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遠藤雷太のうろうろブログ

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カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第二部/3

2025-07-06 21:34:00 | 異邦人

2025/07/03

およそ一年の拘留期間を経て、ムルソーの事件の裁判が始まる。裁判長や陪審員たちの関心は彼と母親の関係に集中し、擁護側の証人の声は届かなかった。

また暑い夏がやってきて、ようやく裁判が始まる。太陽や暑さに関する言及が多い。

検事の、母親を大切にしない奴は凶悪犯罪を犯すのだという、よくわからない理屈とそれに同調する人々。殺されたアラビア人のことは忘れられているように見える。

「彼は母親を埋葬したことで告発されたのでしょうか、それとも一人の男を殺害したことで告発されたのでしょうか。」(p103)という弁護人の精一杯の主張も、母親を大切にしない人と殺人には関係があるはずだという野蛮な理屈で覆される。

万事他人事に思われたムルソーも、裁判に興味を持ったり、泣きたくなったり、セレストに対して抱きしめたくなったりと、いろいろ感情は動いている。

ChatGPTに作中の裁判制度について質問したら、回答は得られたが、ついでに重大なネタバレをされた。そういう危険もあるのか。


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