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すぐれた書評

2007-08-18 21:58:24 | 映画&本
ユニークなブログ「考える書評集」http://ueshin.blog60.fc2.com/blog-entry-842.htmlのうえしんさんが、「日本残酷物語5」という本の書評を書いていらっしゃる。
近年まれに見る優れた書評だと思ったので、紹介しておきたい。

学校が青少年を社会的に隔離すること、それによって見えなくなってしまった学びの世界を自覚しながら読書をすることの、なんと冷静で利口なことか!
学校=社会というムリな図式をもとに青少年論を展開するインテリは、こうした情報から学ぶべきだ。
一度も「入院」先(大学院の隠語、らしい)から社会復帰した経験のない学者が、青少年の社会との関わりについて論じるという天につばする行為は、この種の情報のもと、滑稽であることが浮き彫りにされる。

歴史というと、どうしても上流・上層の記録が中心となりがちだ。
そのなかで、こうした情報は傾き是正のためにも重要。

反貧困運動などという危なっかしい社会運動に関わる人たちも、自分たちの先祖が決してみな中産階級以上ではなかったことを確かめるためにも、こういった情報に触れていただければ、と思わずにはいられない。
貧困者がみずから貧困や貧困者を貶めるような社会運動に手を貸すことがあっては、大変残念なことだと考えるものである。




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3 コメント

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Unknown (まっちゃん)
2007-08-18 22:34:29
大変興味深いサイト、書評を教えていただきありがとうございました。
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Unknown (うえしん)
2007-08-19 20:48:32
ワタリさん、お久しぶりです。
うえしんです。

私の拙い書評を紹介してくれてありがとうございます。

この本は読んでよかったです。さいしょは気分が暗くなるので読むのを控えがちだったんですが、だんだん世間を知ることができる役に立つ書だと思ってきました。

女工にタコ部屋、炭坑夫、北洋漁夫と、かれらがどんのような酷な環境におかれていたのか、手にとるようにわかるように書かれています。

戦後はそのような労働のひどい歴史から学んで労働の規制や法律ができあがったはずなのに、またこのような時代に戻ろうとしていますね。派遣やスポット派遣などはまさしくこの時代の逆戻りですね。

社会主義や福祉国家の夢が戦後60年のあいだに潰えると、たちまち壮絶な資本主義に逆戻りです。

われわれは近代の労働の歴史をもう一度学びなおさなければならないのだと思います。学校もマスコミもそのような知識を正面切ってとりあげようとしません。若者は歴史のない赤子のように労働社会に放り出されるようなものですね。

この労働社会は戦前のひどい労働条件の世の中に戻っていってしまうのか。歴史の教訓や知識はなんの役にも立っていないというべきなのでしょうか。

TVで戦前の労働のルポタージュを若者たちのために流すべきだと思うのですが、TVが財界を敵に回すような不利な情報を流すことはまずありえないのでしょうね。TVを大きな情報源にする国民は戦前のわだちをもう一度歩むことになるのでしょうか。

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Unknown (ワタリ)
2007-09-03 23:53:22
まっちゃんさん、うえしんさん、いらっしゃいませ。
まとめレスで失礼します。

>まっちゃんさん
うえしんさんのサイト、面白いでしょ(^^)

>うえしんさん

>派遣やスポット派遣などはまさしくこの時代の逆戻りですね。

そうですね。それだけではなく、ジャスト・イン・タイム方式で労働者が職場にいきなり呼びつけられたり、逆に家に帰されたりする。それが携帯を通じて時間のクッション抜きに、個々人にふりそそぐという点では、戦前よりも過酷になっているとも言えるでしょう。



>学校もマスコミもそのような知識を正面切ってとりあげようとしません。

そうですね。学校でそれをやると、労働基準法を暗記してテストして人を選別するために使われるのですから、やるべきではないでしょう。
せめてTV等マスコミにはやっていただきたいですね。
公共放送を名乗るNHKなどはがんばってやってほしい。
「高校講座・数学Ⅰ」とか「英会話・入門」といった教養番組を放映するのなら、同時に「労働基準法・豆知識」とか「労働者派遣法・入門」とかを放映したらいいんです。

>TVを大きな情報源にする国民は戦前のわだちをもう一>度歩むことになるのでしょうか。

貧乏ヒマなしになるほど、TVに情報を依存してしまいますね。
取材にも時間も金も体力も必要です。
読書も、公共図書館がなかなか新しい本を入れてくれないのでは…。
街の古本屋がふるわなくなり、かわりにブックオフなどの新古書店に本が流れているようです。ただし、ブックオフがいい本なら10年前・15年前のものでもプールしている古本屋の役目を果たせるかどうか…。

鎌田慧さんの「自動車絶望工場」「造船不況」などは、もっと若い世代に読まれてもいいと思います。







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