英語講師の仕事の息抜き日記

教室や身の回りで起こる、ちょっとした出来事を書き綴ってみました。
あなたの仕事の息抜きにお寄り下さい。

日本ではありえない話

2005-06-22 17:13:23 | アメリカ生活
海外へ行くと、自分の持っていた常識を打ち破るような出来事に出会ったりする。カリフォルニアのスーパーマーケットで長いレジの列に並んでいるとき、カートからまだ支払いの済んでいないはずの商品を取り出して食べているアメリカ人を見てびっくりした。その人はレジの順番が来ると、チョコバーのアイスをくわえながら、「あと、コレの分」みたいな感じでアイス代を払っていた。

今日、学生が“Do you think people should be honest at all times? (人はいつも正直でいるべきか)?"という題でエッセイを書いた。その中に、「お店で服を試着すると、店員はたいてい事実とは関係なく、『よくおにあいですよ』みたいなことを言うものだ」と書いてあるものがあった。その通りかもしれない。しかし、わたしの同僚に起こったあるアメリカでの出来事を思い出した。

オレゴン州のポートランドへ数人の同僚と共に仕事で出かけた時のこと。空き時間にそれぞれ買い物へ行き、そのあと全員で夕食を食べた。みんなで買ったものを見せあっている時、一人が、「いやさー、アメリカっていいねー。ほんっとに」と感慨深げに話し出した。聞いてみると彼女はブティックでブルーのセクシー系のドレスを見つけ、試着したのだそうだ。そのドレスを着て、試着室のカーテンをさっと開けると、前に立っていた店員は首を横に振りながら、”Mmm... You don't look good" と言ったのだそうだ。彼女は一瞬あっけにとられたが、その店員は、「コリャダメだ」というジェスチャーと表情で、さらにだめ押しをしてくれたらしい。

彼女も似合っているとは自分でも思わなかったそうだが、気に入った服には理由もなく楽観的になるのが女心。他人から似合うと言われたら買っていただろうと言う。「高い買い物しないですんだわ。アメリカ人て正直でいいわ」と言っていた。でも「チョットだけ傷付いている自分がいるのよね。だからみんなに話して笑ってもらうわー」とサバサバした彼女らしく明るく笑っていた。みんなも「信じられないね、日本ならありえないね」と言いながら、一緒に笑った。

日本の常識はアメリカの常識にあらず。自分の常識が崩されるような体験は、「外国に来たな」と実感させられることの一つかもしれない。