ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

ドバイのハイ・シーズンのホテル予約方法

2008年01月27日 23時03分33秒 | 住む/泊まる
ドバイへの旅行者が増えている。他の駐在員から、会食に同席を頼まれたり、果てはドコモの携帯電話の電源アダプターを忘れたので貸してほしいという依頼が舞い込んだり、視察という名を借りた観光旅行のアテンドで忙しいのは私だけではないことがわかる。ここのところ曇り勝ちで不順だが、夏に比べれば気候がよいのと、DSFが始まったのも多少は影響しているのかもしれない。

当然のことながら、ホテルの客室の稼動状況は満杯に近づいてくる。先週水曜日のことだ、明日(月曜日)からドバイに来る予定の出張者が泣きついてきた。グループ会社の旅行代理店に予約を依頼したところ、一番安いところで一泊9万円、しかもキャンセルチャージは100%とバージュ・アル・アラブのようなことを言っているらしい。総務の女性に、コーポレート・レートをもらっているホテルに片っ端から電話させるが、どこも空きがないかさらに高い料金をふっかけてくる。最後は私のアパートに泊めるしかないと腹をくくり(出張者は男性だ、念のため)、駄目元と事務所から一番近いホテルのマネージャーに直談判に行く。「予約受付に聞いたら満室ということだったが、あなたの魔法の杖(magic wand)の一振りでなんとかならないか」と。

シリア人の男性マネージャーは、ちょっと待てと一旦レセプションの方に消えてから、5分後くらいに戻ってきた。彼が言うのには、「わざわざ来てくれたあなたをこのまま帰すのはしのびない。一人分はなんとかひねり出した(squeezeと彼は言った)。もう一人については明朝まで待ってほしい」と。正直な彼は、別れ際にぽろっと教えてくれた。「二人目は、2泊ということでホテルとしては予約を入れにくい。展示会で3連泊の客を当て込んでいるが、2泊の予約を入れてしまうと、1泊分空室になってしまうからだ」と。

この説明で謎が解けた。要するに、ホテルのマネージャーはテトリスのゲームよろしくなるべく空室を作らないよう作らないようにと、予約を埋めていく。大きな展示会がある時は展示会の開催期間中を通して泊まってくれる客のために部屋をブロックしておき、短期の宿泊客には満室と言って断る。ただし、期間中まるまる空にしておくくらいなら何泊かでも泊まってくれた方がいい。見極めが難しいが、展示会直前まで続くこの駆け引きこそ、マネージャーの腕の見せ所なのだろう。

ホテル側のロジックに合わせて出張の計画を立てることは本末転倒だ。ただ、駐在員がホテル側の行動を予測できることは無駄ではない。

ホテルとのコーポレートレートの契約には必ず、レートの適用外の期間が記載されている。その期間は多くの場合、ドバイ・ワールド・トレード・センターで展示会が開催される期間だ。展示会の情報はドバイ・ワールド・トレード・センターのホームページに載っている。

結局、出張者には二人とも事務所の近くのホテルをあてがうことができた。市政庁税、サービス料込、朝食付900ディルハムはオフシーズンに比べればもちろん高いが、この時期止むを得まい。

出張が決まったら、キャンセレーションポリシーを確認の上、なるべく早めに予約を入れる。最後はホテルに足を運んで頼み込む。ドバイでのハイシーズンのホテル予約に、王道はなさそうだ。

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