英語講師の仕事の息抜き日記

教室や身の回りで起こる、ちょっとした出来事を書き綴ってみました。
あなたの仕事の息抜きにお寄り下さい。

E-mailは可算か不可算か?

2006-02-26 22:38:36 | 英語表現
Photo: A plum tree near my home

少し前のことですが、「もっとイディオム」の KopyKatさんのところで、わたしが「不可算名詞」のことについて少しコメントしたところ、ていねいに興味深い情報を下さいました。それは、最近の変化として、e-mailが可算名詞として、つまり an e-mailとして使われる事が多くなったという話でした。

実はこれ、最近わたしも気になっていたのです。わたしがアメリカにいた1990年代、e-mail は不可算名詞でした。an e-mail と書かれていれば、それは間違いとされ、an e-mail messageと直されました。ところが、最近英語のネイティブスピーカーからのメールの中で、an e-mailという言葉をよく目にするようになったのです。

最初見た時は間違いかな、と思ったのですが、同じ人からのメールでまた使われている所を見ると、確信しているな、と思いました。そしてつい最近、英語の教科書でもe-mailが可算名詞として使われているのをみつけました。ロングマンのEnglish Firsthand 1 の中で、Send me an e-mail (p.19)となっています。

これは1990年にアメリカで英文法を学んだ者にとっては驚きです。ただ、「言葉は変化するもの」ですから、それを身を以て体験している、という驚きでもあります。

それでは、早速 e-mail を可算名詞として使用するか?
これだけでは、まだ少し躊躇します。実際、e-mailを不可算名詞として使っている例も見るかです。では、どうしたらいいものか。

とりあえず、名詞として使う事を避け、E-mail meと動詞として使う事でこの問題を避ける事が出来ます。でもこれは暫定処置。

そこでわたしは自分が1990年代アメリカで大学院生をしていたころに英文法を教わっていた1人の教授に尋ねてみました。彼女はいわゆるGrammarian (文法学者)でESLではなく、普通のアメリカ人大学生、大学院生に現在も英文法を教授している方です。(もちろん文法書も書いています。)次回はこの件についての彼女の解答をご紹介したいと思います。

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国際人と歯

2006-02-12 23:30:47 | Weblog
Miyajima, Hiroshima


国際人とは?

という問いにぱっと思い付くのは、英語が話せること、かもしれません。

あと、わたしがすぐに思い付くのは、歯並び。

アメリカにいるとき、歯の矯正が盛ん、というより、当たり前の状況であることにびっくりしました。そしてみんなよく歯の手入れをしている。

仕事場で、お昼の後に歯ブラシと歯磨き粉を持った人を普通によくみました。また、デンタルフロスを切らしてしまった同僚が、まるで財布を落としたかのように慌てている姿も覚えています。

そういえば、某日本人女性歌手がアメリカに進出したときに、「君がアメリカで成功したいなら、まずやらなけらばならないのは、歯をなおすことだ」とアドバイスされたという話も納得がいきます。

アメリカ人女性作家 Judith Viorst の書いたエッセイ Friends, Good Friends-and Such Good Friends の中に、女友達との長い付き合いを表す表現として次のようなものがありました。 

Who knows how we looked before our teeth were straightened 


歯の矯正を受ける前の自分達の顔を知っている人はわたし達二人の他にはいない、と言って、その女性との付き合いの古さ、秘密を共有する親しい間柄を表しているわけです。

この表現を読んだ時に、アメリカでの歯列矯正の定着度を実感しました。


なんでこんな事を書いたかと言うと、先週、歯医者さんへ行ったからです。クリーニングをしてきました。

わたしは歯並びは決して悪い方ではありませんが、矯正をやって全てまっすっぐになっている人とはやはり違います。ときどき今からでもやりたいな、なんて考えたりもします。

でも相当ストレスそうですよね。

極端な例かもしれませんが、2002年3月のBBCのニュースで歯の矯正が原因で病気になった女の子の話がありました。

A dental brace (矯正器具のこと)is found to be the cause of schoolgirl's chronic ill health (March 18, 2002)

こんなのを読むと、歯の矯正も気をつけないといけないな、と思います。


今さら歯の矯正はしないと思いますが、せめてよ~く歯を磨いて寝ようと思います。

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イタリア仕込みの男

2006-02-05 00:04:04 | Weblog
Photo: Campus

今日は久しぶりに過去の話。

わたしの大学時代の男友達(注:彼氏ではない)の話です。そいつと知り合ったのは日本の大学ではなくアメリカ旅行。ひょんなことから出会い、いっしょに飲んだり踊ったりし、そしていつの間にか連絡をとらなくなってしまった。そんな過去の友人の1人です。

カルチャーショックというトピックの話は今までいろいろしてきましたが、今日はこの男が海外で体験したカルチャーショックをお話しします。仮にアキラという名前にしておきましょう。

アキラは小学校時代のほとんどを親の仕事の都合で海外で過ごしています。いわゆる帰国子女というやつですね。いろいろな国に暮らしながらその度にいろいろと驚くような体験をしたようですが、イタリアでのとある出来事は彼のその後の生き方に大きな影響を与えたようです。

当時シャイな日本人の小学生だった彼は不安を抱え、イタリアの小学校に入りました。幸運なことに、すぐに気のいいアントニオ君というイタリア人の男友達ができ、陽気なアントニオ君はアキラのことをアキ~ラ、アキ~ラと呼んで、学校でも、学校が終わってからも、まだ新しい生活に慣れない彼と毎日一緒に遊んでくれたそうです。

ある日、いつものように学校を終えて二人で遊んでいると向こうからアントニオ君の知り合いの女の子がやって来たそうです。アントニオ君は「日本から来たアキ~ラだ」と紹介し、アキラもイタリア語で「日本から来たアキラです。よろしく」と自己紹介をしたそうです。その女の子も「よろしく」と笑顔で去っていきました。

その女の子が立ち去った後、アキラはアントニオの顔を見て驚きました。

いつもどんな時でも明るく陽気で優しいアントニオが怒りに震えていたのです。そして「アキラ、お前はなんてやつだ!」と怒鳴りつけたそうです。

アキラは自分がいったい何をしてしまったのかわからず、あっけにとられました。


どうしてアントニオ君がそんなに怒ったのかわかりますか?



アントニオ君はこう言ったそうです。「どうして彼女を誘わなかったんだ!」

アントニオ君はその女の子はさぞやショックを受けただろうと、本当につらそうに悔やんでいたそうです。

いつも親切でどんなドジを踏んでもいつも笑ってフォローしてくれていたアントニオ君が「アキラ、お前ってヤツは. . .」という感じで怒りに震える姿を見て、アキラも本当に心から反省したそうです。

そして、イタリアでは、女性に会ったら、誘わなければその女性は彼にとって魅力的ではない、ということになってしまい、その女性に対して失礼である、ということをアントニオ君から教えられたそうです。

この小学生のときの経験はアキラに大きな影響を与え、それは日本の大学生になった彼の行動に如実に現れていました。

ただ、彼曰く、日本の女性はイタリア女性と違い、みんなが誘われ慣れているわけではないので、誰にでも、というわけにはいかないそうです。本気にされても自分が困らない相手を選んでいたようですが。

いずれにしろ、イタリアの小学生おそるべし。女性をがっかりさせたということに、そこまで怒り、落胆する心理にある意味感心してしまいます。

最近、イタリア男を見習うとか、ちょいワルとか、はやっていますが。服装はともかく、中身までは一朝一夕にイタリア男になれるものではないのでは. . .という気がしてしまいます。

補足ですが、わたしはシャイな日本人男性も好きです。

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それではまた、