ミシガン大学家庭医療科の水曜日午前はGround Roundの日です
Ground Roundはほとんどのプログラムでもうけられています
「全体勉強会」とでも訳したら良いのでしょうか?
各科をローテトしているレジデントのほとんどと、Facultyが一堂に会して大講堂でレクチャーをします
勤務時間内にこうした時間が確保されていること自体うらやましいです
今日は、8:00から10:00まで大講堂で3セッション
その後レジデント用の1時間の講義が2コマ,12時まで用意されていました
大講堂でのセッションは以下の3つ
1. レジデントによる'Traumatic Brain Injury'
2. 准教授による'What is Up with all these Triangles and Pyramids and Health Care?'
3. Sport medicineの指導医による 'Selecting the best Diagnostic Imaging '
最初のセッションは、外傷による脳障害の総説だったのですが、スライドの字が多く、言葉も聞き取りにくく正直きつかったです。
2/3ほどしか聞き取れず、そのうち睡魔に襲われてしまいました。
外来診療では言語のバリアはほとんど感じていなかっただけに,かなりショックを受けました。
ところが、残り二つのセッションが終わってはっきりと分かりました。
自分が聞き取れないのではなく、スピーチを含めたプレゼンがいまいちだったのです。ちょっと安心です。
レジデントの練習用の意味合いが強いのでしょう。
しっかりフィードバック用紙がありましたから,私も書いておきました。こうやってみんな成長していくんですね。
二つ目のセッションはさすがにFacultyのプレゼンだけあり、最初のAttention getter(聴衆の注意を最初に引きつける工夫)が最高で、最後まで引き込まれっぱなしでした。
'What is Up with all these Triangles and Pyramids and Health Care?'
という題目を見ても、何の話をするのか全然想像できませんよね。
結局プレゼンテーションの最後で、今回のトピックのメインが
NTL learning pyramid
Pyramid of success
Miller's pyramid
という三つのピラミッドについてである事が分かりました。
ちなみにこれがNTLのlearning pyramid
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/9f/27b4c7160c38e5bb15d7b9426dfacb42.png)
見たり,聞いたりでは5~10%しか習得できないが、やれば75%、教えれば90%習得できるという意味です。
Pyramid of successとは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/b0/6db6afa9ec1807e331e9dbb3d867f2bc.jpg)
John R. Woodenという人が提唱している有名なピラミッドです。成功の為に必要な要素を並べています。
そしてMiller's pyramid
適当な図がありませんでしたが、分かりやすい一文を引用します
At the lowest level of the pyramid is knowledge (knows), followed by competence (knows how), performance (shows how), and action (does).
臨床能力として最下層が「知っている」
最上位が「実行する」
これは医学生や研修医の能力をテストするときに、どのような試験方法を採用するか考えるのに役立つ考えです。
マズローの三角も触れていましたが、attention getterにされていました。
全体の構成として、興味を引く為のおもしろattention getter(エジプトのピラミッドや米ドルになぜか印刷されているピラミッド等)をちりばめて、最後に学習ポイントをポッとだす、というやり方だったようです。
確かに引き込まれましたが、漫才で言うところの「ふりが長い」プレゼンで、「あえて学習ポイントを最後までかくさなくても・・・」と思いました
少なくとも上級者じゃないとこんなチャレンジングなやり方は無理だな~というのが感想です。
三つ目のプレゼンはいわゆる整形外科分野における画像診断の話題でした。
日本では聞いた事も無いような,レントゲンの話題が満載でした。
もちろん最初にattention getterを出して,学習目標を明確にして,と基本は押さえられていました。
一人目のプレゼンはレジデントで持ち回りの練習機会だとしても、たまたま遭遇した残り二つのプレゼンのすばらしさからして、ミシガンの家庭医のfacultyのレベルの高さが推し量られました。
感動の余韻に浸りつつ、その後のレジデント用レクチャーにも参加しました。
一つ目のレクチャーは心電図の講義。これはさすがに循環器を経験している自分にはちょっと初歩すぎました。
二つ目のレクチャーはマイク先生によるEnd of life careにおける倫理的な問題がトピックでした。さすが,倫理がらみに強いマイク先生です。時折日本との比較等をしながらレクチャーをすすめていました。
最後のディスカッションでは,レジデントも積極的に発言していましたが,話題的にレジデントの興味がちょっと薄いのかな~と感じました。せっかくの良いレクチャーだったのに、みんな豊富なレクチャーに囲まれる事に慣れてしまっているのでしょうか。
午前中だけで、家庭医療学会の総会2日分ぐらいの勉強になり,お得な半日でした。
Ground Roundはほとんどのプログラムでもうけられています
「全体勉強会」とでも訳したら良いのでしょうか?
各科をローテトしているレジデントのほとんどと、Facultyが一堂に会して大講堂でレクチャーをします
勤務時間内にこうした時間が確保されていること自体うらやましいです
今日は、8:00から10:00まで大講堂で3セッション
その後レジデント用の1時間の講義が2コマ,12時まで用意されていました
大講堂でのセッションは以下の3つ
1. レジデントによる'Traumatic Brain Injury'
2. 准教授による'What is Up with all these Triangles and Pyramids and Health Care?'
3. Sport medicineの指導医による 'Selecting the best Diagnostic Imaging '
最初のセッションは、外傷による脳障害の総説だったのですが、スライドの字が多く、言葉も聞き取りにくく正直きつかったです。
2/3ほどしか聞き取れず、そのうち睡魔に襲われてしまいました。
外来診療では言語のバリアはほとんど感じていなかっただけに,かなりショックを受けました。
ところが、残り二つのセッションが終わってはっきりと分かりました。
自分が聞き取れないのではなく、スピーチを含めたプレゼンがいまいちだったのです。ちょっと安心です。
レジデントの練習用の意味合いが強いのでしょう。
しっかりフィードバック用紙がありましたから,私も書いておきました。こうやってみんな成長していくんですね。
二つ目のセッションはさすがにFacultyのプレゼンだけあり、最初のAttention getter(聴衆の注意を最初に引きつける工夫)が最高で、最後まで引き込まれっぱなしでした。
'What is Up with all these Triangles and Pyramids and Health Care?'
という題目を見ても、何の話をするのか全然想像できませんよね。
結局プレゼンテーションの最後で、今回のトピックのメインが
NTL learning pyramid
Pyramid of success
Miller's pyramid
という三つのピラミッドについてである事が分かりました。
ちなみにこれがNTLのlearning pyramid
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/9f/27b4c7160c38e5bb15d7b9426dfacb42.png)
見たり,聞いたりでは5~10%しか習得できないが、やれば75%、教えれば90%習得できるという意味です。
Pyramid of successとは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/b0/6db6afa9ec1807e331e9dbb3d867f2bc.jpg)
John R. Woodenという人が提唱している有名なピラミッドです。成功の為に必要な要素を並べています。
そしてMiller's pyramid
適当な図がありませんでしたが、分かりやすい一文を引用します
At the lowest level of the pyramid is knowledge (knows), followed by competence (knows how), performance (shows how), and action (does).
臨床能力として最下層が「知っている」
最上位が「実行する」
これは医学生や研修医の能力をテストするときに、どのような試験方法を採用するか考えるのに役立つ考えです。
マズローの三角も触れていましたが、attention getterにされていました。
全体の構成として、興味を引く為のおもしろattention getter(エジプトのピラミッドや米ドルになぜか印刷されているピラミッド等)をちりばめて、最後に学習ポイントをポッとだす、というやり方だったようです。
確かに引き込まれましたが、漫才で言うところの「ふりが長い」プレゼンで、「あえて学習ポイントを最後までかくさなくても・・・」と思いました
少なくとも上級者じゃないとこんなチャレンジングなやり方は無理だな~というのが感想です。
三つ目のプレゼンはいわゆる整形外科分野における画像診断の話題でした。
日本では聞いた事も無いような,レントゲンの話題が満載でした。
もちろん最初にattention getterを出して,学習目標を明確にして,と基本は押さえられていました。
一人目のプレゼンはレジデントで持ち回りの練習機会だとしても、たまたま遭遇した残り二つのプレゼンのすばらしさからして、ミシガンの家庭医のfacultyのレベルの高さが推し量られました。
感動の余韻に浸りつつ、その後のレジデント用レクチャーにも参加しました。
一つ目のレクチャーは心電図の講義。これはさすがに循環器を経験している自分にはちょっと初歩すぎました。
二つ目のレクチャーはマイク先生によるEnd of life careにおける倫理的な問題がトピックでした。さすが,倫理がらみに強いマイク先生です。時折日本との比較等をしながらレクチャーをすすめていました。
最後のディスカッションでは,レジデントも積極的に発言していましたが,話題的にレジデントの興味がちょっと薄いのかな~と感じました。せっかくの良いレクチャーだったのに、みんな豊富なレクチャーに囲まれる事に慣れてしまっているのでしょうか。
午前中だけで、家庭医療学会の総会2日分ぐらいの勉強になり,お得な半日でした。