合掌

「あら。けが人が多くて試合にならなくなっちゃったのかな？」

その程度に思っていた。

9月26日滋賀県大会。全国大会出場のための2位決定戦を県立虎姫高校が辞退、というのをネットで知ってのことである。
県立虎姫高校といえば今春、関西大会で活躍しタッチダウンの高校特集でも記事が載っていた強豪のはずだ。
それが辞退とは・・・大変なんだろうなぁ。
一年生があまり入らなかったのかなぁ。
けが人がたくさん出たのかなぁ。

その程度。

その程度の感想しか抱かなかった。

それが今日、仕事の合間にiPhoneをいじくっていて偶然その真実を知ってしまった。
そして泣いてしまった。
電車の中で人目もはばからず泣いてしまった。

9月25日。二位決定戦前日。
虎姫高校の顧問であり監督である中川先生という方が急逝なさったそうです。34歳だったそうです。

私がたどりついたのは保護者もしくは関係者の方のブログでした。

「虎姫高校アメフト部監督の中川先生がお亡くなりになりました。本日25日通夜、明日告別式です。」

と書かれていました。
衝撃的でした。

そして出棺の際には『重くて、悲しくて、つらいハドル』をユニフォームを纏った3年生を中心に組んだ、と。

残念ながら私は虎姫高校はおろか滋賀県のフットボール事情というのは全く知らない。
対戦したこともないし見たこともない。
これから先も対戦することなどないかもしれない。

でも今回のこの訃報に思いを馳せると涙を禁じ得なかった。

理由は自分でもよくわからない。

同じ公立高校のフットボールを見ているからかもしれない。
いやいや、公立も私立もない。
高校のフットボールを指導しているという意味で同じ土俵に立っているからかもしれない。

見たことも話したこともない、名前だってそれまで知らなかった中川先生。
私は彼のことは知らないけれども彼の無念を思うと・・・しかも決戦の前日に。
ダメだ。
書いている今も・・・
何か顔も知らない遠方の同志を亡くした、そんな気分。

支離滅裂な文章になってきた。

とにかく・・・この場を借りて合掌。

高校フットボール発展のために色々なさってきたことでしょう。
あなたを目標とする選手がきっと出てくるでしょう。
その選手たちがまた選手を育て・・・そうしてフットボール界は発展していくのでしょう。
私はあなたの遺志を継ぐなんて生意気なことをいうつもりはありません。
私は私の立場で高校フットボールの発展のためにできることをしていきます。

虎姫高校ヨーケルタイガーの選手のみなさん。
頑張ってください。
あきらめないでください。
本当に遠くからですが、応援しています。

あらためて、合掌。