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冷たい校舎の時は止まる(著:辻村深月)

2006-05-04 09:25:26 |  『た行・な行』の作者の小説
『あの日、自殺した友人は誰だったのか?』

本書のキャッチコピーはこれ以外ありえないこのフレーズ。
解決編に至までこのフレーズが常に日常生活を支配する事になります。
本書は上中下巻と三冊で構成されているのですが、とにかく焦らし方が上手い。
謎が解けそうで解けない、真実にたどり着きそうで着けない。
バスケットボールのゴールはギリギリ頑張ればボールが入るような位置にあるから皆努力をして上手くなろうとする。
あのゴールがどんなにがんばっても届かないような位置にあった誰も努力などしない。
人は可能と思えるようなギリギリのラインに目標があるとがんばってしまうもの。
初めから無理な英語能力UPのスケジュールを立てても続かないのと一緒。
別に英語でなくともいいですが、ひどく個人的な意見としては・・・。

と言う事で、そんなもどかしさが本書の特徴。
先を急ぐあまり読むスピードを上げると何気ないエピソードに隠されたキーワードを見逃し、最後に作者にしてやられます。
うむ、あなどれません。


正直

『あの日、自殺した友人は誰だったのか?』

という解答を言い当てるのは、私的意見としては情報が足りずフェアーではない気もしますが、この作中の世界の謎をある程度解明する事は可能だと思います。
オーソドックスなミステリーではなく、オカルト要素も入っているため、好き嫌いはありますが、『メフィスト賞』の冠は伊達ではありません。

さあ、後半戦突入したゴールデンウィーク。
あなたの灰色の脳みそをフル活用してみようではありませんか!

内容とは全然関係ありませんが、上中下巻全て作者の写真の角度や表情が違うのは女性ならではなのでしょうか?!


◆冷たい校舎の時は止まる(著:辻村深月)
センター試験を間近に控えた雪の降るある日。
学校へ登校してきたのはいつもの仲良しグループだけであった。
不思議に思った生徒達。帰ろうにも扉が開かない。そして止まった時間。
この不可解な状況を誰もがあの事と結びつける。
昨年の学園祭最終日に起きた同じクラスの飛び降り自殺を。
しかし、誰もがその自殺をしたクラスメートの名を思い出せない。

『あの日、自殺をした友人は誰だったのか?』

日常生活から切り離されたこの空間で彼らの苦悩が始まる。

Let's try
冷たい校舎の時は止まる (上)

講談社

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