旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

スーパーカブで旅するタイ北部報告-第6日:3月20日

2014年03月29日 | 旅の風景
 メーサイのゲストハウスは直射日光を避けるために竹で遮光されています。結果、昼でも部屋は薄暗く、どうしても毎回寝坊する事になります。今回も少し寝坊。

 メーサイは朝のあまり早くない町なので、少々寝坊したとしてもまだ朝食を食べられる店があまり空いていません。準備を始めている店を覗いてみても"Close"と言われるばかり。ぶらぶら歩きながら食事が出来そうなところを探します。

 メインストリート沿いの屋台街がどうやら営業開始した様子で、入ってみると威勢の良い呼び込みの声がかかります。ここで食べることにしようとしたのですが、声をかけた側はこの時点でこちらが外国人らしいと気づいた様子で、声をかけたものの、どうしたものかと少し躊躇している印象。どんな料理があるのか見て回った結論、麺類にする事にした私が”センヤイ”と注文した途端に先ほどの躊躇した感じは一気に吹き飛び、大笑いしながら”センヤイ””センヤイ”と口々に言っています。多分、発音が変だったのでしょう。それでもセンヤイ、ちゃんと出てきました。

 ”コーヒーもどう?”と尋ねられて、コーヒーも飲むことにします。出されたコーヒーに口をつけてみると、昨日のチェンコンのコーヒーとどこか共通するものが。これがタイの新しいコーヒーなのでしょう。

 今日のルートはミャンマー国境沿いに走る伝統のルート。最初にこのルートを走った際に参加した方から”ローギア祭り”と名付けられた、その名の通り、1速を使って走る事も多いほどのアップダウンのあるルートでバイクツアーではないはずのこのツアーがこの日だけはバイクツアーっぽくなります。

 途中、数回検問所を通過するのですが、検問所の緊張感は年々無くなってきていて、ミャンマーの変化の結果なのかと感じさせられます。今では検問所に若い兵士が一人で勤務している事が殆どで、今回は停車も求められませんでした。

 メファランを過ぎて道が狭くなった辺りから道路上に動物の糞が落ちていて、時々動物のにおいがする事がありました。レッグシールドが無い私のバイクでは糞を踏むのは致命傷となり得ます。慎重に先へ進みます。

 そろそろ山を抜けようという頃に正体を現したのは水牛。親子で道端に横になって寛いでいました。

 道路状態も良く、記録的な速さで山を抜けきる事に成功したおかげで、今回の昼食はメーサロンに入ってからとなりました。メーサロンのバザールで昼食を摂り、お茶の試飲。先にお茶を飲んでいた若いタイ人の女性...というより子供?と少し話しながら我々も試飲に加わります。今年はウーロン茶を買ってみました。

 メーアイの手前で後続車にガソリンの残量を尋ねてみると”そろそろ入れた方がよさそう”との事なので休憩がてら給油に寄る事にしました。ガソリンを入れてふと見るとコーヒーショップが隣接しています。”コーヒーでも飲みましょう”とコーヒーショップへ各々向かう途中、子供たちが民族衣装に身を包んで自転車を乗り回しているのに出会いました。”写真を撮らせて”と声をかけると蜘蛛の子を散らすように逃げて行ってしまいました。

 ところが、コーヒーショップでケーキとコーヒーを注文していると、その子たちが大騒ぎしながら近づいてきます。カメラを構えると逃げ出します。でもコーヒーに手を伸ばすと近づいてくるのです。コーヒーショップの主人が子供たちに話をして、私に”撮っても大丈夫だよ”と声をかけると、大騒ぎで逃げて行ってしまうのです。
 
 カメラをポラロイドに持ち替えて、少し遠目から撮った写真をプリントして差し出すと、ようやく写真を撮らせてくれました。人数分をプリントして渡します。

 本日の目的地、ファーンは宿泊のバックアップが無いところ。数年前のツアーでほぼ全ての宿泊施設を巡って部屋を見て、料金もチェックしたのですが、いつも泊まるUKホテルに勝る条件のところはありませんでした。空いているかどうかが不安なのですが、今回も無事部屋は確保できました。ただし、なぜかAKホテルに名前が変わっていたのでありました。

 ここでも夕食はもうお決まりのレストランで、メーサイの屋台と同じく外せない美味しさ。しこたまビールを飲みながらスッキーヘン、パッキーマウペッなど、この店で教えてもらった料理の名前を並べ立てて注文です。

 いい加減酔っぱらって宿へ帰ってきてみると、中庭では地元の人とホテルのボーイがコオロギをつまみにビールを飲んでいます。流れで合流。ドライバーのチャムロン氏、その妹、ホテルのボーイのチャーン氏と、ほぼ言葉の通じない中、空気を読みながら謎の会話を続けているうちにファーンの夜は更けて行ったのでありました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿