旅のウンチク

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アウトドアに学ぶ重ね着

2017年11月27日 | 旅のノウハウ
 旅先へ運ぶ荷物の多くはどうしても着替えのたぐいが多くなります。出発する際の日本の気候と訪問先国の気候が違う場合、着衣の悩みは更に大きくなります。この辺は過去に”旅の装備紹介=ポケッタブルパーカー”でも触れたところ。日本の冬場に出発して現地が常夏の場合、日本側の移動の寒さをいかに簡単に収めるかというのが荷物を少なく済ませるポイントになります。

 アウトドアで言う”レイヤー(重ね着)”はこの点ではとても使える考え方です。ただ、"E&Gやまあるき部"の活動などで見回してみると、重ね着の考え方そのものも様々で、少し整理する必要があるかと思います。

 私が考える重ね着は、単にいっぱい着れば良いというのではなくて異なった機能を持つ着衣を機能的に重ねる事で狙った効果を得るという事だと思います。だから着用している枚数で語る話ではありません。

 例えばアメリカやオセアニアのアウトドアでは”3レイヤー”という考え方があります。

 ベースは吸湿性の高いTシャツ。セカンドレイヤーはダウンジャケットなどの保温性の高いもの。トップレイヤーはレインウェアに類する、外界との壁を作るシェルという考え方です。一番寒い時に3枚重ねにする事を考えて、それぞれの着衣に異なった機能をもたせるわけです。寒ければ寒いほどいっぱい着込むというのとはちょっと違います。

 私が本格的に登山をやっていた頃はまだ80年代だったので4レイヤーが基本でした。Tシャツの上にポリエステルとウール混紡のシャツを1枚。その上はウールのセーター。そしてレインウェア。これで雪山でも対応できるわけですから、低山で何枚も重ね着しているとしたら、重ね着の根本がどこかズレているかもしれません。

 基本的な考え方としては....

 肌に直接切るものは汗冷えを防ぐ意味で速乾性の高いもの。ポリエステルの安いTシャツとか、メリノウールの効果なシャツなど、それぞれ好みがありますが、私はもちろんポリエステルの安いシャツ。
 
 次に考えるのは保温性の高いもの。寒い時期とそれほどでもない時期で装備が変わるのはこの部分かと思います。
 
 もう1枚は外界と自分を遮断してくれる着衣。レインウェア的な物が一番簡単です。

 あとはこの3点の組み合わせ。それを”重ね着”というわけです。山歩きは運動が激しいので低山であればTシャツ1枚で行動することの方が多いと思います。私も山を歩いている時にジャケットを着ることはまずありません。

 山へのアクセスではレインウェアをウィンドブレーカー的に着たり、休憩の際には体温を下げないためにダウンジャケットを着るといった形で運用していきます。Tシャツを2枚重ねて着るとか、半袖のTシャツの上に長袖を着るというわけではありません。
 
 普段の生活であれば、例えば、今現在の私はTシャツの上にフランネルシャツ、その上にセーターという風に少しずつ暖かいものを重ねているのですが、アウトドアではもっと極端に機能の違うものを着るのが機能重視な重ね着。半袖Tシャツの上にフード付きのダウンジャケットを着るという具合に極端に機能を換える事が荷物を減らすことにつながるのです。

 旅での荷物も基本的には同じです。山歩きほど1日に遭遇する気温に違いがあることは少ないですから、”万が一に備えるもの”はある程度極端に暖かいものにして、あとは現地での常識的な気候に合わせておけば良いと思います。

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 旅先での楽しい体験や失敗談、有益な情報など、旅行好き同士で語り合おうではありませんか。

□日時:2017年12月8日(金) 19時~22時
□場所:四谷三丁目 サロンガイヤール
□参加費:3,500円/食べ物、飲み物代込み(飲み放題ではありません)
□内容
*旅の写真上映会
*ヘンなものや良いものが当たるかもしれないじゃんけん大会
*懇親会
□お申込み、お問合せは下記からどうぞ
http://www.bekkoame.ne.jp/i/eandg/event/yube.html 


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