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楽しく嬉しくハッピーに感謝して暮らすために

ラマッツィーニさん

2008-08-05 | その他
産業医の集中研修会から帰ってきました。
そこで、ある人物の話を聞きました。
その名は、産業医学の祖、イタリアのラマッツィーニさんです。
彼は、1700年に、職業による病気の発生の本『働く人々の病気』
を書いています。

第 1章  鉱夫の病気
第 2章  鍍金屋の病気
第 3章  マッサージ師の病気
第 4章  化学者の病気
第 5章  陶器師の病気
第 6章  錫細工人の病気
第 7章  ガラス製造人と鏡製造人の病気
第 8章  画家の病気
第 9章  イオウを取りあつかう人の病気
第10章  鍛冶屋の病気
第11章  石膏と石灰を取りあつかう人の病気
第12章  薬剤師の病気
第13章  下水掃除人の病気
第14章  染物屋の病気
第15章  油絞り,皮なめしおよび汚物を取りあつかう人の病気
第16章  タバコ製造人の病気
第17章  墓堀人の病気
第18章  助産婦の病気
第19章  乳母の病気
第20章  ぶどう酒製造人,ビール製造人,ブランデー蒸留人の病気
第21章  バン製造人と粉屋の病気
第22章  でん粉製造人の病気
第23章  穀物ふるい人と目方を計る者の病気
第24章  石屋の病気
第25章  洗濯女の病気
第26章  アマ,タイマおよび絹くずのくしけずり人の病気
第27章  風呂屋の病気
第28章  塩製造人の病気
第29章  立って働く人の病気
第30章  座って働く人の病気
第31章  ユダヤ人の病気
第32章  従者の病気
第33章  馬丁の病気
第34章  荷物運搬人の病気
第35章  運動家の病気
第36章  小さい物体を取りあつかう人の病気
第37章  演説家,歌手などの病気
第38章  農民の病気
第39章  漁夫の病気
第40章  兵士の病気

たとえば、画家という職業については、こう書かれている。
「画家は、手のしびれや歯の黒ずみ、不健康な顔色などいろいろな
病気にかかる。画家の顔色がバラ色や、健康なことはまずない。
原因は、彼らが扱う絵の具の原料が鉛などの金属だからである」
てな具合です。
確かに、職業と病気には深い関係があるはずです。
それを17世紀という時代に、りっぱな本に纏め上げた人物。
いや、当時でなければできなかったことかもしれません。
今の医学は、どうもバックグラウンドが軽視されて、目に見える
現象ばかりで判断されることが多いですからね。
忘れかけていた大切な視点を、改めて心に刻ませてもらいました。
この初版本が産業医大には、飾ってありましたが、早速
翻訳本を手に入れて読んでみようと思います。

彼の言葉です。
「病人のそばにいるときには、病人の具合はどうか、原因は何か、
いつからか、通じはどうか、どんな食物を食べているか、を聞か
なければならない」とヒッポクラテスはその『疾病論』という本
の中で述べているが、この質問にもう一つ、すなわち「職業は何か」
という質問を私は付け加えたい。それは主な原因と関係あるのでは
ないが、庶民を治療する医師にとって、適切であるというよりも
必要な質問であると、私は考えている。

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