楽はもちろん突出して素晴らしく

とても素敵な作品です

機会があったらぜひ!!

 


美しいメロディはフルートで

2022年04月16日 | 作品あれこれ

 

ウェーバー(1786~1826)作曲の「魔弾の射手」というオペラがあります。

当時は著作権侵害という考え方はなかったので

メロディを借用して再構築した器楽曲は数多くあります。

「魔弾の射手ファンタジー」は

フルートのスーパープレイヤーであったタファネル(1844-1908)が残しました。

 

 

 

加線が多くてぱっと見、五線がどれだかよくわからない

観念して拡大コピーしました。

あーあ。

 

このスーパープレイヤーの作ったファンタジーの

演奏を試みると100年前のフルートの演奏が

窺い知れるというもの。

 

「私たちは現代の方が優れていると思っている傾向があるけれど

昔の人たちの演奏は凄かったんですよ」と

30年も前に恩師 増永弘昭先生に言われたことがあります。

確かに。諸条件考えるとそう。

 

極上のメロディを借用した「フルートファンタジー」は

音楽の美しさがより際立っていて・・・もったいない。

命あるうちにキラキラと演奏しよう