ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

UAEに第3の電気通信事業者?

2007年09月10日 00時10分42秒 | ICT
GITEX2日目の日曜は、平日であるのとGITEX開催とで、ワールド・トレード・センターの周辺は1日道路が混雑した。事故でもあったのだろうか、深夜0時を回った今、アパートの窓から見るシェイク・ザイード・ロードは大渋滞している。

土曜に聴いたパネル・ディスカッションの模様を簡単にまとめておく。パネラーは写真の左から、duのCEOオスマン・サルタン氏、エティサラットのCOOアーマフ・アブダルカリム・ジャルファー氏、そして電気通信庁(TRA)の長官(Director General)ムハンマド・アル・ガニム氏。UAEの電気通信分野のトップが、公衆の面前で議論するのを聴けるのは極めて珍しい。

定刻の3時半少し前に3人が揃って壇上に現れた。インシャラーの国で珍しいことだと思っていると、司会者(おそらくは英国人女性)が交通渋滞とかでなかなか到着しない。しびれを切らしたアル・ガニム氏が自ら司会を買って出て、3人が自己紹介をし終わったところに、司会者がようやく到着した。

議論の内容は、網羅的で、このブログでも紹介した、サイト・ブロック(100社以上の企業がエティサラットからインターネットの提供を受けながら、サイト・ブロックの原因であるプロクシーの適用を免れているというのが初耳だった)やインターネット電話の禁止から、携帯電話の料金値下げ、それにduの固定網のサービス提供地域にエティサラットが入れないでいること、ガルフ・ニュースにリークされたエティサラットが政府に納めているロイヤルティの削減に関する議論の状況など。いずれも提案受付中だったり、検討中という回答が多かったが、携帯電話のナンバー・ポータビリティについては来年にも実現する予定というのが、初耳だった。今年2月に携帯電話で競争が始まったばかりなのに、それが本当なら画期的なことだ。携帯電話料金を分課金からduと同様の秒課金に移行することについて、エティサラットのジャルファー氏は、その影響を検討中と言い明言を避けた。第3の電気通信事業者にライセンスを与えるべきかという司会者の質問に対しては、「どうか今は止めて」(Please not now!)とサルタン氏が連呼して、聴衆を笑わせた。

3人とも、ウィットに富んだ受け答えをし、知性の高さをうかがわせた。セカンド・キャリアのトップらしく、duのサルタン氏は早口でまくしたて、対照的に他の二人は言葉を選びながら悠然と構えていたのが印象に残った。ちなみに、サルタン氏はエジプト人。最前列で聴いていた私は、何か質問してやろうと思ったが、答えられていない質問をついに思いつくことができなかった。

この日3人のパネラーに語られたことが全て実現するなら、UAEの電気通信事業にも期待がもてると思った。

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