英語講師の仕事の息抜き日記

教室や身の回りで起こる、ちょっとした出来事を書き綴ってみました。
あなたの仕事の息抜きにお寄り下さい。

学習スタイルについて

2008-05-02 23:46:37 | English Learning
学習スタイルというのは、個人が好む学び方の傾向のことです。視覚型(見て学ぶ)や聴覚型(聞いて学ぶ)などがよく言われる例です。

語学学習やその他の学習においてこの学習スタイルという言葉が注目されるようになったのは、日本ではわりと最近のようですが、アメリカでは、学習ストラテジーが注目されはじめた80年代には既に盛んに研究されています。

わたしがアメリカにいたのは、90年代の後半ですが、教育機関はもちろん、企業においても、個人の学習スタイルを考慮することは重視されているようでした。

知り合いのアメリカ人いわく、さまざまな人種のいるアメリカでは、個人の違いを認識し、その違いに留意することは必要不可欠とのことです。

そして、学習スタイルの分類についてですが、さまざまな分類があり、「現時点では圧倒的な影響力を持つスタイル分類が存在するわけではない」とされています。(「言語学習と学習ストラテジー」2005)

4つぐらいの分析もあれば、17種類の分析もあります。学習ストラテジーの大家である、Oxford, R. L.は、5つの観点から11分類しています。

Reid, J. M.は、1987年に発表した「母語の違いによる学習スタイルの違い」に関する研究で、視覚、聴覚、運動感覚、触覚、集団型、個人型という6つの分類を使用しています。

わたし個人としては、C.I.T.E. instrument(1976)という学習スタイルを計るテストの分類が、教育やビジネスの現場においては、実践的な価値があるように感じられます。

わたしが東京の私立大学(ICU)で学習ストラテジーコースという教科のコーディネイターをしていたときは、このテストを含んだ教科書(College Study Strategies: Thinking and Learning)を採用させていただき、学生に自己分析をさせていました。

このテストでは、基本的には9つの分類があります。視覚型や聴覚型をひとまとめにせず、言葉では視覚(Viisual language)、数字は聴覚(Auditory numerical)という言う分類になります。わたし自身は、このテストで数字に関して視覚傾向が強いことがわかり、大事な予定はカレンダーに大きく記すようにしています。

また、Major, Minor, Negligibleという3つの観点で、個人の学習スタイルを分析するため、自分にとって最も強い傾向(Major)がわかると共に、補助的な(Minor)学習スタイルや苦手な(Negligible)スタイルもわかります。

効率よく学習する、または仕事をするという点で、自分自身について理解しておくことは有効ではないかと思います。


さらに詳しい学習スタイルの研究については、下の本の第2章をご覧ください。

言語学習と学習ストラテジー―自律学習に向けた応用言語学からのアプローチ
大学英語教育学会 学習ストラテジー研究会
リーベル出版

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