piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

相棒 その後・・・

2008年05月14日 | 音楽教室
このピアノを弾くのは今日のレッスンが最後かもしれない(搬入の期日が未定のため)のだよという話を翌日の生徒さんにはしました。
なんとなく子供にも私の淋しそうな雰囲気は伝わったのか、
「そんなにかなしいんなら 音が出なくなるまで使えばいいじゃない。」
・・・うーん なんと痛いところを・・・!
「でも音色がばらばらになって揃わないし きれいな音ではなくなったからね・・」
「そうかな 私はじゅうぶんきれいだと思うけど。」
「・・・・」


中古車ではないので、廃車になることはなく、C3は人気の型なので、充分手を入れて再起させてまた再調整ピアノとして売られていくのです。
結局その再生ピアノをどなたかが購入されるのだから 当初考えていた通り 「私がお金をかけて再生させる」というのが愛着うんぬんという私に合った方法だったのです。
ですが、それには(再生させるまで)やはりずいぶんと時間がかかり、(メカニックがすぐ入れ替わったとしてもある程度の打鍵されてすぐ弾ける状態にするには調整調整・・・とある程度の空気に合わせた期間が必要)
結局毎日のレッスンや練習に対応させるにはすぐ弾けるピアノでなければならないのです。

感傷に浸っているような悠長な時間などなく、新しい生徒さんへの教材、コンクールを受ける生徒さんの課題曲選定、まんねりにならないための工夫。すべきことは山のようにあるわけで、今は早く美しい響きを持った新しい相棒の来宅を待つのみです。

他の楽器と違って ピアノ弾きの自宅のピアノは「練習ピアノ」でしかないわけです。
本番はすべて「学校の試験室」からはじまり「ホールにあるスタインウェイかそれに順ずるフルコンサートの大きなグランドピアノ」での演奏。
このピアノの音は全く日の目を見ないのです。このピアノでどんなに会心の出来の演奏をしようが、誰にも評価されないわけです。
・・・うちのピアノではうまくいったのに・・なんて言い訳はとおりません。

そんな「家のピアノ」というのは 親密な時を重ねた弾き手にとって 大きな図体なだけに、とても不憫なものです。