ことばを鍛え、思考を磨く 

長野市の小さな「私塾」発信。要約力、思考力、説明力など「学ぶ力」を伸ばすことを目指しています。

自分を信じること

2005年07月20日 | 学習一般
昨夜のプロ野球で、横浜ベイスターズのクルーン投手が日本最速の161km/hの球を投げました。
どの新聞も今日のスポーツ欄のトップ記事はこの話題です。

巨人戦以外でテレビ(BS)で中継してくれる貴重な日と、平日で唯一9時前に帰ることができる火曜日が重なったので、阪神ファンの私はサヨナラ勝ちを信じつつ見ていました。

テレビで見ている分には今一速さの違いがわからないのですが、対戦した赤星は「150kmと160kmじゃ全然違う」と言っていたそうです。
よくバットに当ててファールにしたものです...。

ところでこのクルーン選手、今日の新聞によると、子どもの頃は貧しくて父親の顔も知らず、その後もずいぶん苦労したようです。
今は肩に「信」の字の入れ墨があるそうで、「自分のような者は自分を信じないと道を外す」という思いで頑張っているとのこと...。

昨日の記事で述べたように、自分の信念に凝り固まって傲慢になるようでは困りますが、まずは自分を信じることからすべてが始まります。

ある調査によると、日本の子どもたちには、諸外国の子どもに比べて自信のなさが目立つそうです。
河地和子「自信力はどう育つか」(朝日選書)

個人的な感覚では、中学生くらいからそういう傾向が現れてくるように思っています。
スポーツや友達付き合いが苦手...というのがきっかけになる場合もあると思いますが、やはり学業面でのつまずきがその発端になっている子が多いのではないでしょうか?

「これ違うよ」と言うと、途中式をじっくり見ることもなくとにかく全部消してしまう子。
「どうすればいいと思う?」と問いかけても、間違うことを怖れているのか、自分の意見を言わない子。
自分の答えが解答書とちょっとでも違うと×にする子。
...みんな自分の考えに自信がないのですね。

答えが正解か否かという結果だけを評価しているとこうなるような気がします。
自分はこう考えたからこういう答えを書いたんだ、どこがおかしいのか...とプロセスを分析することを大切にすれば、ここまでは合っていたとか、考え方は合っていたのに計算で間違えたとか、
少しでも自信の持てる部分が見つかるはずです。

解答書だって、先生の採点だって間違うことはあるのです。
証明など別解が複数ある場合もあります。
模範解答と違うからすぐ×ではなく、自分が解答に至った過程を客観的に分析できる、ときには問題集の間違いを指摘したり、別解を探すのを楽しめる...。
そんな中高生を育てるため、私は「あなたはどう考えたのか?」と問い続けます。

自分の思考、自分の感性に自信が持てない、自分を肯定的に捉えられないままでは、人生楽しくないですからね...。

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