今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

ナイトシフトと勤務時間の問題

2010-07-20 08:26:01 | 臨床留学
6月で上級生は卒業し,新しいインターンがやってきました

そして私はいよいよレジデンシ-最終学年です

7月の前半の休暇については,後日書きますが 

今回は7月後半の勤務についてです

この2週間は,再びチェルシー病院での夜勤です

日曜日は24時間勤務で,それ以外の月から木曜日までは午後7時から翌朝7時までの12時間勤務です

金曜日午前の当直あけに半日の外来が入る以外は,当直あけに即帰宅できます

結果的に日~金と5日連続で夜勤となりますが

チェルシー病院の夜勤は、一睡もできないということは滅多になく

平均して2~4時間ぐらいは眠れます

通常は,夜勤明けに家で午前中いっぱい眠れば体調も整いますので 

午後7時の出勤までの半日はのんびり過ごせます

またチェルシー病院の夜勤は,入院患者がICUにいなければ家から電話で引き継ぎをして 

新規入院で病院に呼ばれるまでは,家で過ごすこともできます

私はしませんが,真夜中の入院では

家にいたまま救急から電話で引き継ぎを受け,入院の指示も看護士に電話ですませ 

翌朝少し早めに来院し患者さんを診て,ノートをディクテーションするということも許されています

ちなみに今月の夜勤シフトは 

出勤前の夕方にテニスをするという生活パターンにしていますので,逆に体調が良かったりします

日本の環境からみれば,かなり恵まれた状況ですが

アメリカ のレジデントは,来年度からさらに勤務状況が楽になります

1週間の最大勤務時間の80時間は変わりませんが

なんとインターン(1年目のレジ デント)の最大連続勤務時間が,30時間から16時間に短縮されます 

つまり,これまでは朝7時から翌日の午後1時までという勤務が可能だったのが,

16時間では朝7時から最長でも当日の夜11時までの勤務となってしまいます

完全シフト制にしないと夜の勤務を回せないことに なり

レジデンシ-プログラムの研修カリキュラムにも大きな影響を与えます

イギリスなどのヨーロッパでは,研修医の週の勤務時間の上限は48時間になっていますので

上には上というか,下には下がありますが

日本も,指導医の勤務時間がせめてこちらのレジデントなみまで改善されることを望みます