旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

パクチー文化とパクチーブーム

2017年07月13日 | 旅の風景
 スーパーカブで旅するタイ北部をはじめとするチェンマイに滞在する機会がある企画で最近定宿となっているゲストハウス、N.Houseでは、ここ数年、我々が訪れると”タイスキ”を振る舞ってくれるようになりました。この日だけはこの宿に泊まっている他のツーリストもラッキーデイ。皆無料で夕食を振る舞われます。

 タイの人達にとってはタイスキは日本のすき焼きと似た料理だと思っているようなのですが、実はどちらかと言うとシャブシャブか水炊きに近い料理です。とはいえ、具材はかなり独特で確実に”タイ料理”として進化を遂げています。

 ある時、のタイスキパーティでゲストハウスオーナーのケイさんが私に”何が入っているのかわかる?”と尋ねてきました。まあ、それほど特殊な食材ではないので分かる範囲で答えながら、一応タイの食材の代表として”パクチーは入れないの?”と尋ねたところ、かなり呆れたような顔で”パクチーはスッキーには絶対入れない。セロリは入れるけど”ときっぱり。更に”何にでもパクチーを入れるわけじゃない”と、パクチーに関する講義が始まりそうになった所で他の宿泊客が外出から帰ってきてこの話題はそのまま立ち消えていきました。

 私はタイに渡航した頃はパクチーが苦手でした。最初に覚えたタイ語は”マイサイパクチー(パクチーを入れないで)”という言葉だったほど。但し食べることが大好きな私はその後パクチーと和解して、今では軒先ハーブガーデンに欠かせない存在となっています。
 
 鶏がらスープに少しガーリックパウダーとナムプラーを加えて冷凍ウドンのスープにすればなんとなくタイの屋台のウドンっぽい味。これにパクチーともやしをトッピングして唐辛子パウダーとグラニュー糖をふりかければほぼ”タイ風ウドン”の完成です。更にスペアミントを軒先ハーブガーデンで取ってきて加えると今度は”ラオス風”に早変わり。

 さてパクチー。

 今年の3月終わりごろでしょうか。ランチの過ぎた頃の半蔵門を歩いていたらお弁当の移動販売車が停まっていました。私は食事は済ませていたのですが、ふと見ると”パクチー追加無料!”と書いてありました。お弁当の内容をよく見ていなかったのですがエスニックな料理だったのでしょうか。

 ”そういえばパクチーが流行っているんだったかな”
 と思い出した次第。

 あれから4ヶ月ほどが経過しましたが、今でもパクチーブームは続いているのでしょうか。何にでもパクチーを山盛りにして喜んでいるようなブームを見たらチェンマイのケイさんをはじめとするタイの人達はどんな風に感じて何と言うのかなと少しおもしろい気分です。


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