Mrs.ベリーのVeryな一日

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サウスバウンド(上)

2007年10月04日 12時00分49秒 | ベリーの感想文(本・映画)
サウスバウンド 上 (1) (角川文庫 お 56-1)
奥田 英朗
角川書店

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天気    暑いけど空は秋

 

奥田英朗 著 : サウスバウンド
を、読みました。

 

東京都中野区に住む、5人家族を長男二郎の視点で描いた
物語です。
二郎(12歳)は両親、姉(22歳)、妹(10歳)と
中野の借家で暮らしています。
母の営む喫茶店の利益が、一家の収入源で
父は一日ごろごろしているばかり・・・。
しかし、物語が進むにつれ父の正体がわかり始めます。
185cmで、隆々とした筋肉を持ち、眉が太く、無骨な父は
知る人ぞ知る、元過激派の活動家で、主人公二郎も
知らず知らずのうちに、父の活動に巻き込まれてゆきます。

上巻は、東京中野区に住む一家を描いていて
邪悪な不良の恐喝や、父の同士の活動など
二郎は小学生ながらに、波瀾万丈です。
大人は子どもの世界で全くの無力で
子どもは大人の世界に入れない。
生きてゆく中で、毎日遭遇する本音と建前
理想と矛盾
国家と民衆そんなことを
子どもながらに、少しづつ感じ取ってゆく
二郎ですが、上巻のラストでびっくりの
急展開で、一家はサウスバウンドしてゆくのです。

二郎の健気さ、切実さに勇気をもらいました。