旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

今更ながらのコオロギ食

2023年09月11日 | 時事
 炎上商法なのかなぁと思えるほどなぜか多くの人達がそれぞれの意見を述べたコオロギ食。その時に記事を書くと世間の波に乗っているような気持ち悪さがあったので少し落ち着くのを待っていました。

 世の中で交わされているコオロギを食べるか食べないかの議論とは少し方向性が違いますのでそのつもりで。

 さて、私はコオロギ、食べます。というより、E&Gのタイのツアーに参加した方は多分全員食べたかなと思います。こういう食材を”ゲテモノ”と言う残念な人は自分の身近にもいますが、それは狭い文化圏の中での話であって、違う文化圏に行けばタコやナマコはゲテモノに分類する人達の方が多数派を占めるでしょう。

 とはいえ違う文化圏の見慣れない食べ物は最初は興味本位でおっかなびっくり食べるわけですが、私個人としてはいろいろな昆虫の中で蝉、蝉の幼虫、コオロギは”普段食べてもいいかも。”と思える食材でしたし、初めて食べた後、”次の夏、自分の家の周辺のコオロギと蝉は絶滅するかもしれないな”とも思いました。

 一方で不思議に思えたのは、これほど普通に”おいしい”食材がなぜ一般的ではないのかという事でした。乱暴な分類をすると、例えばタイでも昆虫を食べるのはどちらかというと農業の環境が厳しい東北タイ。日本でもイナゴや蜂の子は農業の環境が厳しい山間部。そうすると農産物が豊富に採れるようになると廃れていった食文化に思えます。

 美味しいのに不思議に思えました。
 
 さて、夏になって”それじゃあコオロギ捕ってくるか”と思ったときに理由に気が付きました。単純な話、コオロギって何匹集めれば空腹を満たせるか、そしてそれにかかる労力...やっぱり効率が悪いのです。蝉も同じ。子供の頃、近所の神社でバケツ一杯蝉の幼虫を採った事がありますが、それは1日中かけての事。今はそこまで蝉も多くないので労力に見合うイメージが湧かず、結局夏の食事を蝉とコオロギで済ませる事はしませんでした。このあたりの蝉やコオロギも絶滅する事を免れたわけです。

 先日、お客様...つまり”コオロギを食べた仲間”と世の中のコオロギ食の話題になって、”粉末にする必要あるのか?””コオロギって別にグロくないよね””というか、そこまでして食べる意味は?””コンビニのホットスナックでコオロギの素揚げ売ってたら普通に買うけど”などなどコオロギを食べる側からの日本のコオロギ食への疑問が飛び出していました。

 そして、価格チェック。1000円/100g位というのを見て、”やっぱり効率悪い事の証明ではないかなという結論に至ったのでありました。

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