松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

聖地・松山櫨 その2

2007-02-26 23:35:18 | 復活奮闘日記
いろいろと回り道をしながら、
ついに本物の松山櫨にたどり着きました。
朝倉市矢野竹集落。
櫨蝋屋さんが断言する、
たった一箇所のみの生息地です。

樹齢100年はたっているような、
大きな櫨の木が、高い崖に沿って
静かに力強く根を下ろしています。
しかし、その幹にはツタに囲まれ、
手入れされていないのが一目瞭然でした。
櫨の実がまだいくつも残っています。
実が2月上旬になった今でもついているというのは、
もうすでに誰も採取していないことを意味しています。
実の付き方を見て、中川社長は、
少なくとも二年以上は採取してないと指摘しました。

「松山櫨の実は本当は白いのに、
採取しないから病気になって茶色になっとる。
きちんと採取すれば、ちゃんと大きな実がつくのに、
今は木に登って実を採るもんがおらんとよ。」
中川社長の深い嘆きが身にしみました。

櫨の実は磨けば輝く「珠」なのだ、と例えた人がいます。
磨かなければ、ただの石になってしまう。

昔、光輝いていた松山櫨は、
今また、ただの石に戻ろうとしていました。

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