旅のウンチク

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スーパーカブで旅するタイ北部報告-第5日:3月19日

2014年03月29日 | 旅の風景

 チェンコンはとても夜が早い町でうかうかしていると店が閉まってしまい夕食をとるのが困難になります。その代わり、深酒しがちなこのツアーではあまり深酒できない日として健康回復効果のある街でもあります。

  昨年11月のツアーでは多くの方が早起きして明け方のメコン河畔の散策を楽しんでおられました。その際の写真を見せていただいた事から、私も今年は早起きしてメコン河畔散策としゃれ込みました。

  散歩から帰って昨日の日記をつけたり出納帳を整理したりしているうちに他の方々も起き始めます。おまけにゲストハウスのオーナーも起きだしてきて”朝食食べていけ”とのお誘い。メニューを見せてもらうとパンケーキなど、欧米の旅行者が喜びそうなメニューが豊富。でもいかんせん高い。朝食は皆揃ったら外へ出かけることにしてコーヒーだけ注文したのでした。

  オーナーの娘の一人がコーヒー係。豆を挽く音と共に良い香りが流れてきます。なんだか気持ちの良い朝です。手元に来たコーヒーを口に含むと....凄まじく苦い味が口の中へひろがっって行きました。タイの人たちの一般的なコーヒーは大量の練乳を投入して飲む習慣なので、ブラックで飲むようにはなっていないのかもしれません。

  朝食を済ませてルートの説明を済ませたあと、少し時間があったので昨日”ブレーキが甘い”という訴えのあったバイクの調整を行います。フロントブレーキケーブルの調整は一杯まで閉めこまれているのでセレーションをずらす必要があるのですが、このツアーでは工具はレザーマンツール1本です。プライヤーを使ってナットを緩め、セレーションを1ノッチだけずらして組み直し。充分ブレーキには力をかけられるようになりました。

  今日のルートはメコン河沿いに走ってまずチェンセンへ向かいます。チェンセン手前で道路工事のためルートがダートに変わってしまいました。埃を避けるため散水車が盛んに水を撒いているのですが私が乗っているバイクだけレッグシールドが無いのでフロントタイヤの泥はねをまともに足に拾ってしまいます。折角昨日洗った長ズボン。しかもこれ1本しか持っていないので汚せません。慎重に水たまりを避け、対向車や周囲の交通の泥はねも浴びないように細心の注意を払いながら進みます。そんな事をしていたらチェンセンで昼になってしまいました。
 
  チェンセンで給油の後、バザールで買い食いの昼食にする事にします。いろいろな物を網で焼いている屋台があって、ここでカオニャオ(もち米)と串焼肉を買って腹ごしらえ。次はゴールデントライアングルへ向かいます。

  ゴールデントライアングルでは船に乗ってラオス領内のドンサオ島という中洲へ渡ることが出来ます。どうという事も無いお土産物屋だけの中州。ただ、物価の安さと店員のやる気なさがタイとの違いでそれを見るのも面白かったのですが物価は確実に上昇。もはやドンサオ島の品々の値段はタイ側より高いかもしれません。トイレも以前は無料だったものが5バーツと、タイより高い設定となりました。

  ゴールデントライアングルからメーサイへ行くルートは今回初めて使う道を走ってみました。ハイウェイを一気にメーサイへ走るルートは最終的に給油できず、翌朝給油のために町はずれへ出る必要があったのですが、今回のルートはメーサイ手前で給油ができて今後はこのルートが有望。

  メーサイの宿も無事確保。一休みした後町へ。国境を見て、両替が必要な人のために両替所へ行ってみると、17:30まで。そして、ちょうど17:30でダメ出しされてしまいました。数件回って見たのですがどこも同じ。国境にあるATMに戻ってきたところで合った警察官にお客様の一人が尋ねてみると、携帯電話でどこかに電話した後”ついてこい”と直ぐ近くの宝飾店へ連れて行ってくれました。宝飾店の女主人がレートを確認して両替してくれました。連れてきてくれた警官は横にいた”若女将”的な人にスマートフォンの画面を見せられて何やら盛り上がっているのですが、ふと覗いてみたらピストルの写真。”今度、これ買ったのよ””いいねぇ”的な会話と空気を読んだのですが、射撃クラブの仲間か何かだったのでしょうか。

  メーサイ以降の夕食地点はここの所大体決定しています。というのもとても美味しい屋台を見つけたからです。美味しいだけにテイクアウト客も多くてなかなか料理が出てこないのが難点ですが、今日はそれほど混んでもおらず、スムーズに夕食をとって宿の近くでもう少しビールを飲みながらミャンマー国境の夜は更けていったのでありました。



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