ポーランドですごいのは、政治家の汚職問題もさることながら、カトリック教会がらみのスキャンダルです。
ポーランドでは、カトリック神父が、時として政治家以上の発言力を持っています。なぜなら敬虔なカトリック教徒であるポーランド人は、政治家の演説は右耳から左耳へスルーしても、毎週日曜日のミサで聞く神父の説教は、ありがたいものとして心に留めるからです。
当の政治家らもそういった事態は百も承知で、むしろ教会勢力への積極的な歩み寄りを見せています。とりわけ去年の上下院選挙・大統領選挙から今年前半にかけての各政党とカトリック教会の蜜月ぶりは異常でした。
特筆すべきは、極右カトリックで知られるトルンのカトリック系ラジオ局「ラジオ・マリア」(写真)とその責任者タデウシュ・リズィク神父の存在。「ラジオ・マリア」は去年の上下院選挙、大統領選挙を通して「法と正義(Prawo i Sprawiedliwość)」党の支持を連日ラジオで呼びかけ、その結果、両選挙とも同党が勝って、カチンスキ双子政権が誕生しました。
そしてタデウシュ・リズィク神父は、カトリック保守派を中心にラジオのリスナーの支持を集め、一時は亡きヨハネ・パウロ二世に次ぐ人気と影響力をもつまでになった人物です。 当然リズィク神父のラジオでの発言が、世論にも影響することから、各政党の閣僚が参勤交代よろしくトルンまで足を運び、リズィク神父にお伺いを立てるという異様な事態となっていました。
そんな中、今年の4月に一大スキャンダルが発覚しました。「ラジオ・マリア」のヤン・クルル神父が、募金キャンペーンで集めた信者からの寄付金を、株式投資に流用し400万ズローチ(約1500万円)の損失を出したという話です。
つづく
YUKIOさん、はじめまして。
私は逆に、テレビニュースをみてポーランド語を覚えました。最初はわからなくても、毎日見ていると、少しずつ内容がわかるようになってきます。でもわかればわかるほど、「トホホ....」ってなりますが。