歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

日本とロシア。どこまで付き合いを深められるか正念場だ

2018-04-13 11:15:17 | 産経新聞の記事から抜粋

 

      

  

  ちょっと日本を離れ外国のお噂を読んでみたり聞いたりしてみます。ロシアと言う国は不思議な国で、シベリアをミンクの毛皮を求めて東の果てまで広大な領地を、意識せずに手に入れた不思議な国で、中心のモスクワやサンクトペテルブルクはヨーロッパのはずれにあり田舎者扱いです。

   ソ連時代は自国の共産主義拡散を目指して周りに衛星国を増やし、反共産主義国のヨーロッパ各国やアメリカと冷戦時代を長い間続けましたが、その計画経済やアメリカとの核競争に疲れ、ソヴィエット連邦は解体され、ロシアと、カザフスタン、ウクライナなど15~16か国ぐらいの新しい国が出来ました。

   

   昔から、約束を守らない国と言うレッテルを張られていますが、先の大東亜戦争においても国際条約を破って、日本国が敗戦を認めた8月15日以後満州や朝鮮に攻め込み、今なお北方四島や樺太を不当に占拠して、しかもそれらはなかったごとく、日本に近づいて媚を売っています。

   

   ロシアの課題はシベリア開発ですが、それには喉から手が出るほど日本の資金と技術力が欲しい訳です。しかしその代償として北方四島を返すのはロシアとしての面子が立たないという理論がまかり通っています。

   しかも現在のロシアのプーチン大統領と日本の安倍首相は、儀礼的な枠を超えて、お互いに好感を持ち合っている、良き友人としてのまさに良好な関係を続けてはいるのですが、政治が挟まると思うように行きません。

   

   ソ連国家保安委員会(KGB)に勤務。とありますが、プーチン大統領自身日本が好きで、柔道八段、秋田犬を送られて喜んでいます。特に安倍晋三と言う人間が好きだという噂です。しかし国内的に血で戦いとった領地を返すという事に関しては計り知れない国内的抵抗があるようです。

   ヨーロッパの今の課題はロシア対策だと言います。チャイナなど遠く離れているためそれほど関心がないと言われ、日本にはないスパイ法がどの国にもあり、またどの国にもスパイがいます。国歌としてのあるいは健全な姿かもしれません。そのほとんどがない日本の方が変わっているのです。

 

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【正論】産経ニュース・平成30年4月12日付
 日本の対露姿勢を問う事件だ 

  

      北海道大学名誉教授・木村汎

 

  ≪元スパイ襲撃に動機はないのか

   ユリアさんが退院後に証言に応じるようになれば、事件の解明は一歩進むだろう。彼女はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の元大佐、セルゲイ・スクリパリ氏の娘。英国在住中の父を訪問中の3月4日に父親ともども意識不明に陥った。

   メイ英国首相は、2人が旧ソ連が製造し、現ロシアしか持たないはずの神経剤「ノビチョク」に触れたゆえと判断し、ロシア関与の可能性を「極めて高い」と発表した。

   ロシア側は反論した。大統領選やサッカー・ワールドカップ(W杯)主催を前にしたロシアがあえて「火中のクリを拾う」かのような愚を犯すはずはない、と。だが、クレムリンによる主張に対しては再反論が可能だろう。

    

   というのも、あえて外敵をつくり、それとの果敢な闘いを挑む姿勢を誇示し、ロシアの経済的諸困難から国民の目をそらし己の支持率を高める-。これこそがまさにプーチン大統領が得意とする手法だからだ。また、スポーツの祭典を国威発揚に利用するのも、同様にプーチン氏好みの戦術である。

   ロシア側の反論の中で最も説得力があるのは、アンドラニク・ミグラニャン教授(外交官養成のためのエリート校、モスクワ国際関係大学)による次の指摘だろう。

   ロシアにはスクリパリ氏に危害を加える動機がない。というのも、彼は確かにロシアが憎む「二重スパイ」ではあれ、米国で逮捕されたロシアの「美人スパイ」、アンナ・チャップマンらと2010年に交換された後は英国居住の人間である。

    

   もしそのような人物をロシアがその後殺害するならば、どの国もロシアとの間でスパイ交換取引に応じなくなるだろう。

  ミグラニャン教授の理屈は筋が通っている。彼は昨年までロシアのニューヨーク駐在事務所長として事実上、プーチン政権の対外宣伝部長の役割を務めていた人物。英語を流暢(りゅうちょう)に操り、欧米流の政治学にも通暁した知識人である。

  ≪祖国の裏切り者は処罰する

   ところが私は疑問を抱く。“ミグラニャン流”の合理主義的思考は、どの程度までロシアの治安関係者たちによって共有されているのか。

   すなわち、GRUやソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関たる連邦保安庁(FSB)、対外情報庁(SVR)、連邦警護庁(FSO)-これらに属する所謂(いわゆる)「チェキスト」(情報機関員)たちは、果たしてミグラニャン教授のような厳密な区別を行っているのだろうか、と。

   チェキストは、たとえいかなる理由であれ、祖国ロシアを裏切った人物は決して許してはならず、地の果てまで追いかけてゆき、処罰する必要がある。このような訓練を受けて育ってきている。

   やや極端な例かもしれないが、トロツキーは、スターリンがメキシコにまで放った刺客の手によって結局、暗殺される憂き目に遭った。

      

   現チェキストたちの念頭には、リトビネンコ氏暗殺に成功したアンドレイ・ルゴボイ氏(元KGB将校)の出世譚(たん)も記憶に残っているに違いない。ルゴボイ氏はリトビネンコ氏に猛毒の「ポロニウム」を飲ませた嫌疑が濃厚であるにもかかわらず、

   ロンドンからモスクワへの逃亡に成功し、帰国後あまつさえ下院議員に選ばれ不逮捕特権を得たうえに、プーチン大統領から勲章まで授けられた。

   プーチン大統領自身は、治安機関にああせよ、こうせよと直接、指示を与えているはずはないかもしれない。両者はむしろ不即不離、以心伝心の微妙な関係にある。すなわち、成功すれば大統領の功績になり、失敗すれば部下が責任を負う関係である。

  政策の決断迫られる局面も

   好例はドーピングと五輪メダルの関連だろう。ビタリー・ムトコ元スポーツ相は、ロシアチームによる五輪メダル獲得数に異常なまでにこだわるプーチン大統領の意を忖度(そんたく)して、ソチ冬季五輪で実績を上げた。

   その功を認められ、その後副首相へと昇進を遂げた。ところがやり過ぎて、ロシアチームの平昌五輪への出場がかなわなくなると、W杯担当をはずされる羽目になった。

   本稿執筆時点で、メイ首相のロシア批判に同調する形で、英国を含む29カ国・機関が150人にも上るロシア外交官を自国からの追放措置に処した。ロシアには、それを「渋々の付き合い」とシニカルに眺める者がいる一方で、「驚くべき多数の国」(ロシア評論家、フェルゲンガウエル氏)

   と指摘する声もある。先進7カ国(G7)の中で同様の動きに出ていないのは、わが国のみである。

    

   安倍晋三政権は日露首脳間で信頼関係を築くことを通じて、北方領土交渉で日本側の意図を達成しようとしている。そのために、ロシアのクリミア併合に関してG7が科す対露制裁にも消極的な姿勢をとる。

   しかし、意識を回復したあとのユリアさんの証言や、「スクリパリ事件」の今後の展開次第では、その対露政策に関して、重大な決断を下さねばならぬ局面が訪れるかもしれない。

(北海道大学名誉教授・木村汎 きむらひろし)

 

 

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  『正論』欄は、産経新聞の姿勢に賛同している指揮者が寄せる文ですが新聞記者でも書けないような意見もたまにはあります。産経新聞の自信と良心の結集がこの欄を支えているのかもしれません。他の新聞が反安倍で狂っているこの時に、唯一まともな記事を書き続けて行く姿勢だけは捨てません。

   ロシア国内外で起こっているような生臭い事柄には、日本と言う国は無縁ですが、いつこういう状態になって仕舞うか日本だけではできません。

   

 

   尖閣の領海侵入常態化…中国、海洋強国へ軍と連携

 

  尖閣諸島航空要因を60人増やすと産経新聞一面トップで報じていますが、北朝鮮とアメリカの会談の結果どういう結果が待っているか、日本もすべてのオプションをテーブルの上に並べておくべきでしょう。日本も脅かされているだけの弱い国ではないという事が大きな抑止力になるのです。

 


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