『陽気なギャングが地球を回す』の続編。
前作に比べるとちょっとインパクトは薄いかなと思いますが、面白さは健在。
文庫にはボーナス短編が付いていますが、ここが一番の感動どころでした。。。
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珠玉の感動作...なんて書くと安っぽいですが、そんなキャッチがピッタリな作品(安っぽいワケではありませんよ!)。
どうしても拭いされない過去を持つ弟と、その家族。
「家族ってこういうもんだ!」というお手本のようであり、精神的な関係が理想な一家と不気味な連続放火事件。
その真相に家族が迫りかけた時...
登場人物が繰り広げる、テンポ良くウィットに富んだ会話はまさに伊坂作品というところですが、他の . . . 本文を読む
ある言葉の組合せを検索する。検索とは調べる=興味を持っているという事。それを監視して危険因子を排除していたら。
近未来が舞台となる本作では、そんな陰謀とそれに対峙する主人公達の奮闘が描かれます。
ファミコンの裏技世代の人は、検索サイトがはじめて登場した時に同じような期待感を持ったと思います。
『上 上 下 下 左 右 左 右 B A』
て検索するとコナミの特別サイトにアクセスできるとか。
ところ . . . 本文を読む
言動が突飛で「…」と思ってしまうが、どこか憎めない男をめぐる短編集。
それぞれが独立したストーリーではあるものの、全体を通して中編とも読める。
伊坂幸太郎の主題と考えられる『人と人とのつながり』が色濃く表れている。
しかし、"ラッシュライフ"や"オーデュボンの祈り"のような重厚さはなく、どちらかと言えばポップなイメージの作品。
キャッチコピーに「Funny」という単語が使われていましたが、まさにそ . . . 本文を読む
久々の小説更新。
ご無沙汰の1冊は伊坂幸太郎著:『終末のフール』。
「隕石が数年後に落ちて地球は崩壊します。さて、その時あなたは?」
というシチュエーションでの人々の生活を描いた短編集。
バラバラに読んでしまうと、単なる短編集ですが、どの章もどこかで別の章とつながりを持っており、得意の人と人のつながりがキレイに描かれています。
また、
「隕石が落ちる」
「地球滅亡」
といういかにもパニッ . . . 本文を読む
※本作の感想はかなり最後尾に位置しています。
この年の瀬、昨日の深夜から年賀状を作り始め、オマケに年始早々にあるプレゼンの資料の素案まで作り気が付いたら朝の6時。夏であれば
「気が付いたら外で太陽が申し訳なさそうに顔出していた・・・」
なんて表現も使えるのでしょうが残念、今は冬。外真っ暗でした。
1時間あまり仮眠をとって、後輩から届いた
「ゆ・き・や・ま・フォー!」
てメールに
「正確に . . . 本文を読む
忙しさもひと段落してきたので、新書を平らげました。
さて、今回の『魔王』ですが、いままでの伊坂さんの作品と若干作風が違い、『ラッシュライフ』に代表される人と人とのつながりを前面には押し出していないように感じます。
本書の中で登場するカリスマ総理大臣。ある程度、小泉総理を下敷きにキャラクターを作っているところもあるだろうと思います。
彼があれやこれやと持ち前の能力とカリスマで出世階段を駆け上りつ . . . 本文を読む
痛快ギャング小説!
ウソを見抜く天才、演説大好き男にスリの名人などとそれぞれ特技を持ったメンバーで構成されたギャング団。それぞれ個性豊かな登場人物とそれを最大限に生かす華麗で愉快なストーリー。
井坂作品らしく前半から伏線が張られており、それがまた心地よく最後に爆発する。
ミステリー好きであれば、伏線となるキーワードはわりと分かり易く、ちょっと気を付けて読んでいればピンとくる。しかし、そのキーワー . . . 本文を読む
先日ちょいとふれた死神が出てくる小説です。
タイトルからして死神が出てきます。
もちろん人の死が絡みます。
でもでも、この作品はちっとも暗くない。
むしろ爽やかさが漂うほど。
読む前のイメージとは全く作風が違っており、かなり期待を裏切られた感じ。
もちろん良い意味で。
基本的にこの作品にはクライマックスとなる『死』がほとんど描かれていない。
クライマックスに至る過程のストーリー。なのに物足りな . . . 本文を読む
①『透明ポーラスベア』伊坂幸太郎
②『魔法のボタン』石田衣良
③『卒業写真』市川拓司
④『百瀬、こっちを向いて』中田永一
⑤『突き抜けろ』中村航
⑥『Sidewalk Talk』本多孝好
なんて贅沢なメンバーによるオムニバスなんでしょう。
タイトルが示すように6人の作家による6通りのラブストーリーが収録されています。
短編なのであらすじを書いてしまうとネタバレになってしまいがちなので、細かい内 . . . 本文を読む
(注)ネタバレ最下部にあり。
形式だとか常識だとかいう既成概念をすべて取っ払った場合、生まれてくる作品は支離滅裂な駄作か目を見張るような名作だ。回りくどく書いたが、当然この物語は後者である。
物語の持つバランス。そのストーリーが崩れるかいなか。そのバランスのギリギリのところで勝負しているのが伊坂幸太郎という人なのだと思う。この作品のバランスはこの後発表される『ラッシュライフ』で極限まで高めら . . . 本文を読む
思わず読み返してしまいますよ。
全く個別のストーリー、それぞれの人生、それぞれの日常の線が互いに交差し、時に漸近しながらひとつの図形を描いていく。
その図形こそがこの小説。
人と人はつながっている。
それは友人であるとか親戚であるということだけではなく。
例えば、電車の中でこの本を読んでいる僕の隣に座った人。
この人が僕の本を横目でチラチラと読む、そして面白い本だと思い後日それを書店に買いに走 . . . 本文を読む
このミステリーがすごい!04年度第2位!!
最初は突拍子もないストーリーが背景が徐々に明らかになるにつれ非常に根拠あるストーリーへと変貌していく様子は非常に読み応えがある。そして、言葉の言い回しも独特で飽きさせない。
主人公の一人『琴美』の無用心で無鉄砲な性格には読んでいてイライラする場面もあったが(まるでホラー映画の殺され役のよう・・・)、物語の主人公なんてこのくらいでないと脇役の群れに埋も . . . 本文を読む