101001.fri.
花に話しかけ
木に耳をすませて
心のままに、私は描く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/12/6728ed5a822fe06132c140746ae133a7.jpg)
岩波ホールで映画「セラフィーヌの庭」を見る。
実在していながら、その名を知られていなかった素朴派の画家、
セラフィーヌ・ルイ(1864-1942)の生涯を描いた作品。
パリ郊外サンリス。
家政婦をして暮らす貧しさの中で
信仰と絵を描くことだけが生きがいの
孤独な女、セラフィーヌ。
仕事を終えると野に出て木に登り、花を摘み、川で水浴をする。
アルバイト先でくすねた生血、
教会で祈りつつ失敬した油は画材の材料に。
小さな部屋で、手作りの絵の具を板に塗りたくる彼女の瞳は輝き
無垢な魂そのままの幻想的で魅惑的な作品が生み出されていく。
ドイツ人画商ウーデに偶然その才能を見出されるが、
第一次世界大戦で彼は帰国。
その後再会すると、とうとう彼女の才能は開花して、
その生命力あふれる構図と色使いとモチーフは人々を魅了する。
一転して夢にもみなかったような華々しい生活と、
まもなくやってきた世界恐慌の波に踊らされたセラフィーヌの心は
次第に崩れていき・・・
彼女を純粋無垢と言い切っていいのかどうか。
教養もなく信仰心だけで生きてきた一人の女の成功と、
魂を揺さぶられるような絵は確かにすばらしい。
しかし、後に残るこの哀しさはなにか。
最上級のレースを使ったウエディングドレスを身に纏い
彼女は神と結婚するつもりだったのか。
純粋というものはときに狂気になり暴走する。
最後は精神病院で寂しく死んでいったという天性の画家が
本当に幸せだったのは、あの自然に包まれた貧しい日々ではなかったか。
彼女の絵を育んだあのサンリスの草原と賛美歌に包まれて
おそらくは逝った・・・と思いたい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/84/38920b7d0be5d7045767c9187b222628.jpg)
ただひたすら描くことだけが生きることだった画家を演じた、
というより“画家を生きた”ヨランド・モローは各種主演女優賞を受賞。
フランス本国では80万人を動員、回顧展も大盛況だったという。
しかし、久しぶりの岩波ホール、オバサマ率高し。
・岩波ホール
・監督:マルタン・プロヴォスト
・主演:ヨランド・モロー、ウルリッヒ・トゥクール
花に話しかけ
木に耳をすませて
心のままに、私は描く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/12/6728ed5a822fe06132c140746ae133a7.jpg)
岩波ホールで映画「セラフィーヌの庭」を見る。
実在していながら、その名を知られていなかった素朴派の画家、
セラフィーヌ・ルイ(1864-1942)の生涯を描いた作品。
パリ郊外サンリス。
家政婦をして暮らす貧しさの中で
信仰と絵を描くことだけが生きがいの
孤独な女、セラフィーヌ。
仕事を終えると野に出て木に登り、花を摘み、川で水浴をする。
アルバイト先でくすねた生血、
教会で祈りつつ失敬した油は画材の材料に。
小さな部屋で、手作りの絵の具を板に塗りたくる彼女の瞳は輝き
無垢な魂そのままの幻想的で魅惑的な作品が生み出されていく。
ドイツ人画商ウーデに偶然その才能を見出されるが、
第一次世界大戦で彼は帰国。
その後再会すると、とうとう彼女の才能は開花して、
その生命力あふれる構図と色使いとモチーフは人々を魅了する。
一転して夢にもみなかったような華々しい生活と、
まもなくやってきた世界恐慌の波に踊らされたセラフィーヌの心は
次第に崩れていき・・・
彼女を純粋無垢と言い切っていいのかどうか。
教養もなく信仰心だけで生きてきた一人の女の成功と、
魂を揺さぶられるような絵は確かにすばらしい。
しかし、後に残るこの哀しさはなにか。
最上級のレースを使ったウエディングドレスを身に纏い
彼女は神と結婚するつもりだったのか。
純粋というものはときに狂気になり暴走する。
最後は精神病院で寂しく死んでいったという天性の画家が
本当に幸せだったのは、あの自然に包まれた貧しい日々ではなかったか。
彼女の絵を育んだあのサンリスの草原と賛美歌に包まれて
おそらくは逝った・・・と思いたい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/84/38920b7d0be5d7045767c9187b222628.jpg)
ただひたすら描くことだけが生きることだった画家を演じた、
というより“画家を生きた”ヨランド・モローは各種主演女優賞を受賞。
フランス本国では80万人を動員、回顧展も大盛況だったという。
しかし、久しぶりの岩波ホール、オバサマ率高し。
・岩波ホール
・監督:マルタン・プロヴォスト
・主演:ヨランド・モロー、ウルリッヒ・トゥクール