転んでも立ち上がる

　それはそれは大変な夏休みだった。私のなす事すべてが空回りし、気力と体力が失われ、関わるすべての人から信頼をなくすような日もあった・・・

半分は休みになるので、自分の子供のことで少し動こうと思っていたのに、仕事で疲れきってしまい予定していたこと以外は殆ど動けなかった。

「いきなり、できる訳ない！」って思うのは普通？残酷な言葉を浴びせられる日々が過ぎていった・・・まず名前をマトモに呼んでくれない。Ｔシャツをめくられ、お臍だとかお腹だとかおっぱいだとか大騒ぎして見ようとする・・・猛烈に叱る！決まりを守らないでかき回す。学級崩壊に近い感じだが、私の力量がないからだろうか？彼らは何の反省もしない。

少々ワンパクないじめっこ・少し気の小さい？いじめられっこが共存するなか、毎日何人かは泣かされるので、フォローに走る。収拾がつかないときは両方の言い分を聞いて、慰め、謝らせて解決へもっていく　"いけないこと！"を、言い聞かせ、謝らせ自覚させるのが仕事だ。

トータルでみるとコントロールできずにダメなことばかり。言葉で言い聞かせる事をして、ダメだと体で押さえつける事もしなくてはいけない。背中を叩かれ、びんたをされ、両手にパンチをしてくる・・・あちこち痣だらけになる　体力勝負だ!!勝手なことはさせられないと必死！　あーぁ、この分野の仕事に何のベースもないことがこんなにもキツイと感じた。失敗！反省！余計な仕事を自分で増やしてしまう！全体が見れない環境を自らつくってしまう愚かさ！－こんなことは二度と経験したくない－

　前向きに考えよう！

って思いなおす。出勤の前日の夜にアレコレこうしてみようとかを頭の中でロープレしてみたりする。

眠れない！！どうしてもウマくいかなかったことばかり思い出される。胸を押さえつけられるような息苦しさ、良い状況を想像できず滅入ってしまう。自分を正当化しても「まぁ、いっか～」では済ませられない現場。「この仕事は私には無理なのかも？」と考える。家の子供達に優しくする余裕もなくなる・・・ダメだ！親なんだから!!　わが子とも心身にゆとりがないとブツカリがち。息子からも傷つけられる言葉を言われる。「あ～悪循環だ」

とはいえ、全く良い事がなかった訳ではない。私の言う事をわかってくれ、少し良くなったところも認められる！そこを褒めると、とびきり照れくさそうにする！そんなときはかわいい。毎日を繰り返していくうちに子供の心が私に近づいてくれている気もしたり、些細な事で喜んでくれたり嬉しい事もあった！夏休みが終わる頃には先生と呼んでくれるようになった。

夏休みラスト勤務で玄関で「さようならー」と挨拶して別れた子供（最強に手の掛かる２トップのうちの一人の男子）が少し歩いてから、すぐに戻ってきた。「先生！もしかして今日で終わり？」「え？今日で終わりだと思った？・・・9月も来るよ。」彼はただ黙って頷いて帰っていった。ちょっと嬉しかったなぁ

　しかし、冷静に現実を考えてみよう。

子供は手がかかった子ほど可愛くなるという。別れられなくなってしまう先生もいるとか　ただ仕事の内容と待遇が相応だとは考えにくい　我が家が生活できる額には足りない　就学援助をうけても思っていたよりも子供の教育費が掛かる。様々な想いが交錯し複雑！就労の悩みは尽きないなぁ～。

※タイトル「転んでも立ち上がる」と入力してたら無性に高崎のだるま弁当が食べたくなった。
画像は高弁の「ハローキティのだるま弁当」900円