映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
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(29)夏の日の恋(映画「避暑地の出来事」)

2005-08-31 00:04:57 | 映画音楽
 朝の通勤時にラジオから「夏の日の恋」が流れてきた。
 暑い暑い…と言いながら今年の夏も、いよいよ終わりを迎えたようだ。子供の頃は夏休みも少なくなって、新学期が近づくと宿題を片付けるのに大忙しだったっけ。十代末期から二十代末期になってからも、やはり夏の終わりには言い知れぬ寂しさを感じたものだ。
 あの華やかな打ち上げ花火が真夏の象徴とすれば、夏の終わりは線香花火にも似て、なにか一抹の寂しさが漂った。
 「夏の日の恋」は60年代に公開された、{避暑地の出来事」の主題歌だが、サンドラ・ディーという若い女優の作品程度の、事しか知らないまま観ないで終ってしまった。
 しかしこの音楽は「ヴェニスの夏の日」と共に私にとって、真夏を象徴する音楽として今でも脳裏に残っている。
 この頃の私は映像派から活字派へと転換しつつある時期だった。だからフランソワーズ・サガン原作の「悲しみよこんにちわ」は読んだのに、ジーン・セバーグの同名の映画は見ていない…というチグハグが目立つようになった。ラジオを聞きながら本を読むことは、出来ないこともなかったので、主題歌だけはなんとなく自然と覚えたものだろう。
 今ではすつかりストリーなども忘れたが、この頃に読んだのが原田康子の「挽歌」だ。ヒロインの怜子(玲子だったかな?)の住む北海道に憧れたが、今でこそジャンボ機で一飛びの距離も、あの頃は大変だった。プロペラ機のYS11とかが開発された前後だと思うが、汽車で行くにしても時間と費用が大変でいつも計画倒れに終った。
「挽歌」も映画化され主演は森雅之と久我美子で、彼女は元華族の出身で清楚な感じがイメージの女優だった。映画は原作のイメージと一致しないことがあるが、この映画ではどうだったのか、結局は観ないまま終った。
 1960年代は、私にとっても大きい転換期だったし、いずれその頃のことも総括してみたいな…とも思つている。