ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

ガソリン値下で地球温暖化が進む?

2008年04月07日 00時18分01秒 | 時事
ガソリン税再可決を=自民・麻生氏(時事通信) - goo ニュース

この人の言うことはいつもわかりやすくて、きらいではない。今回のは、暫定税率の廃止によりガソリンが値下がりすると、消費者は車をより多く利用するようになる。すると温室効果ガスの排出が増える、という3段論法。一応つじつまは合っている。

だが、そもそもガソリンの消費量に価格弾力性があることは証明されているのだろうか。また、意図的なものだろうが、言及されていないのは、この1年でガソリンが急激に値上がりしたこと。

私がドバイに赴任した1年以上前、日本でのガソリンは1リットル120円台だった。それが、急激な原油高で1リットル150円を超えたのが昨年の8月頃。私もガソリン値上げは環境のためにはいいことかもしれないと書いたものだ。今回の暫定税率の廃止による値下げも、1年前の水準に戻っただけのこと。

温室効果ガスを減らすために、温室効果ガスの排出に関連するガソリンに税を課そうという議論はあっていいと思う。だが、暫定税率が導入された当時、温室効果ガスの削減という目標はなかった。暫定税率などというわかりにくい名前でなく、堂々と環境対策税という名前にでもしたら、消費者の納得も得やすいのではないか。

ちなみに、UAEのガソリンの値段1ガロン6.25ディルハムは、私の赴任以来ずっと変わっていない。ここのところの円高で、円換算では1リットル約46円となる。エジプトの1リットル20円には驚いたが、UAEは産油国の中ではまだ高い方らしい。水の値段と大きくかわらない。代替交通手段がないのも大きいが、燃費のいい小型車やハイブリッド車などでガソリンを節約しようという気になかなかならないのも事実だ。

石油資源の乏しいドバイはアブダビから買い上げて売っている。昨今の原油価格高騰を受け、現在は仕入れ値と小売価格が逆ざやになっているらしい。常に値上げが噂されているが、ものみな値上がりする中で、ガソリン価格が物価に与える影響も考慮する必要があり、値上げを踏みとどまっているということだろう。

ガソリン税の復活(?)をめぐる日本の動きには注目したい。

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