映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
時には新しい映画も…

(24)大脱走のマーチ(同名の映画)

2005-08-13 00:07:26 | 映画音楽
 私が観た最後の劇場映画なので、この作品はどうしても外したくなかったのに、肝心の主題曲が殆ど記憶に残っていない。そこで本稿を書くにあたりこの主題曲を、一度は聴いてみる必要に迫られてネットで検索してみた。ちょうど都合よくこの曲にぶつかったので聴いてみた。軽い感じのマーチだがもう一つピンと来ない。当時としてはかなりヒットしたとのことなので、映画を観ながら聴くとまた印象が変わるかも判らない。
 この映画は第二次大戦で厳重な警備のもとに置かれた、ドイツの捕虜収容所からの連合軍将兵の集団脱走を扱った作品で実際にあった話だそうだ。この年代の映画はほぼ定型化されていたようで、ドイツ軍兵士はどこか間が抜けていて将校は少しばかり理性と教養があり、特に連合軍兵士たちの薄汚れた格好に比べて、おしゃれなコスチュームは私たちでも憧れに似たものを感じたぐらいだ。
 大体ドイツの高級軍人は旧貴族出身のものが多く、不要な血を流すのを好まなかったようで、ヨーロッパの伝統文化に敬意や尊重の気持を持つ者も多く、近年テレビで観た「戦場のピアニスト」でもそんなシーンがあったと思う。ドイツに占領されていたパリの貴重な文化遺産が、戦火で破壊されることなく残ったのもそのせいだろう。
 収容所での捕虜に対する処遇はそう悪くなかった…にもかかわらず何故脱走しなければならなかったのか?と言う疑問が残るが、欧米では捕虜になることは特に恥ずべきことではなかったと同時に、機会を見ては脱走する義務も課せられていたからだろう。
 しかしナチスとかヒトラー親衛隊などはかなり非道だったようで、この映画での脱走失敗者に対する結末などは、多分ナチスの仕業ではないかと思う。
 この映画での私の最大の関心は公開前から評判の高かった、スティーブ・マックイーンのバイクでのアクロバット・シーンだろう。後から実はスタントマンだったとか、バイクはドイツ製でなかったとか、鉄条網は実はゴム製だったとか、いろいろ判ってきたが彼自身バイク乗りとしてはかなりの腕前だったようだ。だから別に彼やこの映画の評価が下がる訳ではない。
 当時の道路はまだデコボコや石コロだらけの道が多く、転倒は珍しいことではなくボクサーの怪我…いわば勲章みたいなものだった。そのくせもっと大きなエンジンを載せたバイクが夢だったが、これには免許証と言う大きい壁があった。
 当時の私は125cc限定つまり第二種原付免許だったのに、その後の再三の法改正で知らない間に、タナボタ式に大型二輪免許に化けているのには吃驚した。ということはあの頃憧れていた・ナナハンとかサイドカーに乗れる…と気がついたとき背筋がゾクッとした。
 でもねぇー考えてみると…冬は寒いし雨フリはいやだし、コケたら起すの重いしパンクしたらどないするねん…という訳で相変わらずコケる恐れのない四輪を愛用中だ。
 こうして我が最良の時代は足早に去って行き、残ったのは遠い日の思い出だけ…でもそれで良かったのではないか…と思う昨今である。
                               たそがれ