松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

弓の素材としての櫨 その3

2007-08-04 22:50:28 | 和弓と櫨
平安中期、いよいよ弓の歴史の中で
エポックメイキングとなる弓の登場です。

木と竹で張り合わせた合成弓
「伏竹弓(ふせたけゆみ)」です。
以前から使われている木材(檀など)の外側に
竹を張りつけたシンプルな構造でしたが
弾力性のある竹を強靱な檀に張り合わせることで
随分たわむようになります。

さぞかし旧来の弓とは違い、
威力があったのではないかと思われます。
木と竹を組み合わせるのには、藤が巻かれていたそうです。
なかでも等間隔に藤を巻いた重籐(しげとう)という弓が
装飾的にも美しく、好んで使われたようです。

また軍記物などに描かれる「二人張り」「三人張り」などの表現は
弦を張る時に弓をたわませるのに必要な人数だそうで
伏竹弓に限って使われる表現だそうです。

この伏竹弓はちょうど「武士」が誕生した頃に誕生しました。
新開発の弓を背負い、平安貴族の荘園内を
馬で颯爽と駆け抜ける武士たちの姿が
思い浮かびませんか。

この後、戦国時代にかけて弓はますます進化していきます。

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