旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

旅の装備紹介=ファーストエイドキット

2017年07月19日 | 旅のノウハウ
 ファーストエイドキット

 海外の旅だけでなく、普段もアウトドアで遊んだりバイクに乗ったりしていると怪我をする事もありますし、怪我をした人と出会う事もあります。E&Gが移転する前、バイクで通勤していた頃は目の前で交通事故を目撃することも数度あって、普段の通勤にもCPR用のマウスピースや痛み止めの錠剤を持ち歩いていたものです。

 皆さんの旅に同行する際にはもちろんファーストエイドキットを持ち歩いていますし、一緒に旅した人の中には知っている人もおられるようですがスーパーカブで旅するタイ北部などで使っているカリマーの20リットルのバックパックのうち1/4程度の容量をファーストエイドキットが占めています。上の写真のタトンカのポーチが海外添乗用のファーストエイドキットで、これは過去の様々な企画で必要となった物に絞って必要充分な装備が入っています。

 キンチョーの虫除けスプレーはスーパーカブで旅するタイ北部タイ&ラオス路線バスの旅、はたまたカレン族の村とエレファントキャンプ滞在の旅など、東南アジアの旅向けに導入しましたが、日本の夏山でも重宝します。最近活動を開始したE&Gやまあるき部でも活用しています。

 キンチョーの虫除けスプレーを挟んで右側にあるジップロックに入ったファーストエイドキットが私のプライベート用のファーストエイドキットで、おそらく多くの人にとってはこちらが参考になるかと思います。想定しているのは日帰りから1泊の低山山歩き。自分が怪我をした場合と怪我をした人を見かけた場合の両方を想定していますが低山の日帰りベースなので風邪薬や止瀉薬は持っていません。病気の場合は出かけないと思うので基本怪我の場合に備えたものです。


 中身を見ていきましょう。左上から
*ニトリル グローブ
*三角巾
*解熱鎮痛剤
*ガーゼ
*絆創膏
*ハサミ(ライディングウェアやジーンズでも切れる物)
*CPRマウスピース
*伸縮包帯
*テーピングテープ(ホワイトテープ)
*外傷消毒薬
*サバイバルブランケット

 ファーストエイドキットを購入しているわけではなくて、個別にドラッグストアで集めたものです。

 実はこの他に消毒ウエットティッシュを持っていますが、それは食器類の方に入れています。

 ニトリルのグローブは汚い手で傷口を触らないためと、不用意に他の人の血液を触らないためのもの。CPRマウスピースも同様です。道具だけでなく、CPRの講習会には時々参加するようにしています。もう20回以上は講習を受けているので講習でも”上手いですね”と褒められるくらいにはなっています。とはいえ、幸いにして今までその技術が役に立った事はありません。

 CPRまではいかなかったのですが、過去にカナダのオフロードバイクツアーで一度だけ意識不明者の気道確保をしたことがあります。お客様ではなくてガイドのデイブ。高速でハイサイドのようになって飛ばされたらしく、前頭部から地面に突っ込んで呼吸ができない体制で倒れて意識を失っていたのです。

 ファーストエイドは治療するわけではないので病院にたどり着くまで、あるいは救急車が到着するまでの間にそれ以上悪化させなためと、痛みや苦しみを緩和するためのもの。だから大抵の場合は痛み止めを飲んで、止血するとか、固定するといった作業になります。

 海外旅行の場合は、数日間の旅の間に袋が破れたりしないように、それから、もともとはウエストバッグに付けてオフロードバイクで走る前提での装備だったので食材の保存容器を救急箱代わりにしてベルトに通せるポーチに入れています。


 
 大きな怪我については国内の日帰りと同様、病院へたどり着くまでの対処のための装備なのであまり変わりませんが、ちょっとした切り傷位で病院へ行って旅程に影響を与えないように絆創膏類はサイズも数種類、少し多めに持っています。ガーゼ、三角巾、伸縮包帯も同様です。それから、虫刺されの薬、風邪薬、目薬(使い切りタイプのもの)、止瀉薬が追加になります。あまり蚊が多い時は現地で蚊取り線香を購入することもあります。

 目薬はバイクで移動する場合にはよく必要となります。ゴーグルをしていても細かいダストが目に入ったりすることがありますし、地平線まで見渡す限り平らなところでは空の広さ故か雪盲のように目を痛める方もおられます。

 オフロードバイクツアーの添乗の際にはこのポーチの他に、ポーチの中身をもう少し多く在庫しておくための袋を持っていて、それを宿泊地に置いておくバッグに入れていました。ポーチのファーストエイドキットを使った日は、宿についたら使った分だけ補充していたわけです。在庫袋の中には在庫とは別に湿布薬と痛み止めの塗り薬を入れていて、宿泊先の私の部屋では”みなさん自由にお使いください”という扱いになっていたのですが、転倒の打撲だけでなく、筋肉痛にも効果があって、意外と人気の装備となっていました。

 旅行中に体調を崩した場合、せっかくの旅行の旅程を変更してまで病院へ行くかどうか悩むところで、なかなか決断がつかないところ。怪我のように原因がはっきりしているなら判断もつきやすいわけですが、病気の場合は日本には無い病気が渡航先には存在することもありますので体調次第ではファーストエイドキットに頼るのではなくて念の為に病院へ行くのが良いと思います。そのためにも海外旅行傷害保険に加入していくのが安心です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿