goo blog サービス終了のお知らせ 

遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ニットキャップシアター『踊るワン-パラグラフ』

2021-04-17 02:29:57 | 観劇三昧

観劇三昧:ニットキャップシアター『踊るワン-パラグラフ』

2021/4/16

いわくつきのマンションの一室で、ある噂のもと、不法侵入者が次から次へと入ってくる話。

いて当然の雰囲気を出しながら、いる根拠が何もない人たちが次から次へと入ってきて、管理人を混乱させる。

時間を少しずつスキップさせながら、「何か」が起こるまでのカウントダウンで緊張感を持続させる。

どちらかというと暗く、特殊なシチュエーションなのによく笑える。

「名探偵こなもん」というどうしようもなく観客を不安にさせる存在がいる一方で、予想外の方向からどんどん笑い要素が飛んでくる。

戯曲ワークショップでお世話になった、ごまのはえさんの演者としての迫力も楽しい。

特に「エロなのか」の連呼で笑ったけど、どういうバランスで笑いに繋がっているのか、うまく理解できない。

シリアスと笑いの距離感が絶妙。

先行して見ていたニットキャップシアターの作品が重厚な内容だったので、その振り幅の大きさも楽しむことができた。

 

■公演時期 2010/02/18

■地域 近畿

■キャスト
大木湖南
安田一平
ごまのはえ
門脇俊輔
高原綾子
澤村喜一郎
市川愛里
織田圭祐
藤田かもめ
森下実季

■スタッフ
作・演出:ごまのはえ 
照明:三橋琢

■あらすじ

かつて、ある宗教団体が住んでいたマンションの一室。
教祖の復活をほのめかす一節(パラグラフ)が掲げられる。
教祖が姿を消してからちょうど12年目の今日、人々がその部屋に集まった。
そしてはじまる「奇跡」。
「奇跡」は本物か? それとも誰かが仕組んだものなのか?
様々な疑いが渦巻く中、しだいに熱狂していく人々。
その姿を冷静で滑稽な言葉で紡ぐ、シチュエーション“ミステリー”コメディ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レプラカン歌劇団「レプラカンSAKURA 秋麗(代々木能舞台動画配信公演)」

2021-02-05 22:43:52 | 観劇三昧

感激三昧:レプラカン歌劇団「レプラカンSAKURA 秋麗(代々木能舞台動画配信公演)」

2021/2/5

代々木能舞台での日本舞踊。

レプラカン歌劇団の日本舞踊を中心にしたチームがレプラカンSAKURAとのこと。

なのでHPを見ると、思いのほか洋風だったりする。

見慣れない能舞台の主張が強い。

陽光射す能舞台できらびやかな和装の人たちが、現代の曲で踊っている。伝統芸能らしからぬ爽やかさ。明るい。

美里はる香さんの着物のピンクとグリーンの組み合わせがかわいい。

衣装的に裾をひきずるのはやりにくいのかなと思っていたけど、よくよく見ると、捌き方で動きを大きく見せる効果があるよう。役割はある。

二人一組で同じ動きをしていても、必ずしもシンクロする感じではない。別の鑑賞ポイントがありそう。

ラピュタだったりパプリカだったり、選曲でもサービスしてくれるので、完全な門外漢でも置いて行かれず、最後まで興味深く見られた。

 

詳細(観劇三昧HP)

■ 劇団名 レプラカン歌劇団

■キャスト 
 夏輝レオン
 ゆふきれい
 美里はる香

■スタッフ
映像編集:熊山寿成
撮影:熊山寿成・山田光太郎
撮影協力:有限会社さくらこユニバーサル
振付:夕浪千鳥(夕浪流家元)・ゆふきれい
会場提供:代々木能舞台
企画:レプラカン

■あらすじ

日本国内外で活動しているレプラカン歌劇団がインバウンドチームとして2年前に結成した、レプラカンSAKURAの動画配信公演です。1年365日のうち2日間のお休み以外毎日、銀座・新宿の2店舗で日本舞踊インバウンドショーを展開しているチーム。新型コロナウイルスの流行により海外のお客様がストップした事により2020年2月よりインバウンドショーもストップしている中、動画配信にチャレンジいたしました。

有形文化財である美しい代々木能舞台もお楽しみくださいませ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

undercurrent『LOST + FOUND』

2021-01-17 00:49:00 | 観劇三昧

観劇三昧: undercurrent『LOST + FOUND』


2021/1/16

抽象度の高いダンスなので、はっきりしたあらすじはなし。

始まりは森の中の映像。しっとりした音楽に、男女数名の優雅な踊りを合わせる。

体重を感じさせない人間らしくない動きから、森の妖精とか、言葉で解釈してみたそばから陳腐になっていくのでやめる。

循環が一つのテーマとのこと。

そう思ってみればそう見えるけど、この誘導のされ方で大丈夫なのか不安になる。

他のお客さんはみんなこういう作品を観ながら何を考えているんだろう。

視覚と聴覚の気持ちよさを味わうだけでいいんだろうか。音楽もとても大事。

ダンスの中ではベタな部類なんだろうけど、陽気な村踊り(勝手に名付けた)のシーンが好き。

背景の映像が身体に投影されている部分込みでかっこいい。

昔、役者は顔で踊るんだとアドバイスをもらったことを思い出す。

本作の演者さんたちは、体だけで表現できるので、表情には頼っていない。

それでも、ちゃんと表情のようなものは伝わってくる。

真似できたらさぞかし気持ちいいだろうと思う。


◼︎あらすじ


枝をはなれた葉は、

ひとときの自由を得る・・・


循環する物質の過程にすぎない我々の

存在する意味はどこにあるのか?


喪失の苦しみを越えることは、

虚しさを満たすことは可能なのか?


undercurrent5年ぶりの劇場公演では、

身体表現を通じて

他者と共有される『物語』のなかに

その答えを探る。


◼︎キャスト


岡崎愛

中村萌

天野光雄

いはらみく

氏野里香(リリーエアライン)

梅田由香理(Company Little Wisdom)

竹廣隼人(LEoN/Noir)

谷森雄次(CompanyLittleWisdom/LEoN/Noir)


◼︎スタッフ

演出:村田絵美

照明プラン:大塚雅史(DASH COMPANY)

音響:とんかつ(とんかつ音房)

舞台監督:佐野泰広(CQ)

制作:馬場恵(シバイシマイ)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チームまん○『効果音X』

2021-01-14 00:32:58 | 観劇三昧

観劇三昧:チームまん○『効果音X』

2021/1/13

男の子がネットで知り合った女の子を喜ばせるために、演劇を学ぶ話。

短編コンペティションの優勝作品。

統一テーマがあって今回は「よろずJAPAN」。

テーマをうまく使っている作品なので、映像では先に作品外で補足している。こういうの大切。

装置は他団体と共有なのかな。

効果音のことをSEと呼ぶので、「チームまん○の効果音X」はひどい下ネタになる。

ただ、内容には言うほど下ネタが多くなく、そこを期待すると少し物足りない。

最初に「プロローグ」と「モノローグ」の説明から始まる。演劇用語の説明の合間に進行していくくらいのバランス。

搦め手のようで、演者の素の技術がないと成立しない形式。

「サイレントフォーカス」って言葉があったんだ。今後使いたい。

劇中劇が元々どんな内容を想定していたのかはよくわからなかったけど、登場人物の設定に仕込みがあって、うまくハートウォーミングに仕上がっていた。

 

《詳細》(観劇三昧HP)

■公演時期 2019/08/11

■地域 関東

■キャスト
堀越健太(チームまん〇)
横山美桜(チームまん〇/エッグスター)
冨田浩児(ill nut up fam)
葉月楓(ill nut up fam)
長野諒子(フラッシュアップ)/鈴木克彦

■スタッフ
脚本・演出:小山太郎(チームまん〇)

■あらすじ
演劇における効果音の重要性を大好きな女の子に伝えたい!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エミィ賞グランプリ『2017エミィ賞受賞 たくませいこ』

2021-01-07 22:49:00 | 観劇三昧

観劇三昧HP:エミィ賞グランプリ『2017エミィ賞受賞 たくませいこ』


2021/1/6

夫の浮気を咎める妻の話。

スタンダップコメディ風に始まってちょこちょこ動作や歌が加わる。

ジャンルで言えば、何になるんだろう。

吉本所属とのことで芸人さんなのかなと思ったら、本業は役者。

wikiを見ると、たしかに出演作多い。

エミィ賞はその年の優秀なコメディエンヌを讃える賞とのこと。

公式HPを見ると、エントリー→WEB審査→本選とあるので、M-1みたいな感じなのかな。

規模感がよくわからないけど。

自己紹介大事。笑いよりも嫌われないこと。

浮気の咎め方にひとつ仕掛けがあって、その仕掛けを通して出てくるズレで笑わせる。

尺も短いので楽に見られる。

話の締めるときもちゃんと一山作る。

本作は演技の部分も見れたけど、この形式だと役者さんより芸人さんのほうが有利なんじゃないかなと思ったりする。

他の出演者の人はどんな感じだったのか気になる。


◼︎詳細(観劇三昧HP)


エミィ賞グランプリ2017 受賞作品。


【たくませいこ プロフィール】

よしもとクリエイティブ・エージェンシー東京俳優班所属

1975.7.5生まれ

AB型

東大阪市出身

大阪芸術大学舞台芸術学科演劇コース卒業

東京在住

NHK教育テレビ(Eテレ)の「ふしぎ研究所」「びっくりか」で[セイ子お姉さん]を6年つとめた。

現在はルミネtheよしもとに立ちつつドラマ、ナレーションで活動中。

ドラマ「夫婦道」「嘘の戦争」「野ブタ。をプロデュース」「銭ゲバ」など

舞台「FILL-IN~娘のバンドに親が出る~」 「中野ブロンディーズ」「MISSING BOYs~僕が僕であるために~」など。

一児の母でもある。


・キャスト 

 たくませいこ


・.主催:エミィ賞実行委員会




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和レディ『昭和レディ・鵺 短編』

2021-01-07 22:13:00 | 観劇三昧

観劇三昧:昭和レディ『昭和レディ・鵺 短編』


2021/1/6


スケバンをモチーフにしたダンスパフォーマンス。

札幌拠点なのに動画が初見になるとは。たまにチラシを見かけて気になってはいたのに。

スケバン、学ラン姿のダンサーたちがその時代の音楽に乗って踊る。

殺陣っぽい動きはあるものの、そこまでストーリー性はない。

「時代の徒花」だと悪い言い方になるのかもしれないけど、不良には一時の流行だからこそのかっこよさもある。

そもそもセーラー服も学ランも服としてかっこいい。

変に時代に合わせるくらいなら、自分たちの「得意」と「好き」をそのままぶつけたほうが、魅力が伝わる。

実際、そのあたりはだいぶん意識してやってると思う。

本来の公演が延期になったそうで、(おそらく)無観客の、短縮バージョン。

自分の年代のせいもあるけど、この頃の曲ってほんと推しが強くて定番感が強い。

短いから考え考え見ていたけど、これを1時間2時間と見続けたら、いい感じに昭和の頃の懐かしい気持ちに浸れそうな感じだった。



詳細(観劇三昧HP)

◼︎劇団名:青春ダンス集団「昭和レディ」

◼︎あらすじ:

ひとりぼっちのスケバン転校生。どこにいてもひとり。寂しいけれど粋がっている。
転校した学校には、様々なスケバン・番長ら不良がいた。

北海道札幌市にて活動している、全員昭和生まれの青春ダンス集団昭和レディ。言葉は発さず、音楽とダンスで表現します。

同映像は、2020年4月29日に上演する予定だった「ロンリー上等!!アタイに触ると火傷するよ 昭和レディ・鵺」の短編版となります。

◼︎キャスト

海原章子
かなえさん
菅野のぞみ
小鹿道子
佐々木理恵
高瀬育子
長谷川史織
牛島有佳子

◼︎スタッフ

演出・振付:牛島有佳子
画像デザイン:yixtape
ロゴデザイン:長谷川史織(Birth Farm)
協力:Studio U
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メガネニカナウ『赤魚島(あこうじま)〜漁業組合vs大阪暴力〜』

2020-12-25 16:02:00 | 観劇三昧

 2020/12/21

・観光と漁業で成り立つ小さな島にやってきた若者二人が、ヤクザと漁業組合の抗争に巻き込まれていく話。

・もともと、一度の漁で大きく稼ぐ漁師は、賭博と相性が良くて、その賭博を仕切っていたのがヤクザという関係性らしい。

・基本的には敵対してるけど、対立するほど、両者の境界線が甘くなっていくのが世の常。蛇の道は蛇。

・脚本の二朗松田さんもブログで紹介していたけど、この辺の事情はジャーナリストの鈴木智彦さんの著書に詳しい。

・「北海道がメッカ」はたぶん漁業ではなくて密漁の話。

・赤魚の密漁って聞いたことなかったんだけど、赤魚は必ずしも特定の魚を指すものではないようなので、その海域だけで獲れる珍しい赤い魚がいるのかも。

見てる間は密漁が問題なのかクスリの運搬が問題なのかはよくわからず。たぶん両方。売春、なんでもありの島とあって、後から理解する。

・食べてるときにジロジロ見るのは共犯感覚を共有したかったのかな。

・つい最近までご一緒していた野村有志さん演じる篠田がクズすぎてとてもよかった。ぷらすのと☆えれきの時も最低だったけど、本作では愛嬌すらなくて、ただただ怖い。はははははー⤴︎という笑い方も下品で夢に出そう。強い。

・他にも指方とか、柏木とか、渡辺とか、関連する役名の人たちが出てきて、クスリやら命やらのやり取りしている。あらためて篠田の配役が腑に落ちるんだけど、二朗松田さんの中でAKBってどんな存在なんだろう。

・篠田の意識が混濁しているところの見せ方が気持ちよかった。どんな曲をかけ、どんな物を使うのか使わないのか、どこまで飛躍させるか、ああいう演出は自分にはムリ。演出はBaghdad caféの泉寛介さん。

・特撮好きすぎて本職と遜色なく動けるようになっているオタクの鑑。リアルではないんだけど、リアルにしてどうするという場面でもある。

・映画とヤクザでいえば映画『地獄でなぜ悪い』の感じにも近い。ただ、本作では主人公が見ている人からかなり共感しにくいように描かれている。冒頭のパロディ動画の撮影シーンも悪意のほうが強い。

・結果、情熱を持てなかった人間の悲劇になっている。最後も気の毒というよりも、物語としてきれいに着地している感じ。

・終盤の時間が戻るシーンは、ぷらすのと☆えれきでも似た場面があったけど、うまく余白を作る効果があって、いろんなケースで応用が効きそう。


あらすじ

うだつの上がらないボンクラ二人。

ユーチューバーを名乗ってはいるが視聴者数は全く増えない。

彼らが最後の希望を求めて辿り着いたのはある南の島だった。

海は美しく、食べ物は美味い、

この世の天国とはしゃぐ二人だったが、

日が沈み夜になると、その島の闇の姿が現れる。

小さな市場で食べた海産物、それは密漁品であり、

漁業組合は地元のヤクザ組織と浅からぬ関係であることを知る。

そんな中、二人は古い友人と遭遇する。

まさかの出会いに喜ぶが、その雰囲気の違いに狼狽する。

友人は大阪を拠点とする暴力団の一員となっていた。

その暴力団は密漁利権を奪いにこの島へとやってきていた。

島の地元ヤクザと大阪ヤクザ、

二つの暴力の間に挟まれ、

ボンクラ二人は徐々にその渦に巻き込まれていく。


キャスト

飯嶋松之助(KING&HEAVY

井路端健一(演劇集団ザ・ブロードキャストショウ)

オオサワシンヤ

小西健太(リコモーション)

田代圭佑/田米カツヒロ(舞夢プロ)

為房大輔(劇団ZTON

野村有志(オパンポン創造社)

泥谷将(Micro To Macro

秋月美穂

大江雅子

たはらもえ(劇団レトルト内閣)

上杉逸平(メガネニカナウ)


スタッフ

:二朗松田(カヨコの大発明)

演出:泉寛介(baghdad café

音響:須川忠俊(ALTERNAIT

照明:西村洋輝

舞台監督:ニシノトシヒロ(BS-Ⅱ

映像:堀川高志(KUTOWANS STUDIO

制作:渡辺大(Limited_Spice







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニットキャップシアター『チェーホフも鳥の名前』

2020-09-27 23:34:26 | 観劇三昧

観劇三昧:ニットキャップシアター『チェーホフも鳥の名前』

2020/9/23

・サハリン島の小さな街で暮らす人々が外交や戦争に翻弄されながら生きていく話。

・ほぼ100年を2時間53分かけて描く。時間の感覚がよくわからなくなるスケール。

・北海道に住んでいるものの、サハリンについてはあんまり考えたことがなかった。

・作品紹介のHPを見ると、宗谷岬からサハリン島まで43km。一番身近な外国と言えるけど、樺太とも呼ばれていたし、外国っぽさが弱い。ずっと曖昧なまま認識していた。

・ロシアと日本に挟まれ、少数民族もいて、資源も豊富なこの島は、ただの東の果てでも北の果てでもない。

・民族の汽水域みたいな場所だから、たしかに俯瞰して描くだけで面白くなりそう。

・とは言え、先行作品もそんなに多くないだろうし、資料探しだけでも大変。

・企画を立てるだけでも覚悟がいるし、ごまかしのきかない長尺の作品を作って、上演まで辿り着いていることがすごい。

・個人的には、立案から脚本完成まで、どのくらいの時間でできたのか気になる。

・本作に出てくる人々の多くは、個人個人でつながっているけど、全体の流れを認識しているわけではない。

・個々だと記憶から消えてしまうような小さな営みを、作品にまとめることで残す。

・物語を作る意義ってこういうことなのかなと思ったりする。

・そもそもチェーホフがそういう話が多いイメージ。

・そうやって作られた作品は、さらに他の作品とも繋がっていく。

・たぶん、札幌座『フレップの花、咲く頃に』とも繋がっているはず。観てない。失敗した。

・最終的にはほぼ現代まで至るので、歴史から、自分達のすぐ身近なところまで、地続きになっていることを感じさせてくれる。

・曖昧だった場所の輪郭も少しクリアになる。

・最初は周囲をシラけさせていた言葉が、年月を重ねていくうちにどんどん貫禄を付けていく様子がたのしい。

・そう考えるとあの二人は確かに特別だったのかも。

 

《詳細》(観劇三昧HP)

■公演時期:2019/09/01

■地域 近畿

■キャスト
門脇俊輔
高原綾子
澤村喜一郎
仲谷萌
池川タカキヨ
千田訓子
西村貴治
山岡美穂
黒木夏海
尾鳥英二

■スタッフ
作・演:ごまのはえ
パーカッション:田辺響
舞台監督:河村都(CQ)
舞台美術:西田聖
照明:葛西健一
音響:三橋琢
映像:堀川高志(kutowans studio)
映像操作:飯阪宗麻(NOLCA SOLCA Film)
写真協力:後藤悠樹/衣装:清川敦子(atm)
小道具:仲谷萌
演出助手:小山裕暉(テノヒラサイズ)
韓国語監修:徐義才
ニヴフ語指導:白石英才(札幌学院大学)
岩手弁指導:劇団らあす(花巻市)
絵:竹内まりの
宣伝美術:山口良太(slowcamp)
記録写真:井上大志
制作:高原綾子・門脇俊輔・澤村喜一郎
当日運営:池田みのり・新原伶(劇団なかゆび)
制作協力:三坂恵美(観劇三昧)
協力:株式会社リコモーション、山口浩章
資料協力:一般社団法人全国樺太連盟、NPO法人日本サハリン協会
企画・製作:ニットキャップシアター
主催:ニットキャップシアター、一般社団法人毛帽子事務所
提携:伊丹市立演劇ホール
助成:芸術文化振興基金、京都芸術センター制作支援事業

■あらすじ

日本とロシアに挟まれた島、サハリン島。
この島に「チェーホフ」と名付けられた街があるのをご存知でしょうか。
ロシア人、日本人、朝鮮人、「ニヴフ」や「アイヌ」などの北方民族――
この街に暮らした様々な人々が、ときに国家間の思惑によって翻弄されながらも生活する様子を、
アントン・チェーホフや宮沢賢治ら、かつてこの島を訪れた作家達の眼差しとともに辿ります。

おかげさまで劇団旗揚げ20周年!
ニットキャップシアターの『街の記憶』プロジェクト最新作。
街と人々の暮らしを描く、約100年のクロニクル。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

劇団キンダースペース『藤十郎の恋』

2020-08-26 00:18:00 | 観劇三昧

2020/8/24


菊池寛の短編小説を一人で語る。

モノドラマという言葉はあんまり聞かないけど、ここではモノローグだけで見せる舞台表現。

テキストを持たずに語るので朗読とも違う。

単純な話、短編と言ってもたっぷり40分、テキストを全部覚えているのがすごい。

演じているのは瀬田ひろ美さん。

立ち姿が美しい。声の情報量が多い。一人語りのお手本のよう。

演技とはちょっと違うので、どのように動いてもいいし、全く動かなくてもいい。

この自由さはむしろ表現の難易度を上げてしまいかねないけど、最後まで手綱を緩めず、きっちり舞台をまとめている。かっこいい。

舞台美術や演出のプランも難しそう。やろうと思えば素舞台でもできるぶん、何を足すのかでセンスが問われる。

元禄時代、歌舞伎役者の坂田藤十郎が新しい工夫を得るため、ある試みを仕掛ける話。

そう言えば『ガラスの仮面』に似たようなエピソードあった。

難しい事は何もないけど、相手を傷つけず、心の奥のみを殺す巧妙な仕掛けが鋭い。憧れる。



あらすじ


元禄十一年春、京都四条河原の都万太夫座の一代の名優坂田藤十郎と、布袋屋梅之丞座に江戸より初上りの中村七三郎との競演が人気を煽っていた。藤十郎は七三郎の初日の舞台をひそかに見て、さすが江戸髓一の七三郎の芸と気魄に、油断ならぬ相手と痛感せずには居られなかった。四条の料亭「宗清」の女房お梶は、評判の高い貞淑な美人であったが、かつて共に連れ舞を踊った幼馴染の藤十郎に人知れぬ思慕の情を抱き続けていた。一方、藤十郎の不安は現実化し、その新作狂言も七三郎の新奇な趣向に圧倒され、意外な不入りとなった。彼は早速大阪から狂言作家近松門左衛門を招いて、新しい芝居の脚本を依頼した。かくて近松の書いた「大経師昔暦」は、大経師女房おさんと手代茂兵衛が密通の挙句処刑された物語である。藤十郎は初日を前にして、人妻に恋を囁く難解な演技を、如何に我がものとするかに心を砕いていた。初日の前夜、藤十郎は彼の部屋に入って来たお梶を見て、突然熱烈な恋慕の情を打明けた。一時は身を退けおののいたお梶も、やがて藤十郎にすべてを与えようとした。その様子をじっと見ていた藤十郎は、そのままお梶を置いて去った。初日の幕が開く。藤十郎の演技は真に迫り観客の熱狂を浴びた。藤十郎の芸のための偽りの告白を悟ったお梶は、楽屋で自害して果てた。その死顔を見た藤十郎は、やがてすべての感情を胸底に秘め、再び舞台へ出て行くのである。


キャスト

瀬田ひろ美(劇団キンダースペース)


スタッフ

原作:菊池寛/演出:原田一樹/舞台美術:松野潤


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万能グローブガラパゴスダイナモス『西のメリーゴーランド』

2020-03-05 09:49:07 | 観劇三昧

観劇三昧:万能グローブガラパゴスダイナモス『西のメリーゴーランド』

2020/3/4

・母が娘と和解しようとする話(ネタバレ回避のあいまいあらすじ)。

・不謹慎なギャグはツカミに向いている。

・序盤で必要な説明をしつつ、今後の展開の前フリをたくさん入れている。

・ひとつの言葉やアクションが、複数の意味を持っている。情報効率がいい。

・タイトルの「メリーゴーランド」にしても、重要な「思い出」でもあるし、「まわるもの」でもあるし、「乗り物」に次々と「乗る人」が入れ替わる本作の仕掛けとも連動している。

・全体的にかなりドタバタしていて好き。

・ペッドボトルのくだりはわかってても笑う。

・間の取り方が絶妙。無機物なのにちゃんと演技しているように見える。あの仕掛けどうなってるんだろう。

・ひどい目にあう人は偏っていたほうがおもしろい。最後も装置の一部みたいになってた。

・液体には魂ないのかな。混ざるのかと思ったら違った。

・戻すタイミングはあったはずだけど、面白いほう優先でいいと思う。

・笛のところもしょうもなくて笑った。

・客席のノリがいい。

・ワンシチュエーションの芝居で問題になりやすい、登場人物のインアウトを超自然的な設定で解決している。

・同じパターンは何度も出来ないけど、誰がどこから出てきても不自然にならない。出入りだけで楽しい。

・年の差恋愛を成立させる杉山英美さんの存在。

・「詐欺師」が共感を勝ち取るシーンはかなり強引だけど、座組みの中にそれができる演者がいるのは心強い。取り乱し方の熱量がすごい。こわい。

・もともと生まれ変わりを信じている人以外、人間の死と、魂の死はあんまり変わらないような。

・メタ的な緊張感も煽ってくる砂時計。

・入れ替わっていてもほぼ変化がない二人。演技は変えてるのかな。申し訳ないことに見分けが付かず。

・親子の和解モノの定型。幸か不幸か自分は父親と血が繋がってないし未だに親から何か説明されたことはないけど、別にそれでストレスを感じたこともないので、個人的にはいまいちピンと来ない。

・それでも、結構な人数の目的と行動に矛盾が無いまま、熱量落とさず最後まで走りきったのはすごい。

 

■公演時期 2015/12/02

■地域 九州

■キャスト
椎木樹人
阿部周平
横山祐香里
早樋寛貴
田崎小春
山崎瑞穂
柴田伊吹
針生あかり
杉山英美

■スタッフ
作・演出:川口大樹
舞台監督:森田正憲(株式会社エフジーエス)
照明:太田勝之(有限会社サム)
音響:大谷正幸(九州音響システム)
舞台装置:中島信和(兄弟船)
小道具:早樋寛貴・柴田伊吹
衣裳:山崎瑞穂・針長亜沙美
演出助手:石井実可子
舞台写真・宣伝写真:藤本彦
宣伝美術:トミタユキコ(ecADHOC)
WEB:谷口紗友梨・森脇千恵子
制作:橋本理沙・ししはらみさ
今村麻衣子・佐藤友美(スリーオクロック)

■あらすじ
今作「西のメリーゴーランド」どんな感じのお話かというのを、創作メモ達から目に付くワードを抜粋する形で紹介するという試み、どうでしょう。
生まれ変わり 椅子取りゲーム ぐるぐる 記憶 スープ ループ ランプ ハンカチ落とし 箱庭 死んだらどこへ行くの? 超能力 etc...
なんとなくスピリチュアルな雰囲気でしょうか?あと、スープ・ループ・ランプの辺りは、ただリズムで書いちゃった感じでしょうか?

なんにせよ今回も、10年やり通して来たワンシチュエーションの会話劇です。
そんでもってコメディです。コメディったらコメディです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする