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旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

人騒がせでも良いのでは

2008年02月07日 | 旅行一般
1月の下旬頃からでしょうか。何件かの山岳遭難事故がありました。こういった
類の事故があった場合、どういうわけか昔から世の中の反応というのはずいぶん
冷ややかで、命からがら救助された人に向かって"人騒がせな”とかそういった批
判を浴びせかけるのが恒例の出来事となっています。

こういう批判を目にするにつけ、どうも気分が滅入ってしまいます。

マスコミの報道で事故を知った人は救助されるまでの間、それなりにその人の安
否を心配している人もいるでしょう。そうであれば無事救助されたのを見た
ら、”良かったね。心配してたんだよ。ホットしたよ”と反応するのが正常な気が
します。あるいは他人事だと思って、報道自体をあまり気にしていない人もいる
でしょう。実際にはそういう人がほとんどかもしれませんが、その人たちにとっ
ては”人騒がせ”でも何でもありませんよね。

確かに大勢の救助隊が出動したり、その他にも大勢の人々が救助のために活動を
するわけですが、”人騒がせな”と批判する人のほとんどは、別に救助活動に参加
したわけでもなく、ただ、テレビのニュースなどを見て勝手に騒いでいただけの
人々じゃないのでしょうか。そうであったら、”騒がせ”られたのも”自己責任”
じゃないでしょうか。いずれにしても、救助隊員の方が”人騒がせな話ですね”な
どとコメントするのは聞いたことがありません。

”自己責任”などという言葉が大流行した事もありますが、危険が伴う遊びをした
りする人は危険な目にあっても誰も助けなくて良いとか、危険とわかっていて何
かをしたら、その人は生命の危険に晒されても皆で見殺しにしましょうなんてい
う社会は面白くないと思います。

ニュージーランドという国には”事故保証制度”というシステムがあります。
ニュージーランド国内で事故にあって怪我をした人に対して無料の治療をはじめ
とする様々な補償を受けることができる他の国には無い制度です。ちなみに外国
人旅行者もこの制度の適用を受けることができます。
ニュージーランド事故補償制度
こういう制度があるから、ニュージーランドではバンジージャンプなどのちょっ
とアブナイ遊びが発生してきたのかもしれませんね。バンジージャンプしたいわ
けではありませんが、皆で危ない事をやった人を”人騒がせな奴”と罵って、引き
篭る社会よりも、バンジージャンプを楽しんでしまうような社会の方が健康的で
楽しい社会だと思います。


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