ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

イラン攻撃?

2007年03月28日 23時31分01秒 | 時事
今日からサウジアラビアの首都リヤドでアラブ連盟首脳会議(当地ではアラブ・サミットと呼ばれる)が始まった。UAEからは、大統領のカリファ首長が出席している。

主要な議題としては、パレスチナとイスラエルの和平などについて話し合うようだが、今朝のガルフニュースのトップは、カリファ首長が昨日発表した声明の中で、UAEの領土をイラン攻撃には使わせないと言っている記事だった。「UAEは独立した主権国家でその領土をいかなる国、特に隣人でありかつイスラム教徒の攻撃のために使用することを拒絶する」としている。なんだか、現実にUAEの領土の使用を要請されているかのような口ぶりだ。地図でみると、イランはペルシャ湾をはさんで対岸にあるが、地勢的にUAEの領土(領海や領空を含む)を使わなければならない理由があるだろうか。むしろ、米軍の基地があるサウジアラビアあたりを牽制しているようにも聞こえる。

最近イランがきなくさい。身近に、1年以内にブッシュ大統領は戦争をはじめると言い切る人もいる。仮にそうなった時に、ドバイにどのような影響があるだろうか。当地のホテルに働く人から、9.11以降しばらくは客足がぱったり止まったと聞く。外国人の心理としては、同じ中東には違いないので、同じことが起こる可能性はある。

ドバイに対する外国による投資が一時的に中断したりスロー・ダウンすることもあるかもしれない。たいていの国際契約にはある、いわゆるフォース・マジョール(不可抗力)の条項が適用され、契約の解除や履行遅延が正当化されるだろう。

当地のジュベル・アリ・フリーゾーンにも、イランに対して製品を再輸出している企業が多数あり、売り上げが好調と聞く。戦争が始まれば、当然直接的な影響を蒙るだろう。

当地に赴任する前に、こんな話は全然聞いていない。現実にならないことを祈ろう。

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