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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

アガリスクエンターテイメント『令和5年の廃刀令』

2024-02-27 00:17:00 | 観劇三昧

2024/2/26

・帯刀が常識となった令和五年の日本社会で、廃刀令の是非を問うタウンミーティングの様子を描いた話。

・『12人の怒れる男』『12人の優しい日本人』と同じ系譜の話。実際、展開も似ている。

・登場人物が事件をほぼ他人事として扱う「~優しい日本人」に比べて、各々の信念や利害がしっかりしている。

・結果、支持派と否定派の入れ替えによる起伏は少なめで、どちらかというと人物描写に重きを置いている。

・裁判員裁判よりもっと非現実的なシチュエーションだからこそ、登場人物の実在感が大切。

・肯定派と否定派のバランスをとるのはとても難しいけど、かなり注意深く練りこまれていたと思う。

・最初の「刀は日本の心」おじさんの言っている理屈は、そのまんまアメリカの銃規制反対派に置き換えられる。

・帯刀という現実の日本人から見るとバカバカしく思える風習でも、アメリカなら銃規制反対の人は普通にいるので、最初にこの言い分を持ってきたのはうまい。

・早いうちに「元々刀はごく少数の武士のものなので日本人の心と言うのはおかしい」というツッコミが入ったのもスッキリする。

・是非はともかく、理屈はわかるという主張が多くてタウンミーティングとしての質が高い。

・「抑止力は機能していたのでは」というツッコミがあったけど、抑止力と反撃能力は違うので違和感あった。戦闘になった以上、抑止力は機能していない。

・スマ刀から票取りのための駆け引きが始まるのも見ごたえがあったけど、二択を迫られたら投票は厳しい。

・自分があの場にいたら棄権するかも。

・ある種の政治家らしさを完璧に具現化した榎並夕起さん。正面を切るだけで笑ってしまう。ズルい。あのキャラクターがいるから、他の人も動きやすくなる。

・淺越岳人さんもよかった。弁が立ち知識もあるのに倫理観がおぼつかなくなっている作家。

・髭とガタイの良い作家に既視感ある。西村賢太さんかな。

・現実問題、傘ですら邪魔なのに、あんなに長くて重い鉄の棒の携帯が一般化することはないとは思う。自転車に乗るときにめちゃめちゃ邪魔そう。

・それでも思考実験として面白かったし、本作品より現実の国会中継のほうが作り物っぽいのは、ほんとに何とかならんものかと思ってしまう。

 

《公演詳細(観劇三昧HP)》

■公演時期 2023/05/01

■地域 関東

■キャスト
淺越岳人
伊藤圭太
榎並夕起
鹿島ゆきこ
古谷蓮
前田友里子
矢吹ジャンプ(ファルスシアター)(以上アガリスクエンターテイメント)
江益凛
斉藤コータ
声の出演:北川竜二

■スタッフ
脚本・演出:冨坂友
文芸助手・オーサリング:淺越岳人
演出部:川嶋芙優(片岡自動車工業)
衣装・映像・スタッフロール:榎並夕起
小道具・題字:前田友里子
配信・撮影:ニュービデオシステム
スチール撮影:石澤知絵子・井上亮二
宣伝美術・デザイン:津和野諒
制作:佐伯凛果
制作助手:樫村健人
プロデューサー:佐野木雄太
製作協力:Cuebicle
協力:オフィスキール・片岡自動車工業・CRAPER・コメディユニット磯川家・チーズfilm・俳協・ファルスシアター・大和田あずさ・竹田ユウヤ
企画・製作:アガリスクエンターテイメント

■あらすじ

―どうやら、日本初の廃刀令が出るかもしれないらしい。

二〇二三年、相次ぐ刀剣による殺傷事件を受けて、世間では一般市民の帯刀を規制する気運が高まる。
歴史上初めて出される「廃刀令」をめぐり、国内の世論は真っ二つに。
全国に先んじて条例を検討し始めた**区はタウンミーティングを実施。

そして、八人の男女が集められた。

これは、明治期に廃刀令が出されなかった世界の会議コメディ。

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「『池袋ポップアップ劇場 season2』Vol.11」

2024-01-30 15:38:00 | 観劇三昧

『池袋ポップアップ劇場 season2』Vol.11

2024/1/29

・4団体の20分程度の短編演劇4作品を上演。

シンクロ少女『レディ・オブ・イーストタウン』

・余命幾ばくもない男が、同郷というだけでほぼ他人の元オリンピック選手に最期を看取ってもらおうとする話。

・その奇妙な状況に至る経緯についてはほぼ説明がない。

・元選手の女性は50歳を超えて、人生がうまくいっていない。身につまされる。友達できてうれしそう。

・「タトゥーと人間性は関係ない!」。たしかに。

・ああいう感じで元気なまま死ねるなら悪くなさそう。

HYP39Div『万歳夫婦』

・夫婦漫才の夫のほうが、妻への嫉妬を拗らせて離婚寸前になるが、妻が陰で夫に尽くしていたことを知って、漫才の本番中に和解を試みる話。

・妻役の表情豊さんの声質、圧力がものすごく漫才師っぽくて聞き心地がよい。

・ギスギスしたつかみ合いからの喧嘩→左右にふっとぶ動きをくりかえすところ、何かおかしくて笑った。

・序盤の夫の嫉妬ベースのモラハラ感がエグいので、本当にハッピーエンドになっているのかよくわからない。

かわいいコンビニ店員飯田さん『どこよりも、あと少し。』

・助成金の申請期限ギリギリの状況で、バンドのメンバーが書類を作成しようとする話。

・「会ったらお金のことばかり」と言われていたけど、誰も大してお金の話はしていない。すぐ話がそれる。

・それどころかバンドの話もほとんどしていないので、バンドにも金にも興味ないのかなと思ってしまう。

・そのイライラする感じを楽しめばよかったんだろうか。

・明らかに助成金は手遅れなので、損失を減らす方法や負債の分担を話し合ったほうがいいと思う。

アナログスイッチ『池袋7時18分発 山手線内回り 5号車』

・満員電車の車内、乗客の男性が、iPhoneのAirDrop機能でメッセージを交換していた見知らぬ女性の正体を探ろうとする話。

・現代劇における新しい通信手段はすぐに廃れるけど、ここまで限定的だと時代が変わってもアリなのかも。作中で説明できているし。

・序盤の複線をきれいに回収している。前振りもしっかり拾っているけど、医者の可能性はなかったんだろうか。

・本来なら相性の悪そうな、都市伝説っぽい状況と、現代のテクノロジーをうまく融合させて作られていた。

 

【詳細(観劇三昧HPより)】

・公演時期 2022/09/28
・地域 関東

・キャスト
■シンクロ少女 泉政宏/横手慎太郎/中田麦平(以上、シンクロ少女)/加藤美佐江
■HYP39Div. 表情豊/金田侑生
■かわいいコンビニ店員飯田さん 家入健都/植万由香/江原パジャマ/高畑裕太(ハイワイヤ)/三浦葵(劇団いいのか・・・?)/村田正純
■アナログスイッチ 渡辺伸一朗/雨宮沙月(以上、アナログスイッチ)

・スタッフ
■シンクロ少女 脚本・演出:名嘉友美 
■HYP39Div. 脚本・演出:表情豊 
■かわいいコンビニ店員飯田さん 脚本・演出:池内風 
■アナログスイッチ 脚本・演出:佐藤慎哉

・あらすじ

観劇三昧×Mixalive TOKYO
『池袋 ポップアップ劇場 season2』
一度に4劇団×20分の短編演劇を楽しめるショーケースイベント

「いろんな演劇を楽しみたい、でも何を観に行ったらいいか分からない…」
「気になる劇団・役者さんがいるけど、観に行くのはなかなか踏み出せない…」

そんな隠れ演劇ファン、観劇初心者の方にもカジュアルに演劇を楽しんでいただける「池袋ポップアップ劇場season2」が、サブスク配信として帰ってきた!
▽詳細は公式HPをチェック!
https://popup.kan-geki.com/subscription/

【開始秒数】
「レディ・オブ・イーストタウン」1:13〜(1:47~)
「万歳夫婦」21:34~(21:55~)
「どこよりも、あと少し。」47:39~(48:07~)
「池袋 7時18分発 山手線内回り 5号車」1:10:44~(1:10:54~)

【作品詳細】(出演順)
各作品のあらすじは公式HPの「サブスク配信」>「作品紹介」から確認できます。

■シンクロ少女
「レディ・オブ・イーストタウン」

■HYP39Div.
「万歳夫婦」

■かわいいコンビニ店員飯田さん
「どこよりも、あと少し。」

■アナログスイッチ
「池袋 7時18分発 山手線内回り 5号車」

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ShowCaseBar「TOY+」〜その1 まだ支度中ですよ〜

2024-01-10 00:24:30 | 観劇三昧

ShowCaseBar「TOY+」〜その1 まだ支度中ですよ〜

2024/1/9

開業準備中のカフェで、たまたまやってきたお客さんを相手に、三人の店員がダンスを披露する話。

演劇作品というより、演劇やダンスをする人たちを題材にした映像作品になっている。

最初にダンスに対して厳しいダメ出しが行われている様子が映る。

最近、演劇の現実の現場でパワハラが話題になることが多いので、ちょっとハラハラする。

記号としての鬼演出みたいな表現なんだけど、こういう部分から直していかなきゃいかんのかなと余計なことを考えてしまう。

ダンスは、いろんなところで活躍されている方々のようなので、素人が見てもかっこいい以外の感想がむずかしい。

二人組が前後の立ち位置で合わせて踊るところは新鮮に感じた。

ダンスとダンスの間の極端な掛け合いはにどういう気持ちになればいいのかよくわからなかった。

意図的に茶番感を出して観る側の敷居を下げようとしているのかな。

目の前でプロレベルのダンスを見ることはほとんどないから、手品のクロースアップマジックが一ジャンルになっているように、こういうカフェの在り方も面白いのかなと思ったりした。

 

詳細(観劇三昧HP)

■公演時期 2020/08/16
■キャスト
椙山さと美
みお(nuance)
峰ゆとり
浅野康之

■スタッフ
演出・脚本・振付家:浅野康之
音響:大畑修平
照明:佐々木夕貴
音響プランナー・照明プランナー・衣装デザイナー・舞台美術家:浅野康之
楽曲提供:佐藤嘉風(KAFU RECORD)
映像プランナー:浅野康之

■あらすじ

【ShowCaseBar「TOY+」とは?】

「ドラマが振付する」をモットーに、劇団鹿殺しや劇団KAKUTA、劇団Patch、劇団ミスマガジン、他映像作品、横浜発のアイドルユニット「nuance(ヌュアンス)」などに振付を提供している振付・ステージングチームTOYMENが自らの振付を気軽に楽しんでいただくべきしてオープンしたダンスBar喫茶です。読み方はトイプラ。

今作品の第1回目はCOVID-19の影響で配信でのオープンになったものの、2回目以降は実際お酒を楽しんでいただきながらTOYMENメンバーでもあり「TOY+」の店主でもある浅野康之、通称YASU主導のもとお洒落なバー喫茶で会話も楽しみながらパフォーマンスを楽しんでもらう予定です(2020年11月現在)!生配信用に創られた今作品は、お客さん目線でワンカットで物語が進行しています。30分ほどの手頃に観られる作品です。普段、劇場で行われるような作り込まれた美術がきちんとあるわけでもないですしとてもシンプルな作品ですが、もどかしい情勢の中、たくさん悩み、配信で誰かを楽しませることができるのではないかと手掛けたモノのウチのひとつです。

ShowCaseBar「TOY+」〜その1 まだ支度中ですよ〜は浅野康之が、敬愛する佐藤嘉風さんの楽曲を使わせていただいております。誰の心にも広く受け入れられる、ポップで、海の景色や匂い、稲穂が風に揺られてる田舎の情景などがすぐそこに感じられるような優しく愛のある自由な曲と思えば、時には時代の最先端をいくような機械的で緻密に練られた衝動的な狂ったような曲を創られる佐藤嘉風さん。素晴らしい楽曲を創られる佐藤さんを知っていただくきっかけのひとつにでもなればとても嬉しいです。

【出演】
椙山さと美
みお(nuance)
浅野康之

【構成・演出・振付】
浅野康之

【楽曲提供】
佐藤嘉風

EPAD・・・「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター化支援事業」
(文化庁「文化芸術収益力強化事業」)の略称です。
本サイトでは、同事業において、新旧の舞台芸術の映像を配信できるように権利処理した作品に【EPAD】の印をつけています。

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かみかわ企画『たいせいの舞台 カナダのおはなし 第二部』

2023-12-29 13:14:00 | 観劇三昧

かみかわ企画『たいせいの舞台 カナダのおはなし 第二部』

2023/12/29

引き続き、カナダでの体験談。一部二部ともに短い。どうして分けたのかな。

野球のバットの持ち方を教えてあげただけで、親に通報された話。状況次第だけど、気の毒。

コロナ禍で一年の留学のうち5か月ステイホーム、3か月誰とも話さなかった。

ただ、誰とも話せない時期が一番よかったという話。

慣れない環境に適用できなくて、留学先で引きこもりになってしまう話はよく聞くけど、コロナ禍なだけで元気はあるので、自分と向き合う時間に使えたのかな。

それなら、日本にいてもできたんじゃないかという気もするけど、そんな簡単な話でもない。

その場所、その時期じゃないと思いつかないこともある。

大きな劇場で無観客、照明と撮影スタッフを集めて、即興要素の強そうな一人語りをする。

衝動的な語り口はそんな無鉄砲なシチュエーションとよく馴染んでいた。

少なくともスタッフさんには好かれているんだと思う。

そういうのはほんと大事だなと外側の部分が気になった作品だった。

 

■公演時期 2020/12/21
■キャスト 上川泰生
■スタッフ
株式会社アド広研
/じりん
/鎌谷哲也(CreationGroup.K)
/森口勉(CreationGroup.K)

■あらすじ
2019年9月からカナダ・トロントへ留学に飛び立った上川泰生。誰にも縛られず気楽な暮らしが出来ると考えていたが、、、英語にさっぱりついていけず、周りから怪しまれ警察に通報されたり、車の中で大きな男に襲われたり、アメリカ・ニューヨークで大きな男に囲まれお金を取られたり、、、生きていくことにもがいていた。そんな中やってきたコロナウイルス。ロックダウンによる3ヵ月間のステイホーム中、誰とも話すことは無かった。ひとりで過ごしたトロント郊外にある部屋の中で溜まりに溜まった言葉を吐き出した、身と魂の語り舞台。

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かみかわ企画『たいせいの舞台 カナダのおはなし 第一部』

2023-12-25 11:00:59 | 観劇三昧

2023/12/25

コロナ禍にカナダに行ってきて思ったことを声高に語る話。13分。短い。

舞台俳優らしい会場負けしない声量と語り口。内容的には若者が外国に行って思うようにいかなかった話なので、そんなに珍しい題材ではない。

カナダでもサドルだけ盗まれることもあるんだというのが発見だった。

短い映像なんだけど、ちょこちょこ編集が入っている。視点やモノクロの転換は違和感ないけど、すこしだけ時間が飛ぶような編集はライブ感(≠ライブ)が損なわれる感じがして、個人的にはノイズになってしまった。

一人で大きな劇場を借りて、照明や映像スタッフをつけて、しかも無観客でやるようなことなのかどうかはわからないけど、だからこそ伝えられるものがあるのかもしれない。

コロナ禍だからこそできたことでもある。

なので、企画の立ち上げから劇場やスタッフの手配、配信というような額縁部分も含めての作品になるんだと思う。

かみかわ企画『たいせいの舞台 カナダのおはなし 第一部』

■公演時期 2020/12/21
■キャスト 上川泰生
■スタッフ 株式会社アド広研/じりん/鎌谷哲也(CreationGroup.K)/森口勉(CreationGroup.K)
■あらすじ
2019年9月からカナダ・トロントへ留学に飛び立った上川泰生。誰にも縛られず気楽な暮らしが出来ると考えていたが、、、英語にさっぱりついていけず、周りから怪しまれ警察に通報されたり、車の中で大きな男に襲われたり、アメリカ・ニューヨークで大きな男に囲まれお金を取られたり、、、生きていくことにもがいていた。そんな中やってきたコロナウイルス。ロックダウンによる3ヵ月間のステイホーム中、誰とも話すことは無かった。ひとりで過ごしたトロント郊外にある部屋の中で溜まりに溜まった言葉を吐き出した、身と魂の語り舞台。

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PROJECT Fe『群読 あめ』

2022-06-23 01:06:00 | 観劇三昧

観劇三昧:

群読 あめ

大樹のもとに集まり、祈りを捧げる人々。やがて雨が降り始める。

演劇動画配信サービス「観劇三昧」

 


2022/6/18

詩の群読。5分位なのですぐ見終わる。

ロケーションがいい。場所はハノーバー庭園というところ。

パッと見は普通の公園で、遠くに一般の人と思われる通行人も映っている。

真ん中に立派な樹があって、出演者が祈りを捧げるように幹に触れ、群読が始まる。

パフォーマンスによって、普通の風景が普通ではなくなっていく感じが楽しい。

ちょっと『ドライブ・マイ・カー』のワンシーンを思い出す。

出演者は九人。

それぞれに個性があるんだけど、リズミカルなぶん、変に感情を乗せるより、あまり感情を出さずにフラットに語ってい人のほうが見やすかったような。

演者の配置や動き、ちょっとした仕草の調整がたくさん必要になるので、こういうタイプの作品をたくさん経験すると演出の腕がつきそう。

 

《詳細》(観劇三昧HP/作中テロップ)

■原詩
 山田令次「あめ」
 
■場所
 ハノーバー庭園 

■公演日時
 2021年6月26日15時公演

■キャスト
石田晴香
井田真裕
大迫海樹
角西陽向
西島悠希
濵田昴亮
原田海妃
松陰未羽(グンジョーブタイ)
村下美紗

■スタッフ
構成・演出・振付:恵南牧
撮影・編集:三井宏文
協力:宮川愉可(INAGO-DX)・総合学園ヒューマンアカデミー広島校

■あらすじ
大樹のもとに集まり、祈りを捧げる人々。やがて雨が降り始める。

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順風男女『胸に迫るコント』

2022-04-10 20:01:00 | 観劇三昧

観劇三昧:順風男女『胸に迫るコント』

2022/4/8

王子様と従者が、シンデレラを探すという名目でガラスのブラジャーを候補者の女性たちにつけさせようとする話。約10分。

ガラスのブラジャーという発想がひどい。

元の話に出てくるガラスの靴ですら機能的に怪しいのに、ガラス製のブラジャーって、蒸れそうだし、転んだら危ないし、靴以上にサイズがあいまいだし、なによりどこも隠せてない。

この世界では存在しているのかどうかわからないけど、魔法使いの正気を疑ってしまう。

このワンアイディアだけで強い。

完全に下ネタだけど、女性たちのツッコミが鋭いので、そういうのが苦手な人でもだいぶん見やすくなっているはず。

オチはよくわからなかったけど、何か元ネタ的なものがあるのかな。

昔のコントであれば、老人とか美しくない女性をオチに持ってくるんだろうけど、急ブレーキ踏んでそんな古臭い終わり方を回避している感じだった。

 

《作品詳細(観劇三昧HP)》

■劇団名 順風男女

■公演時期 2017/10/14

■キャスト
伊藤摩美
今井英里
伊芸勇馬(以上、順風男女) 
伊藤美穂
岸波紗世子
鶴町憲
緑川大陸

■スタッフ
作:川尻恵太(SUGARBOY)
演出:足立信彦(順風男女)
撮影・録音・編集:降幡剛志

■あらすじ
時間を忘れて踊るシンデレラと王子様
しかし無情にも12時の鐘が鳴り
シンデレラはあわててお城を後にしました。
そう『あるもの』を残してー

今、最も忙しい劇作家・川尻恵太(SUGARBOY)が順風男女に書き下ろした渾身の1作!

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磯部家『普通の人』

2022-04-09 01:02:53 | 観劇三昧

観劇三昧:磯部家『普通の人』

2022/4/8

脚本家が演劇仲間の作曲家と世間話しているうちにちょっとした知見を得る話。

ごく自然な世間話風の話をヘッドセットマイク使用で見せる。どういう公演形態なんだろう。

たった二人の人間が読書の片手間に話しているだけの10分弱の作品なのに、ちゃんと構成があってクスクス笑える。

二人の会話形式だけど、落語の小話を聴いている感覚に近い。

どちらも話し方が穏やかで激しいやり取りはない。

聴きなれたラジオのように聞いていられる。

反面、劇作家が作曲家にやさしく苦言を呈されているところは生々しくてざわざわする。

実生活でも使えるくらい穏やかな調子の苦言。逆に怖い。

脚本家はこのくらいの穏やかさで言われているうちに、脚本を書かなければいけないと、申し訳ない気持ちになる。

脚本家の自虐は心が痛む。

 

《公演詳細(観劇三昧HP)》

■劇団名 劇団WAO!
■公演時期 2021/12/18
■地域 近畿

■キャスト
磯部宗潤
金澤耕介

■スタッフ
脚本:磯部宗潤
演出:mai

■あらすじ
脚本家と作曲家が作り上げる
超絶シュールな二人の掛け合い
それは、日常のたわいもない会話から始まる

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うさぎストライプ『空想科学II』

2022-02-11 20:28:28 | 観劇三昧

観劇三昧:うさぎストライプ『空想科学II』

2022/2/10

ある女性が、行きずりの男との恋愛を全うする話。

男はラブホテルで一夜を過ごしたあと、早々に頭を斧でカチ割られて死んでいる。

「Ⅱ」ではないほうの説明にはカフカとあったけど、ずいぶん遠いところに来た感じ。

男の悪そうに顔をしかめているところや、タバコふかしながら語っているところ、だらしなくベッドに体をあずけている様子、頭に斧が刺さったままなのになんだか色っぽい。演者は斉藤マッチュさん。

二人が親しくなっていく様子と、彼女の遺族たちが遺品を整理している場面がシームレスにつながっている。

一度、時間と空間をバラしてポップに再構成している。飛躍部分も演出の個性として楽しい。

二人は最初から破綻している関係性で、そこには彼女の妄想らしきものも多分に入っているようだけど、本人にとって事実であれば、その人生は勝ちだと思う。

あと、小さいヤンキー、抜けのいい声と仕草が好き。

 

《詳細(観劇三昧HP)》

■公演時期 2018/11/29

■キャスト
斉藤マッチュ(20歳の国)
江花明里(劇団天丼/革命アイドル暴走ちゃん)
高橋義和(FUKAIPRODUCE羽衣)
芝博文
松田文香
松村珠子
木村俊太朗
野村美優
亀山浩史(うさぎストライプ)
小瀧万梨子(うさぎストライプ・青年団)
金澤昭(うさぎストライプ)

■スタッフ
舞台監督:杉山小夜
舞台美術:新海雄大
照明:黒太剛亮(黒猿)
制作:金澤昭(うさぎストライプ)
宣伝美術:西泰宏(うさぎストライプ)
芸術総監督:平田オリザ
制作協力:木元太郎(アゴラ企画)
技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)
企画制作:うさぎストライプ・(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)・独立行政法人日本芸術文化振興 
協力:青年団、20歳の国、劇団天丼、革命アイドル暴走ちゃん、FUKAIPRODUCE羽衣、マッシュマニア、スターダス・21、株式会社 ケイセブン中村屋、有限会社レトル、黒猿

■あらすじ

ラブホテルの一室で目を覚ました男。
頭に斧が刺さっている彼は、どうやら死んでいるらしい。
彼と一夜を共にしたのは、誰からも愛されなかった、名も無き女だった。

数十年後。
叔母の遺品を整理していたある姉妹は、孤独に死んでいったはずの叔母が一人の男と添い遂げたことを知る。
その男はとっくに死んでいたはずなのに、死後も叔母と過ごしていたらしい。
そして姉の夫である葬儀屋は、毎晩見知らぬ男の頭に斧を振り下ろす悪夢を見る。

生と死を共に渡り歩いた男女の人生に巻き込まれていく、海辺の街の人々の物語。

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三等フランソワーズ『クリスマスギャロップ』

2021-05-06 22:46:23 | 観劇三昧

観劇三昧:三等フランソワーズ『クリスマスギャロップ』

2021/5/5

女子高生のイチカが、失踪した父親の情報を聞きつけて、とあるオカマバーにやってくる話。

同劇団の作品は短編二人芝居を二本見ている(映像で)。

どちらもシンプルな会話劇なのに、笑えるし、楽しい。

今回は比較的人数が多く時間も長いので、どんな感じになるのか期待して見る。

最初は女子高生二人の会話。キャラの濃さもあるけど、やっぱり会話が面白い。

父親は女装しているので、簡単に父親だとわからない仕掛け。

とはいえ、娘は勘がいいので、父親はとにかくはぐらかそうとする感じ。

父親の普段よりちょっと高音気味のオネエ言葉が聞き心地いい。いつまでも聞いていられる。

ルマンド、耳の傷、嘘を混ぜつつ和解するところ、色んな前振りを中終盤にかけて回収していく。

無条件の親子愛が軸になっているので、案外好き嫌いは出る話かも。

手堅い会話部分とは別に、演者の何かを試すかのような一人芝居パートが入っているアンバランスさも楽しかった。

 

詳細(観劇三昧HP)

■公演時期 2019/12/22

■キャスト
中川浩六
木山梨菜
本多真理(以上、三等フランソワーズ)
澤井里依(舞夢プロ・EVKK)
山下春輝(ギヴ・ザ・ブロン)
美香本響(meyou)

■スタッフ
脚本・演出:中川浩六
舞台監督・照明:相内唯史(at will)
音響:浅葉修(Chicks)
宣伝美術:勝山修平(彗星マジック)
宣伝写真:木山梨菜
舞台写真:斉藤幸恵
撮影:武信貴行(観劇三昧)
当日運営:飯村登史佳

■あらすじ

高三の二学期の終業式を終えたその足で、彼女は新幹線に乗り込み地方の温泉街へ赴く。
自分の過去を知ろうと、今を伝えようと、未来につなげようと。

温泉街からはずれたところにある人気のないバーで男は働いていた。
自分の未来を戒めるように、今を偽り、過去を忘れたふりをして。

「お父さんを捜してるって、そんな犬や猫みたいに言われてもねえ」
「そうですよね、父が犬か猫だったらよかったんですよね。でもどちらかと言うと猫の方が好きです」

父と娘の行き違った不幸と会話で綴る、笑ってもコメディ泣いてもコメディな80分。

旗揚げ一年目に30GPに選んでもらった作品を、
四年の時を経て30GP優勝記念としてサケの母川回帰のように産卵再演!!

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