遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

in the Box『たとえば朝、一緒にご飯を食べるような、』

2018-12-16 23:49:07 | 演劇を見てきた

2018/12/14

・同棲中のカップルが破局の危機を乗り越えようとする話。

・二人が女性という葛藤の要素はかなりソフトに描かれている。

・同性である必然性もあまりないんだけど、世の中的にはそういう必然性がない話を作る必然性が生まれているような気がする。禅問答みたい。

・主な葛藤は、途中台詞で「マリッジブルー」と言っていたけど、まさにそれ。

・女性と女性のカップルは、男性の自分にとっては変な感情移入をしなくて済むので見やすい。

・舞台装置は箱や板に家具などの絵を貼り付ける方法。

・その「仮」っぽさはそのまま、ヒロインの現実と向き合いきれていない態度に繋がっている。

・最後に出てきた普通の椅子の存在感たるや。

・葛藤は彼女の脳内人格3人とダンスで表現。

・身体表現によって、言葉だけではスルーしていたであろう、小さなことで自分自身が色々翻弄やら疲弊やらしていた時期を思い出す。

・それでようやく「あーそうそう。そうだわー」という共感する。

・脳内人格の三人は、進歩的な私と保守的な私、そしてなんでも先送りする私。

・『インサイドヘッド』みたいな心理学的な感じではなく、日本人っぽい価値観で分裂していておもしろい。

・長年の懸案事項から生身の人間まで、何でもリフトアップ(棚上げ)してしまう向井章人さんが頼もしい。

・あるシーンで上半身裸になっていたけど、出るところに出れば「切れてる!」って掛け声がかかると思う。見事な肉体。

・プロポーズ直後。向井さんと縣さんによる、リフトアップからの着地という縦から横の動きがかっこよすぎる。

・飛世さんは「春燕~」のときには超然とした美女でかっこよかったんだけど、今回は自分の中のごく狭い範囲でなやむ等身大の女性。振り幅。

・ただ、ダンスになるとやっぱりかっこよく見えるのはずるい。

・相手役の下村美緒さんは、見るからに動きが切れていて訓練された人のそれだし、後ろにまとめた髪で躍動感が強調されているし、腰の位置も高くって立ち姿が美しい。

・最後の絵も端的に髪と腰に見えてしまう。

・若い女性だったら全然見え方変わりそうな作品。生まれ変わって見直したい。

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