松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

弓の素材としての櫨 その6

2007-08-07 21:22:55 | 和弓と櫨
上の図は木と弓を組み合わせた伏竹弓が登場してからの
弓の断面図の変遷です。
ごらんのとおり、いかに竹を木とうまく組み合わせるか
苦心してきた歴史がわかりますね。

とくに三枚打弓を見ると、竹で木を挟む構造になっています。
四方竹弓ではついに竹が木を囲んでいます。

ところが弓胎弓は逆に木が竹を挟んでいるのを見ると
いわゆる逆転の発想だったんじゃないかと思われます。

弓胎は竹の材料のことで、
竹を裂いて作られ通常「竹弓胎」と呼ばれます。
張り合わせる弓胎の枚数によって
三本弓胎とか五本弓胎とか呼ばれました。
(上図の場合は三本弓胎)

その竹を挟む木こそ、何を隠そう「櫨」でした。
櫨は竹との複合材として使うと強靱なバネの働きをするそうで
側木(そばき)として適しているとのことです。
また内部の竹がずれるのを防ぐ「関板(せきいた)」としても櫨が使われます。
…他の木(サクラなど)でも代用できますが
やはり櫨を使うのが一般的だそうです。

さて、ここまで文献やHPなどを見て書いてきましたが
実際のところ、イマドキの弓道具の事情は
どうなっているんだろうと気になってきました。
そこで久留米市内にある弓道具店を訪問して
取材してみることにしました。

(資料参考・都城弓製造業協同組合HPより)

↓押してくださると励みになります。

人気blogランキングへ