いろいろとありがとさん

楽しく嬉しくハッピーに感謝して暮らすために

マグネシウム

2008-10-04 | ミネラル
玄米クリニックでは、高濃度ビタミンC療法を行っています。
その際、血管の細い方は、ビタミンC点滴部位に血管痛が生じること
が難点の一つです。
頻度的には、女性にく、程度の差はありますが、3~4割の方に起こる
ような気がします。

湯たんぽなどで暖めたり、点滴スピードをゆっくりしたりしてその都度
対応して緩和する方も多いのですが、中には、もう二度としたくない
というほど血管痛のひどい方もいらっしゃいます。
今回朗報が舞い込んできました。
点滴内に硫酸マグネシウムの注射液を混ぜることによって
血管痛が是正されるという情報です。
さっそく試しているところですが、血管痛が是正されるようです。
マグネシウムの大事な働きの一つに、細胞内に入り込んだカルシウム
を細胞外に汲み出すポンプの働きがあります。
収縮はカルシウムが細胞内に流入して始まり、カルシウムが出て行く
ことによって終了します。
つまり、収縮によっておこる血管痛を、マグネシウムを入れることに
よって収縮を収めて、血管痛を解除するというメカ二ズムです。
皆さんも足がつったことがあるでしょう。
あれも筋肉の持続的収縮が原因で、治療はカルシウムを外に排除して、
収縮を中止することですが、そのためにもマグネシウムが効果的です。

マグネシウムは非常に大切なミネラルで、勉強すると非常におもしろい
部分です。また、あらためて、取り上げましょうね。
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新生児テタニー

2008-07-25 | ミネラル
テタニーとは、手足の筋肉が痙攣し、腕や足の関節が曲がったままの
状態になることです。テタニーは主に、アルカローシス(血中の水素
イオン濃度が上昇した状態)で発生することが多いのですが、その原因
として低カルシウムや低マグネシウム関係が深いのです。

新生児には、牛乳を与えるな。これは常識になっています。
その理由は牛乳によって、低カルシウムによる痙攣を引き起こすからなのです。
牛乳で低カルシウムというのは、『え?』とお思いの方も多いと思います。
その理由はこうゆうことです。
牛乳には人間の母乳の4倍のカルシウムが含まれています。それなのに、
なぜ低カルシウムを起こすかというと、牛乳には6倍のリンが含まれている
からなのです。
この豊富なカルシウムとリンとたんぱく質で子牛は急成長するのです。
しかし、ゆっくり成長する人間の赤ちゃんにとっては、それは過剰に
なってしまうのです。
生体は血液中のリン濃度とのバランスをとるために、カルシウム濃度の
不足分を補おうとします。この場合、骨や歯に蓄えられているカルシウム
から動員して、血中のカルシウム濃度を高めようとします。
しかし、骨や歯の発達が弱い新生児は、カルシウムの動員が追いつかず、
簡単に低カルシウムの状態になってテタニー(痙攣発作)になってしまします。

つまり、カルシウムを考える時、同時にリンのことを考えなければならない
のです。リンももちろん身体に必要なミネラルですが、カルシウムとのバランス
が崩れると、カルシウム不足を招くということを覚えておいてください。
2つの摂取量の理想のバランスは約1対1とされています。
現状では、リンの1日摂取量が1300mgなのに対し、カルシウムは600mgの
必要所要量さえ摂れていないのが現状です。
どうしてリンが過剰になるかというと、現代の食環境が、リンを含むものが
大いに好まれているからです。清涼飲料水の酸味や、加工食品の中の食品
添加物に特に多く含まれています。

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骨粗しょう症と動脈硬化

2008-06-17 | ミネラル
皆さんよくご存知の骨粗しょう症という病気がありますね。
女性に多い病気で、骨が脆くなって骨折しやすくなります。
どうして女性に多いかというと、女性ホルモンが絡んでいるからです。

血液中のカルシウム不足を、いち早く察知するのが副甲状腺という
甲状腺にひっついているちっぽけな組織です。
カルシウム不足では、そこからパラソルモンというホルモンが出ます。
このホルモンが出ると、骨が溶け出して、血液中にカルシウムを放出
します。さらに、このカルシウムは細胞内に入り込んでしまいます。
これが、血管の壁などの細胞へ入り込むと、石灰化という現象で、血管
の壁の弾力性を奪い、動脈硬化の原因になります。
実は、女性ホルモンはこのパラソルモンに拮抗しているホルモンなので、
日頃は均衡がとれているのですが、閉経を迎えると、パラソルモンが
優位となり、どんどん骨が溶け出して、骨が脆くなり、また身体の各所
にカルシウムが沈着して、動脈硬化や関節の痛みなどを引き起こすこと
になるわけです。
そういうわけで、骨粗しょう症をはじめとしたカルシウムの異常は、
閉経後の女性に多い病気なのです。
だからこそ、カルシウムの不足を副甲状腺に感知されないように、閉経後
はカルシウムの補給は大切なのことなのです。

さらに、年齢が進むと、胃酸の分泌が低下してきます。
この胃酸はカルシウムを溶解するのに是非必要なので、年齢が進むと、
胃酸が少なくなって、ひいてはカルシウムの吸収が悪くなります。
したがって、閉経後の女性は、益々カルシウムの補給が必要であり、
簡単に制酸剤などの胃薬を飲むのは考えものです。
特に、薬をたくさん飲んでいる人は必ず胃薬ももらっていますから、
それが酸を抑制するものであれば、カルシウムの吸収が悪くなる
デメリットのことも忘れないでください。
ちなみに、胃酸が低下すると、カルシウムに限らず、鉄などのほかの
ミネラルの吸収も低下することもお忘れなく。
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ミネラルのミラクル

2008-06-16 | ミネラル
携帯ポップコーンの一件では、お騒がせしました。
どうも「やらせ」だったということが、公表されたそうです。

さー、気分を変えて、また栄養の勉強に戻りましょう。
確か、カルシウムの話をしょうとしていたところでしたね。
カルシウムは、ミネラルの中でもっとも多く存在しています。
ところで、ミネラルとは何でしょうか?
一言ではなかなか答えられないものですが、あえて言えば
身体のバランスを整えるのに不可欠な調整役です。

酸性・アルカリ性といったバランスでは、体液は弱アルカリに
維持されています。この維持はミネラルが司っています。
例えば、甘い物などの糖質をたくさんとると、その代謝の過程で、
酸がつくられて、体液が酸性に傾きます。すると、それを是正
するために、カルシウムが溶け出して中和していきます。
現代の食事は、砂糖に限らず体液を酸性に傾ける食品が非常に
氾濫している時代です。そのために、現代人にとって、カルシウム
のニーズは本来高いものであるべきですが、それを切実に認知して
いる人は、残念ながら少ないのです。

さらにミネラルは、細胞の内外の浸透圧という圧力差をコントロール
しています。したがって、ミネラルが不足すると、細胞環境が崩れて、
細胞の正常な働きができずに、老化を促進してしまいます。
こういった細胞の不具合は、精神面にも随分影響を与えます。
カルシウムが不足すると、イライラするというのは、こういった
ことなのです。

また、ミネラルに関して忘れてはいけない大事なことは、
ミネラルは、天然自然のものには含まれていますが、それが精製・
加工の段階で、多くのミネラルが削り取られたり、バランスを崩され
たりするということです。
ですから、精製食品や加工食品の摂取比率の高い方は、自ずと
ミネラル不足になってしまうことをお忘れなく。
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ミネラル

2008-06-03 | ミネラル
今日からしばらくの間、カルシウムをテーマにブログを綴ります。

カルシウムは身体の中で一番多いミネラルです。
皆さん、ミネラルという言葉は知っていても、その定義となると
難しいですよね。
実は、酸素、炭素、水素、窒素の4つの元素で、人間の身体の96%が
占められています。その4つの元素以外を、ミネラルといいます。
今回取り上げる、カルシウムは5番目に多く存在している元素です。

ところで、3大栄養素というと、炭水化物、タンパク質、脂肪です。
5大栄養素というと、これにビタミン、ミネラルが入ります。
ちなみに6番目は線維で、7番目はファイトケミカルです。

ビタミンとミネラルはどちらも大切な栄養素ですが、実はビタミンは
ミネラルによって支配されています。つまり、ミネラルがないと、
ビタミンも働けないというくらいミネラルはより大切なのです。
しかも、このミネラルは身体が作り出すことができないので、総て
外から補給しなければなりません。
天然の食品には、たくさんのミネラルが入っているので安心ですが、
精製された食品や加工された食品は、せっかくのミネラルが剥ぎ取られ
ているので、思ったようなミネラルが補給されません。

ミネラルの働きは一言でいうと、体液のバランスを維持するものです。
だから、一番多いミネラルであるカルシウムは、骨の材料という印象
が強いのですが、実は体液バランスの大きな鍵を握っています。

さて、私は1日650mgのカルシウムと、その半分量の325mgの
マグネシウムを毎日サプリメントとして摂っています。
この量ってどうなんてしょうか?
そしてどうしてマグネシウムと一緒なんでしょうか?
そういったことも含めて、今回もしばらくお付き合いください。
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マグネシウム不足

2007-11-28 | ミネラル
マグネシウムと聞いて皆さんピンとくるでしょうか?

鉄・カルシウム・マグネシウム・亜鉛などの微量元素を
ミネラルといいます。
他にもミネラルと呼ばれるものはカリウム・クロム
・セレン・銅・ナトリウム・マンガン・ヨウ素・リンで、
蛋白・炭水化物・脂肪・ビタミンと並ぶ五大栄養素の一つです。

近くにいらっしゃいませんか?
すぐに感情的になる方。怒り・うつ状態・いらいら・恐怖。
なんでもない事に過敏に驚く。チョコレートなどの甘いものを
欲しがります。時々、まぶたがぴくぴくしたりします。
女性の方では生理のときにふくらはぎのこむらがえりを経験したり、
生理前にいらいらをおこす方。
こんな方は、マグネシウムの欠乏が疑われます。

マグネシウム欠乏の方は、いつも興奮状態にあり、疲れやすいようです。
眠る前に筋肉がひきつったり、疲れていても夜中に目を覚まして
しまうことが多いようです。

マグネシウムは脳に機能にかかせないものです。
以下のような症状が数多く重なるようであればマグネシウム不足
も原因の一つとして考えましょう。

・短期的な記憶減退
・感情の起伏
・馬鹿げた恐怖心
・パニック発作、不安障害
・うつ状態
・短気
・不眠症(早朝覚醒)
・疲労
・筋肉のひきつりや震え
・便秘
・チョコレートなど甘いものに対する渇望
・騒音や音に対する異常敏感
・活動亢進状態
・異常に怒りっぽい
・発汗過剰
・不快な体臭
・拡張期高血圧
・頻尿
キャロル・サイモンタッチ著「クレイジー・メーカー」より
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カルシウムパラドックス

2007-11-09 | ミネラル
昨日お話したカルシウムパラドックスについては、色んな病気の
原因といわれていますのでもう少しお話しましょう。

以下、神戸大学名誉教授・葛城病院名誉院長 藤田拓男先生の話を
参照しています。

血液中のカルシウムはいつも一定の濃度でないと、
心臓や脳の働きがおかしくなり、生命活動そのものが危険な状態になります。
したがって、血中カルシウム濃度はいろいろな方法で必ず一定に
保たれる仕組みになっています。ですからカルシウムは生体恒常性の
キーミネラルといわれています。
カルシウムの摂り方が足りないと、血液中のカルシウムが減ります。
カルシウムの濃度を保つために、副甲状腺ホルモンがすぐ出てきます。
このホルモンは、骨に働きかけてカルシウムが溶け出し、カルシウム濃度
を一定に保とうとします。
カルシウム不足続くと、常に副甲状腺ホルモンがたくさん出て、
骨から過剰なカルシウムが溶かし出され、余分なカルシウムは
血管や脳や軟骨の中、いろいろな細胞の中などに入り込んでしまうのです。
脳でカルシウムが増えると脳の細胞の働きが落ち、記憶を司る細胞が
傷害されるとアルツハイマー病が起こります。
インスリンを出す膵臓の細胞の中にカルシウムが入り過ぎると
糖尿病になり、いろいろな器官に発生するがんも細胞の中にカルシウム
が入り過ぎて起こります。筋肉の力もカルシウムが入り過ぎると弱り、
軟骨にカルシウムが入り過ぎると変形性関節症や変形性脊椎症という
腰や膝の痛むやっかいな病気になります。

このように、生活習慣病といわれる病気にカルシウム不足による
カルシウムパラドックスが絡んでいるようです。
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リンについて

2007-07-03 | ミネラル
リンというミネラルを知っていますか?

人間を構成するミネラルのうち、カルシウムに次いで多いミネラルです。
何をしているかというと、カルシウムと結合して骨や歯の材料になったり、
細胞膜の成分になったりしています。

今日外来に透析を受けている患者さんでこのリンが高くて
食事制限を厳しく指導されている方がいらっしゃいました。
どうして腎臓が悪くなるとリンが問題になるのか。
それが本日のテーマです。

リンを、我々の体は作ることができません。
そのため、食事から補っています。
ところが、食品にはたくさんのリンが含まれているため、
普通の食事では、必要以上のリンを摂っています。
腎臓が正常であれば、摂りすぎたリンはすべて尿として出るのですが、
腎臓の働きが悪くなると、余分なリンを排泄することができなくなって、
リンが溜まるようになります。
 リンが血液中に溜まってくると、
①カルシウムと結合して色んなところに石灰を沈着させます。
心臓の血管に石灰が沈着すると、狭心症や心筋梗塞の原因となります。
心臓の弁にたまると、弁膜症となり心不全の原因にもなります。
②副甲状腺ホルモンというホルモンがたくさん分泌されるようになります。
それによって骨が弱くなったり、骨折したり、骨が痛んだりします。

以上の理由で、透析の患者さんは、リンに注意する必要があるのです。

でもリンは肉・魚・牛乳・乳製品・卵類に多く含まれています。
これらは重要なタンパク源でもあります。
リンに注意しすぎればタンパク質が摂れない、
タンパク質を摂ろうとするとリンが高くなりやすい。
非常にジレンマです。

本日の患者さんもその食制限で悩んでおられました。
これから一緒に悩んで解決策を探っていきたいと思います。


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