ポーランドからの報告

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エロス像、結局中央広場に置くことで決定

2007年01月29日 | 文化

置き場所を巡ってずっと議論が続いていたクラクフ・中央広場のエロス像ですが、結局どうやら中央広場の今の場所にそのままずっとおかれることになりそうです。
(これまでのいきさつについては前回の記事をご覧ください。)

もちろん今でも反対意見は根強くあるのですが、最終的な決定権が市長にゆだねられ、11月の統一地方選挙でその市長を選んだのがクラクフ市民で、その市長がOKと言っているのだからしかたがありません。それにしても当初の4ヶ月限定が一年になり、結局ずっとそのままになってしまうのは、なんともポーランド的... 最初からミトライ氏の作戦勝ちだったような気もします。

 

ただ私個人的にはやはり非常に残念に思います。このエロス像のような奇抜な彫刻は、巨大なパンテオンやコロッセウムを持つローマやアテネのような街に似合う現代アート。ルネッサンスやバロック建築のきめ細かい彫刻が美しいクラクフの街には、およそ不似合いです。そもそもスケールが釣り合っていません。

スケールということで言えば、パリの象徴であるエッフェル塔も、できた当初は景観を壊すと避難轟々だったようですが、時間が経つにつれ街に馴染んでくるようになったといわれています。クラクフのエロス像も、時間がたてば見慣れてくるのでしょうか。。ただパリのような大きな街と違って、クラクフはとても小さな町。見所は旧市街がほとんどですし、その中でも中央広場はクラクフの顔ともいえる存在の場所です。だから何もクラクフに置くにしても、旧市街のど真ん中の中央広場である必要はまったくないはずです。その点も反対派の人々から厳しく指摘されていた点で、例えばポズナニで展示会を行ったときも、旧市街の真ん中ではなくすこし外れた場所に設置されたことを挙げ、もっとふさわしい場所があるはずだ、と今回の決定を非難しています。(ちなみにエッフェル塔のある場所は、街の中心からはかなり離れています。)

贈り物は本来もらってうれしいものですが、受け取り方法を強制されるのも... 困ったことです。


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