所謂、古典の名作。
雪に囲まれた小屋に向かう足跡がひとつ、中には死体がひとつ、その傍らには発見者。
さて犯人はどう逃げた?
現在では様々に応用されるこの命題の原点とも言える作品。
登場人物に使われる過度の!マークが読んでいて気になりましたが、名作と呼ばれるだけあり、グッと引き込まれる内容です。 . . . 本文を読む
久々の海外ミステリーです。
以前から映画も原作も名作だと聞いていたのでいつかは読んでみたいと思っていました。
事故で四身が麻痺し、首から上と左手の薬指しか動かせない元ニューヨーク市警中央科学捜査部長のリンカーン・ライムと、期せず彼の手足となって働くことになった女性警官のアメリア・サックス。
次々と起こる猟奇殺人を緻密な現場検証と証拠分析で、殺人犯の姿、思想を暴いて行きます。
分析するたびに飛び交 . . . 本文を読む
もうタイトルで笑えます。
気になっていましたが、今まで素通りしていました。
出張が入ったので、飛行機用にと読む決心を。
バスジャックされたバスの中、乗客同士で生き残りをかけたババ抜きが行われる。
簡単に要約するとこんな感じ。
ところが、こんなストーリーがかなり白熱したスピード感あふれる物語になるのです。ラジオから流れてくる怪談話を効果的に利用しながら、主人公達の視点を変えていく手法があざやか。 . . . 本文を読む
登場人物が少ないが、なぜか複雑怪奇に見えてしまう。
何が本当で何が嘘なのか?、最後の最後まで分からず、最後の最後でも結局分らないかもしれない。
読後に爽快感はあまりなく、「ん?」とも思えてしまう本作であるが、飽きることなくダレることなく読者を虜にさせる何かを持っています。
タイトルから、オドロオドロしい世界感やスーパーサイエンスミステリーはたまた、乱歩賞という一文から本格推理合戦を期待した方へお薦 . . . 本文を読む
御手洗潔が活躍する、もしくは関係する短編集。
初心者でも大方読める内容。
どうも御手洗潔シリーズの何篇かは、こじつけをいかにも凄そうに装い、さらに偉そうに作中で書かれるのが気になります…。
1. IgE
"何度も壊されるレストランの便器"と"高名な音楽家が探し求める美女"。
何の関係もない二つの出来事のつながりとは?
強引こじつけ系。
2. SIVAD SELIM
あり得ませんが、ちょっと感動 . . . 本文を読む
多くの場合において、装飾の凝った小説ほど大した事ないモノ。
いかんなぁ。
最近読んだメフィスト賞受賞作品。
ほぼハズレだ・・・。
本書も、小説の結末が袋とじになっており、否が応でも読者の好奇心をそそらせるのだが、それ程の結末でもない。
「あぁ、なるほど。えっ、それは蛇足では?!」
と、そんな感じ。
退廃した近未来が舞台(設定は1999年なので、今となっては過去)。
作品のネタを構成している . . . 本文を読む
『今年、1200個の密室で、1200人が殺される』
そんな破天荒な物語。
それに続く、探偵倶楽部、密室卿に海外、さらには歴史を遡る類似事件。
どう考えても"マトモジャナイ"。
ラストに待っている真相もお粗末なもんだろうと半分ため息交じりに読んでいたのですが・・・。
ゴメンナサイ。意外に意外に意外、かなり筋の通った結末でした。
『密室』というキーワードに惑わされ、さらには通常では"有り得ない . . . 本文を読む
いかん・・・と思いつつも1日で読んでしまった小説。
書店での評に
「全てがドンデン返るこの結末をあなたは予想できるか!」
みたいな事が書かれていた。
確かに、面白いくらい色々なことがひっくり返り、結末を迎える。
だが、ドンデン返しが多いのと、面白いのは同意味ではないのです。
途中までは、ドキドキしながら読むのですが、後半戦にイマイチ緊迫感がない。
そう言えば、以前読んだ"メデューサなん . . . 本文を読む
そうか、そんなこともあるのかと思ってしまう。
御手洗清シリーズではあるものの、読んでみるとどこか別作品と風合いが違う。
著者によると一番初めに書き上げた作品であるらしい。
良くありがちなデビュー作にしてはパンチが弱いと言う事で寝かされ続けられ、いつしか忘れ去られ(?)デビューから9年も経ったある日、ようやく25作品目として日の目を見ることとなった。
しかし、この作品は明らかに一作目より5作目以降 . . . 本文を読む
以前から最初の数ページをトライはしていたのですが、今回の出張の移動時間を利用して何とか読み切りました。
個人的に好きになれるかどうかは別ですが、古典本格推理小説というのはこんな作品の事を指すのだろうという作品。
思わず「なるほど」と思えます。
それにしても、初版が昭和49年とは・・・。ふ、古い。生まれてない…。
冒頭に書いたように、最初の方だけ片手間に読んだのがマズかったと反省。
とにかく最初 . . . 本文を読む
長かった。
果てしなく長かった。いったいいつ読み始めたかも忘れてしまいました・・・。
主人公は交渉人。
上巻冒頭から事件は発生し物語はすぐにスタートする。
が、しかし主人公は交渉人。確かに、犯人とのやりとりは常に知力の削りあい。
そして時に騙しあい、手に汗握る展開が小説の中では行われる。そう、小説の中では・・・。
このスリリングな雰囲気がリアルに伝わってこない。翻訳されたモノだからだろうか?
例 . . . 本文を読む
忙しいと長編ではなく短編集に手が伸びます…。
目を見張るようなトリックや、天地がひっくり返るようになドンデン返しは用意されていないが、御手洗潔の時にそっけなく、時に情のあふれる活劇を充分に堪能できる短編集。
トリックありきではなく、そのストーリーとキャラクターで引き込まれる一冊。
KEY WORD>>手洗潔の挨拶(著:島田荘司)
収録作品。
『数字錠』
『疾走する死者』
『柴電改研究保存会』 . . . 本文を読む
タバコの増税が決定した。
1本につき1円アップ。何か大きな財源が必要となると必ずと言っていいほどタバコが1円値上がる。
テレビでは喫煙者へのインタビューで
「財源確保のためにタバコの税率を上げるのではなく公務員が住んでいる4LDKのマンションの家賃3万円を上げるのが先じゃない?」
というものがあった。
また、日経新聞でも目にするように公務員に対するイメージというのは『不親切』『非効率』『形式主義』 . . . 本文を読む
ギリギリだ。
いかにも犯人当てを装って…というかこれは犯人当てなのかもしれないが。それにしてはかなりギリなラインだろう。
例えば・・・
『明日は晴れる!』
と言われたとしよう。
しかし実際次の日は雨だった。
晴れるって言ったじゃないか!て抗議に対して
『エジプトは晴れてるよ』
こんな感じだ(違うか?!)。
いきなり不満のようなコメントになってしまったが、決して本書を悪く言うつもりはな . . . 本文を読む
予想以上。
いきなり冒頭からミスチルの『光の射す方へ』が引用されている。
この小説の映画版の主題歌はミスチルの『ランニングハイ』。
なるほど、こんなところでつながってるのか。
何気ない日常がある日突然崩壊し、それを取り戻すために平凡な中年サラリーマンが立ち上がる。ストーリーはいたってシンプル。そして、文章に癖も無く物語の中の日にちは数字を重ねていく。
序盤の導入シーンを除けば、8月30日までは . . . 本文を読む