フルート吹きのほっと一息

フルートのこと、音楽のこと、作曲家のこと。そして愛犬トム君との日々。
一緒に楽しんでくださると嬉しいです

オネゲル 雌山羊の踊り

2021年01月17日 | 作品あれこれ

 

フルートソロの曲など眺めております。

 

1986年夏のH.P.シュミッツ先生の特別講習会で

取り上げられていたオネゲル の「雌山羊の踊り」

 

この楽譜は古い方。

 

次は新しい?楽譜

 

どちらかというとドイツ圏に属しているオネゲル が

好んでいる楽譜は古い方のような気がするけれど

パリで活動していただろうし

新しい楽譜はちょっとフランス寄りの雰囲気?

フランス近代の楽譜は指示している言葉が多くて

縛りが多いと感じるなぁ・・・

 

 

 


ビゼー アルルの女より? 「メヌエット」

2019年12月22日 | 作品あれこれ

 

ビゼー(1838-1875) と ギロー(1837-1892)

 

ビゼーは9歳でパリコンセルヴァトアールに入学

20代半ばの若さで作曲家として活躍を始めますが

残念なことに30代後半で早々と亡くなってしまい、

カルメンは最後の作品になりました。

 

ギローはパリ・コンセルヴァトアールの教授。

ビゼーと同年代。彼もローマ大賞も得ています。

カルメンのレチタティーヴォの補筆をして

グランドオペラとして完成させた功労者です。

 

さて。

「アルルの女」は予算の関係で

26人編成の条件で作曲されましたが

残念ながら当時はオペラはヒットせず、しかし。

 

アルルの女から劇音楽が4曲、

ビゼーによって大きな編成に改編され

オケのコンサートで組曲として演奏され大好評となります。

その4曲は現在は第一組曲と呼ばれています。

 

アルルの女第一組曲はビゼー 自身によるものだけれど

アルルの女第組曲は事情が違います。

ビゼー 亡き後

ギロー選曲してさらに大編成に編曲したものなのです。

 

組曲というのはオペラやバレエの「付属の音楽」を

コンサート用に抜粋したものと、理解していましたけれど

抜粋どころの話じゃないのです。

 

ビゼー は美しきパースの娘というオペラを

1866年28才の時に書いています。

男女が掛け合いで歌っていてその伴奏のオケの中から

フルートがまるでBGMのようにホンワリと聞こえてきます。

採譜、してみました。こんな感じで始まります😃

ピアノではなくハープです

これが現在有名なアルルの女第二組曲のメヌエットの原型みたい。

 

私たちの知っているアルルの女のメヌエットは、

ギローがビゼーの作品を

原曲以上にフルートに光の当たる芸術に仕立てた

美しきパースの娘の「オブリガート」なのです。

 

ちなみにアルルはフランスだけれど

パースはスコットランドの観光地です。

 

ここの ↓ オペラの3幕の半ば(17.DUO)から聴けます。

美しきパースの娘

 

 

近年ではパースの娘を上演する時は

幕間に間奏曲としてメヌエットが演奏されると

読んだことがあります。

 

ちょっとワクワクしませんか?

 


ヴィヴァルディ〜ゴシキヒワ

2019年10月09日 | 作品あれこれ


バロック時代の音楽はイタリアが最先端です。

作曲家達はイタリアで学んだ後、

それぞれのお国の特色を出していくのですネ。


ヴィヴァルディはイタリアの重厚な古都、ベネチアが本拠地。

バロックは古い音楽というイメージですが

当時は流行の最先端の作品です。

モダンな新しい音楽なんです。


とりわけヴィヴァルディの有名な「四季」。

これは「自然描写の音楽」で聴いただけで言葉なくとも

イメージ・映像が簡単に湧き浮かび上がるような作品です。

これって凄いことなんですョ。


ちなみに倍音構造が合っている弦楽合奏は素晴らしく響き合うので

まさしく天上の音楽に聞こえます。

素晴らしい合奏を聴くと

身体中の細胞がみずみずしくなる様な感じがします。

なかなか聴けませんけどねー。


ヴィヴァルディのゴシキヒワ

第一楽章はひわちゃん自由に歌います。

第二楽章は12/8でゆったりした田園風景、

第三楽章は命の喜び・・・という感じ。


来月演奏するので楽しみなんです。




ドップラー リギの想い出

2019年08月31日 | 作品あれこれ

 

フルート奏者ドップラー は

ウィーンフィルの創立メンバーです。

 

ウィーンで

ハイソサイエティな方々とのお付き合いも当然あり

サロンで喜ばれる作品を書いていたんだなー

ということがよくわかり、

なかなか面白いのですよ、この曲。


リギの想い出の「リギ」は山の名前で

スイスの観光地ルツェルンにあります。

 

で、この本

アルプスの少女ハイジのことを述べているのですが

 

昔とても貧乏だったスイスが

(ハイソサイエティな人たちの)夏の保養地として

栄えていったという内容も書かれており、

ドップラー がこの曲を書いた背景が見えてきて、

私としてはとてもワクワクしてしまう訳です。

 

フルートとホルンとピアノと打楽器の曲なのですが

フルートとチェロとピアノで11月に演奏します。

 

爽やかな朝の目覚め、

そして鳥が美しくさえずりアルペンホルンの雄大な調べ、

風が吹き雨が降り再び穏やかさを取り戻す。

そしてまた美しい夕暮れと星たちのきらめき・・・

 

ほんっとにそのまま描写したような作品で

行ったことはないスイスの風景が

アルプスの少女ハイジとごっちゃになって

目の前に広がる感じです。


あああ、できれば演奏前に

アニメの残像は消えて欲しいのですが

幼少期の記憶は抜けないんだわー