Mrs.ベリーのVeryな一日

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草にすわる

2010年06月28日 19時14分17秒 | ベリーの感想文(本・映画)
草にすわる
白石 一文
光文社
天気     断続的につよい


白石一文 著 : 草にすわる
を、読みました。



表題作“草にすわる”は、30歳無職の男性、洪治が主人公。
大学卒業後、大手不動産会社に就職した理由は、
父のように、誰も知らない小さな食品会社に勤めるなんて
まっぴらだったから。
名の知れた大きな会社に入ったことで、彼は自信を得ました。
しかし、日々の過酷な営業の仕事に
体調を壊し、親しかった先輩の自殺を機に、退職します。
しかしそれから始まった、社会とかかわりのない切り離された生活。
そんな中で、2つ年上の彼女、曜子さんの部屋で
酔いにまかせて、大量の睡眠薬を飲んでしまいます。


“草にすわる”というタイトルの詩を、自ら体験することによって、
それまでの自分の生きざまを振り返り、そしてそれまでとは
全く違う輝きを人生に感じ、再び歩き始める主人公の姿よりも、
大きな事件の後に、主人公の父が彼にかけた言葉に
とても感動しました。