旅のウンチク

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バイクで旅するメリットとデメリット

2013年06月12日 | 海外ツーリング
 旅するための乗り物としてバイクを考えた場合、例えば4輪と比較した場合は、定期的に交換を要する部品も多いですし、荷物の積載性もとても低く、頑張って荷物を沢山積むと、今度は操縦性に大きく影響してきます。燃料タンクの容量から、どうしても航続距離が短めですし、シートを倒して宿代わりに仮眠というわけにもいきません。移動中も天候の影響を大きく受けます。毎日出発の際は荷物を慎重に防水し、パッキングして積み込み、乗降する度にヘルメットやグローブを着脱するバイクに対してダッフルバッグに適当に放り込んだ荷物をトランクや後部座席に放り込んでおけば良い4輪の方がずっと気楽で自由な乗り物と感じます。バイクで旅する事はどうしてもバイクであることによって制約を受ける部分が多くなってしまいます。

 本当に無期限に旅する足として理想の乗り物を考えた場合、かなり近いのはある程度の大きさのモーターホームかなと思いますが、それでもタイヤを含めた定期交換部品の問題やガソリン補給の問題が発生するので、もっと昔に遡って”大草原の小さな家”(知ってますか?)に出てくるみたいな幌馬車が交換部品も少なそうですし、ガソリンの心配もなさそう(その代わり馬のお食事の心配はあります)が優秀なのかもしれませんね。

 *幌馬車で旅した場合、モーテルなどで馬を預かってくれなさそうですね。

 バイクで旅するという事は、もっと便利な乗り物がある事も理解した上で敢えて不便な選択をする事になると言えます。それと引き換えに得られるものは、バイクに乗る人だけが知っている魅力。独特の解放感、運転している時の心地よい緊張感、知らない道にも気安く入っていける軽快さなど。だから、バイクの旅は他の乗り物では訪れることが難しいような場所へ旅人を運んでくれるのです。

 だから、バイクの旅の魅力を満喫するためにはバイクの旅なりの工夫も必要になってきます。

 荷物の積みすぎは、バイクの軽快さを阻害する事になりますから、少し不便を覚悟して、できるだけ荷物は軽量コンパクトにまとめる必要があります。大量の荷物を積んでフラフラしか走れなくなってしまうとUターンするのも難しくなり、そのことがバイクの”気安さ”を台無しにしてしまいます。操縦性にも影響して、心地よい緊張感どころではなくなってしまいます。

 ルートを詳細まで検討、決定して旅することは果たしてバイクの軽快さを生かした旅と言えるのか否か。現地に行ってから”バイクだったら○○にも行ってみると良いよ”といった情報に機敏に反応できるのもバイクの良さですから、常に現地での情報にもアンテナを張っている事、そのために多くのコミュニケーションをとる事がバイクのメリットを発揮させる上では必要となります。

 こういった視点を持ってルート立案やバイクの車種の選択を行うようにすれば、ある程度自分のスタイルが見えてくるでしょうし、良いバランス点が見えてくるのではないかと思います。

 海外を旅する場合、レンタルバイクは確実にレンタカーよりも高額になります。わざわざ高い費用を払ってバイクで旅する事を選ぶのであれば、バイクのメリットとデメリットを両方よく考えて、メリットを最大限生かす方向を考えるべきだと思うのです。


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