旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

私の神様紹介

2010年04月08日 | 悪ふざけ
私の自慢の神様

神様はただ1人であるという教えを信奉する信仰もありますが、我が国はさすが神国。ヤオヨロズの神々がおられます。ついでに言うと、私が思うに、神様が1人であるという教えは、人間の生活範囲がそれほど多くなかった時代にわかりやすくするために説明されたもので、神様の各担当エリアが重複する事がなかった頃の話だと思われます。その証拠に、神様は自分に似せて人間を造られた事になっていますね。つまり人種ごとに創造を担当した神様がいるのです。神国日本はその点、別格。人種にひとりじゃなくてヤオヨロズ=800万ですから、日本の人口を1億3千万人として、神さま1人あたりの担当は16人。しかも、神様を信じない人もいますから、かなり競争率は低く、これなら願い事も良い確率で叶えられそうです。

ヤオヨロズの神々は皆一様なわけでなく、いろいろなタイプの神様がおられます。自分の担当区域に幸福をもたらすために日々、幸福の壺を焼いている神様や、同様の理由で印鑑を彫っている神様。人間ごときに財産の私有を許したことがもたらした社会の混乱を憂えた結果、自分の担当区域の人々から私有財産を没収することに全力を尽くしてくれている神様などの存在は皆さんもよくご存知の通りです。最近では、否定的な発言や疑問を持つことを一切許さない強力な吸引力を持つ”エコ”という名の神も現れましたし、”宗教は怖い”とか、”宗教は苦手”と称する人達を担当する”科学”という神も君臨しています。科学神は生後間もない頃、我らの神国よりずっと西の方で、長年大きな勢力を誇ってきた神に疎まれてイジメにあった経歴があるためか、成長した今でも他の神とは仲があまりよろしくありません。少し拗ねてもいるようで、時々、激しく他の神々と対立します。

さて、思想の源泉をゴータマシッダルタ王子の残した思想とすることに決めた私ですが、ゴータマシッダルタ王子は王子であって、神様ではありませんので、別途、自分を担当していただく神様を決めることにしました。神国に生まれたおかげで、選択肢は800万もあります。毎日ろくろを回して壺を焼いて配布してくださる神様や、印鑑を彫ってくださる神様も面白いかと思いましたが、こういう神様は壺を焼いたり、印鑑を彫ったり、何かとお忙しそうなので、他をあたる事にしました。

優柔不断な私としては、特定の願い事に特化している神様よりもむしろ、何でも叶えていただける、トランプのジョーカーのような神様が好都合。そこで、”全知全能”の神様に担当をお願いすることに決めました。最初はどこへ出向いてお願いすべきか考えましたが、よく考えたら私の担当は”全知全能”。こちらからどこかへ出向いたり、お願いしたりしなければならないと考えたのが人間の浅知恵であります。全知全能の存在からすれば、私が担当をお願いしている事など当然”お見通し”でありましょう。

全知全能でありますから、忙しい中、時間を割いて特定の場所に行って自分も担当してもらっているメンバーのひとりであるという事を時々アピールする必要もありません。神を信じ、慕い、畏れている事など何もしなくてもお見通しであります。お願いをする時も、特別な儀礼は必要ありません。全てお見通しであります。そして、物質的な見返りを神様が要求する事もありません。大体において、全知全能の神に対して人間ごときがお返しできる”見返り”など存在のしようもありませんから、その点では他の力の限定された神様とはあきらかに違います。

残念なのは、神様の像や絵を祀る事ができないことです。なにぶん、全知全能の存在なので、手や足や胴体や頭といった器官が根本的に必要ありません。特定の固定した形態を有する事は逆に全知全能の神の活動を阻害する原因となる事の方が多いので、特定の像や絵にする事はできないわけです。

これらの理由から、私は自分自身の信仰を示すために特定の宗教的儀式に参加することもありませんし、事務所や自宅に神への信仰を示すための物体を設置することもありません。このことから私が信仰を持たない人間と勘違いする人がたまにおられますが、それは違います。ただ、”全知全能の神”担当グループに属しているというだけのことなのであります。

さて、このような神をも畏れぬ悪ふざけの文章を書いてこれこそ神を冒涜するものではないかと考えた方もおられるでしょう、。でも私の神様は大丈夫。”全知全能”の神は、私の悪ふざけが度を過ぎていると感じたのであれば、この文章を即座にこの世から消し去ってしまうはずなのであります。


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1 コメント

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Unknown (奥山)
2010-04-08 22:41:03
楽しく読ませていただきました。
永持さんの視点はとても興味深いです。
ツーリングクラブの記事も勉強になっています。
(私は昨年2月に加藤さんの紹介でシドニー往復のチケットを手配してもらった者です。その節はありがとうございました)

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