ことばを鍛え、思考を磨く 

長野市の小さな「私塾」発信。要約力、思考力、説明力など「学ぶ力」を伸ばすことを目指しています。

器の大きさ

2005年07月30日 | 日々雑感
あなたが自分の意見や主張、信条などを看板や垂れ幕に書いて世にアピールしているとします。
塾の宣伝文句やキャッチフレーズを考えてもいいですね。
ある日それが落書きで汚されていたら、あなたはどういう対応を取りますか?

私なら間違いなく頭にきて文句を言いながら、消せるものなら綺麗に消す、消せないのなら新しいのを作る...という行動をとるでしょう。

異なる意見にも耳を傾け、お互いを尊重し合うことが民主主義の原点である...なんてきれいごとで済ませられる問題じゃない!...とほとんどの人が考えると思います。
そんなことをした相手の考え方も理解するなんて神様じゃないんだから...。

ところがそんな神様のような対応をした人物が長野県にいます。
上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」館主の窪島誠一郎氏です。

今年6月18日朝、無言館の屋外にある戦没画学生の慰霊碑「記憶のパレット」に、赤ペンキが幅1mの帯状にかけられているのが見つかりました。
まもなく溶剤などを使ってペンキの除去が始まり、このほど修復が終わりましたが、その際、一部のペンキを敢えて消さずに残したというのです。

窪島氏はペンキを残した理由について次のように話されています。

「無言館は一方的な思想を伝えるのではなく、多様な考え方の中にある美術館。表現方法は貧しいが、いろいろなものの考え方のすべてを否定できない」

何という器の大きさ!
...私もこんな人間になりたいと強く思います。
まだ訪れたことのない無言館、この夏ぜひ行ってみたいものです。

p.s.今夜の「報道ステーション」で偶然無言館のことやってましたね...。


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